目次
もち米を炊飯器で炊いたときに失敗する原因
調味料を入れてからお米に吸水させた
もち米を硬く炊いて失敗した原因のひとつに、十分吸水していない状態で炊いてしまったことが考えられます。中でも、一番可能性が高いのが、水を吸水させるより先に調味料を入れてしまった場合です。
調味料や具材の入った状態では、お米は十分に吸水できません。しょう油や塩などの調味料が入ると浸透圧が高くなり、水分がお米に入りにくくなるため、芯の残った硬い状態に仕上がってしまうのです。
もち米に十分吸水させるためには、水だけで少なくとも30分以上吸水させてから調味料を加えるようにしましょう。レシピによっては、水の中に調味料を加えてからもち米に吸水させるものもありますが、その場合は正確に計量するようにてくださいね。
洗米が不十分だった
洗米が不十分だともち米に糠(ぬか)が残ってしまいますよね。糠が残った状態だと吸水率が下がってうまく吸水できません。昔に比べて精米技術はずいぶん良くなったとはいえ、しっかりと洗ってから吸水させましょう。
また、もち米は水の吸収が早いので、洗米に時間をかけすぎると研ぎ汁を吸って糠臭くなってしまいますので注意してくださいね。
硬水を使っている
海外のミネラルウォーターには硬水を使っているものが多くあります。硬水は日本米との相性が良くないようで、硬水を使ってもち米を炊くと硬くなってしまいますので、軟水を使うようにしましょう。
水の量と浸水時間が足りない
もち米を炊く場合、水の量は白米を炊く時よりも少なめになります。もち米1合(180ml)に対して、水の量は1カップ(180ml)が基本ですので、正確に量りましょう。また、もち米の浸水時間が足りていないと、炊き上がったときに硬かったり芯が残ってしまいます。
炊きあがりに蒸らしていない
炊き上がった後は炊飯器の蓋をすぐに開けず、10分ほど蒸らすようにします。すぐに食べない場合でも、蒸らした後は空気を入れるようにまんべんなくほぐしておきましょう。
古いお米が混ざっていた
古いもち米は新米に比べて乾燥が進んでいます。よって通常の時間通りに吸水させても水分不足になる場合もあるでしょう。
タイマー機能を使って炊飯した
炊飯器についている便利なタイマー機能をよく使われるかと思いますが、実は、おこわには向いておらず、硬さや味にムラが出やすくなってしまいます。少し手間ですが、お弁当や朝食にする場合は、前日の夜に炊くか、早く起きて炊くのがおすすめです。
《 ポイント 》
- 水を吸水させるより先に調味料を入れてしまった。
- 洗米が不十分で糠が残っていた。
- 硬水で炊くと硬くなってしまう。
- 水の量と浸水時間が不足していた。
- 蓋をすぐに開けずに10分ほど蒸らす。
- 古いもち米は乾燥が進んでいる。
- タイマー機能を使って炊飯した。
もち米を炊飯器で炊いて失敗したときの対処法
白米(うるち米)と比べてもちもちとした食感が味わえるもち米は、粘り気が強く冷めても硬くなりにくいのが特徴です。そんなもち米を炊飯器で炊いたときに、硬かったり芯が残っていることがあります。でもあきらめる必要はありません。
硬く炊きあがっても美味しく食べることはできますので、炊飯器で炊いて失敗したときの対処法をご紹介しましょう。
電子レンジで加熱する
電子レンジを使って加熱することで、もち米の芯に火を通すことができます。芯が残っていると感じた場合、1合に付き大さじ1の水を振りかけてからラップをして、電子レンジで2~3分ほど加熱してみましょう。
一気に温めると、柔らかくなりすぎてしまいますので、数分ずつ様子を見ながら程よい硬さになるように温めるのがポイントです。振りかけた水が水蒸気となって、もち米をふっくらと仕上げてくれますよ。
また、硬い状態のままラップでくるんで冷凍し、食べる時にレンジで温める方法もあります。解凍した時の水分によって芯が取れて美味しくいただけます。
お酒を振って蒸し器で蒸す
レンジで加熱する方法と同じ要領で、芯が残っているもち米に均等にお酒を振りかけます。お酒の量の目安は、お米3合に対して大さじ一杯ぐらいでしょうか。蒸し器に蒸し布を敷き、その上にもち米をのせ布を被せて10分ほど蒸します。
途中で蒸し器の蓋を開けて、蒸し具合を確認してくださいね。お酒を振りかけることによって、もち米自体の香りを引き立ててくれるでしょう。
炊飯器で保温する
炊飯器に入った状態でしたら、その上から少量の水を振りかけます。振りかける水の量は、もち米の硬さによって違ってきますが、1合に対し大さじ1を目安にしてくださいね。そして保温スイッチをONにします。保温状態でしばらく放置しておくと、ふっくらとした仕上がりになります。
リメイクレシピに活用する
もち米を炊飯器で炊いて失敗したときは、まったく違う料理にアレンジしてみましょう。ひと手間加えたりリメイクすることにより、美味しくいただけますよ。
チャーハン
硬いおこわは水分が少なめで芯が残っているので、チャーハンに向いています。フライパンで炒めて好みの味に整えるだけで、パラパラに仕上がりやすくなります。
焼きおにぎり
おこわをそのまま握って、トースターで焼きます。焼くことによって火が通り、香ばしくなって美味しい焼きおにぎりの完成です。
チヂミ
芯が残ったおこわを水で洗い、ぬめりを取ったらザルにあげます。ネギなどのお好みの野菜とおこわ、しょう油などの調味料を入れて混ぜたら、フライパンに油を敷いて、薄く全体に広げるようにして両面をこんがり焼けば出来上がりです。チーズを加えるのもおすすめです。
リゾット
おこわを鍋に移し、水とコンソメを加えてリゾットにすることで、芯もなくなり美味しくいただくことができます。和風だしやめんつゆ、トマトソースとチーズなど、お好みの味に簡単にアレンジ可能です。
おはぎ
やわらかく炊きすぎてしまったもち米は、麺棒などで潰して丸めたら、あんこやきな粉、青海苔などをまぶしたらおはぎの出来上がりです。
《 ポイント 》
- 水を振りかけてからラップをし、電子レンジで加熱する。
- 均等にお酒を振りかけて蒸し器で蒸す。
- 水を振りかけてから保温にしてしばらく放置しておく。
- チャーハン、焼きおにぎり、ちぢみ、リゾット、おはぎなどリメイクレシピにする。
もち米を炊飯器で上手に炊くコツ
もち米を炊飯器で炊く際、失敗しないコツをご紹介します。
正確にもち米を計量する
計量カップ(180ml)にお米を山盛りにいれ、カップのふちから横にすり切り、表面を平らにします。
もち米は水で優しく洗う
力を入れて研ぐともち米がかけて食感が悪くなる可能性がありますので優しく洗いましょう。
もち米を素早く4回洗う
もち米は水の吸収が早いので、時間をかけてしまうと研ぎ汁を吸ってしまい、水が糠臭くなってしまいます。素早く1分程度を目安に洗いましょう。
1回目:炊飯器の内釜にもち米を入れ、水を一気に入れ素早くすすいだら、すぐに水を捨てます。
2回目:内釜に水をためながら指を立てて20~30回程度、研ぎ洗いしたら水を捨てます。
3回目:2回目と同様。
4回目:水を入れ軽くすすぎ洗いをしたら水を捨てます。
もち米1合に対して水の量は1カップ
もち米を炊く際の水の量は、もち米1合に対し、1カップ(180ml)です。
白米を炊くときよりも少なめの水を使って炊飯器で炊くことにより、柔らかすぎたり、べちゃべちゃになるのを避けることができます。水分量は重要なので入れすぎには注意しましょう。
もち米を平らにして炊く
もち米と水を炊飯器に入れたら、もち米をならして平らにしてから炊きましょう。炊きムラを防ぎます。
浸水させずに炊く
もち米は吸水率が高いので浸水させずに、炊飯器にセットしたらすぐ炊きましょう。お使いの炊飯器に「もち米モード」機能がある場合は、選択して炊くことで失敗も少なくなります。
炊きあがったら10分蒸らす
もち米が炊きあがったら、すぐに蓋を開けずに10分間蒸らすのがポイントです。10分間蒸らすことによって、もち米の食感が良くなり、失敗が少なくなります。
4等分にしてほぐす
炊きあがって蒸らしが終わったら、炊飯器の中でもち米をしゃもじで釜の周りを1周させ、お米の上から十文字に4等分し、まんべんなく空気を入れて余分な水分を飛ばしましょう。それによって透明感や光沢のある仕上がりになります。
《 ポイント 》
- 計量カップで正確にもち米を計量する。
- もち米は優しく洗う。
- もち米は素早く4回洗う。
- もち米1合に対して水の量は1カップ。
- もち米を平らにする。
- 浸水させずに炊く。
- 炊きあがったら10分蒸らす。
- 蒸らした後、4等分にしてほぐす。
もち米を蒸し器で蒸す場合
もち米を蒸す場合のポイントは以下のとおりです。
もち米の浸水時間は1~2時間
赤飯やおこわなどのご飯としてもち米を使う場合は1~2時間、
お餅を作る場合は6~8時間。夏場に浸水する場合は冷蔵庫で保管するか4時間程度で水を替える。
浸水後はしっかりと水を切る
浸水し終わったらザルにあげてしっかりと水を切ることがポイント。水が切れていないと上は芯が残り、下はべちゃべちゃになってしまいます。ザルにあげてから15分前後が目安です。
全体的にしっかりと水を切ることで、均一に蒸気がいきわたり綺麗な仕上がりになります。
もち米の蒸し時間
おこわやお餅を作るのに、もち米の蒸し時間はとても重要です。強火で20~30分蒸したら、味見をして状態を確認しましょう。芯が残っていたら再加熱し、芯がなければ完成。
蒸しすぎないように、味見して様子を見るようにするのがポイントです。
《 ポイント 》
- もち米を蒸す場合、赤飯やおこわの浸水時間は1~2時間、お餅は6~8時間。
- 浸水後はザルにあげて15分前後水を切る。
- もち米の蒸し時間は強火で20~30分、その後味見をして状態を確認しながら様子を見る。
「蒸す」とは、鍋の下の部分に水を入れ、加熱した時に出る水蒸気で加熱すること。水とは別に加熱しているため、水っぽくなることを防ぐことが出来るため、もち米に適しています。「炊く」とは、水と一緒にお米などを入れて加熱することで、茹でて加熱している状態。水を含むことで膨らみ、水が無い状態になると完成です。
水分が多すぎるとべちゃべちゃや柔らかすぎてしまうので、もち米を炊くには水分の調整を気をつけるのがポイント。
最後に
もち米は炊飯器で美味しく炊くことができます。この記事で原因をしっかりおさえておけば、炊飯器でもち米を炊いても失敗することはありません。
失敗した時の対処法は、
- 電子レンジで加熱
- お酒を振って蒸し器で蒸す
- 水を振って炊飯器で保温
おこわが硬い時は、チャーハンや焼きおにぎり、ちぢみにリメイク。
柔らかすぎた場合は、リゾットやおはぎにリメイクするのがおすすめですよ。
上手に炊くコツは、
- 計量カップで正確にもち米を計量
- 優しく、素早く洗う
- もち米1合に対して水の量は1カップ
- もち米を平らにする
- 浸水させずに炊く
- 炊きあがったら10分蒸らす
蒸らした後、4等分にしてほぐす
蒸し器を使うのはハードルが高く、自宅でおこわを作るのをためらっていた方も多かったかもしれませんが、炊飯器を使うことで失敗を恐れずに気軽な気持ちで挑戦できますので、この記事を参考に、おこわ作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
失敗しても、リメイク料理の幅も広がり、新しい食べ方を発見できる楽しみも増えるかもしれませんよ。