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鉢底石の代用品12選
鉢底石は植木鉢やプランターの下に敷き詰めて使いますが、素材は軽石や黒曜石が一般的です。表面に小さな穴がたくさんあいている多孔質なので、通気性や排水性が高く鉢底石に適しています。
ですので、鉢底石の代用になるものは、通気性、排水性、保水性が高いものが向いています。ここでは、どのようなものが鉢底石の代用になるのかご紹介します。
木炭や竹炭
木炭や竹炭は保湿性、通気性、排水性が高く、防虫や防カビ効果もあり、水はけもいいので鉢底石の代用としてはベストです。また、土が酸性の場合、木炭や竹炭は中性・アルカリ性なので中和してくれます。木炭や竹炭を鉢穴から落ちない大きさ(1cm~3cm程度)に砕いて使いましょう。
木炭は使用したものでもOKです。木炭は消臭剤としても使われていますが、使用済のものでも鉢底石に使えます。多孔性なので通気性もあり、土の水はけを良くしてくれるので鉢底石の代用品にベストです。
発泡スチロール
発泡スチロールは、通気性が良く鉢底石の代用に向いています。
- 発砲スチロールをしっかり洗い、乾かします。
- 1~3cm程度にカットすればOK!
とても軽いのがメリットです。鉢に敷いても重くなりません。ただし、発泡スチロールはプラスチックゴミになりますの土に混ざった鉢から一つ一つ取り出す作業があり少々面倒かもしれません。
網の排水口ネットにカットした発砲スチロールを入れて鉢底石の代用にすれば手間が省けます。
コルク
ワインの栓として知られるコルクも、鉢底石の代用に使うことができます。コルクをキレイに洗い、包丁で鉢穴から落ちない大きさ(1cm~3cm程度)にカットして使いましょう。
もし、コルクが硬くて切れない場合は、コルクを熱湯に入れて3分ほど煮ると柔らかくなります。カットしたコルクはしっかり乾燥させてから鉢底石の代用にしましょう。
とにかく軽くて扱いやすいのが利点なので、鉢底石ではちょっと重たいというときに代用してもいいですね。自宅に要らないコルクがたくさん余っているなら、有効活用してみてはいかがでしょうか。
ヤシガラなどのマルチング材
ヤシガラ・ミズゴケ・バークチップなどのマルチング材も、鉢底石の代用に向いています。マルチング材とは、植物の成長促進や土壌の環境を守るために使う資材のことです。土の乾燥や地温の上昇、病害虫を防ぐので、鉢底石の代用にするにはぴったりといえるでしょう。
ヤシガラを植木橋の底穴から落ちない大きさ(1~3cm程度)にカットして使いましょう。
マルチング材はホームセンターやガーデニング用品店などで買えますが、実にさまざまな種類があります。ウッドチップなど柔らかいマルチング材の場合、耐久性が低く土に還元されてしまいますので長期使用はできません。ウッドチップで代用する場合は、定期的に状態を確認するのがおすすめです。
小石や砂利
植木鉢の底穴から落ちない大きさ(1~3cm程度)の小石や砂利は鉢底石の代用になります。どちらも石なので同じように使えるのですが、鉢底石はより通気性や保水性に優れるという違いがあるのです。また根に負担がないように、考えられているという面もあります。
外で拾った小石や砂利はキレイに洗って天日で干してから使いましょう。小石は保湿性のある、小さな穴が空いているものや表面がザラザラしたものがおすすめです。
庭に落ちている小石や砂利を代用できるなら、わざわざ鉢底石を用意する必要がなく経済的といえます。ただし軽石と違って重みがあるので、天日干しのために頻繁にベランダに出すような観葉植物の植木鉢に使用すると持ち運びに力がいるかもしれません。
ハイドロボール
ハイドロボールは通気性が良く、鉢底石の代用品に向いています。というのも、ハイドロボールには軽石のように一面に小さな穴が空いているためです。ちなみにハイドロボールとは、水耕栽培で土の代りに使われている人工石のことを指します。小さな観葉植物に入っている茶色くて丸い小石といえば、分かりやすいかもしれません。
小粒なので、鉢底から落ちないサイズを選ぶか、排水口ネットにまとめて入れて使いましょう。汚れて水洗いしたあとのハイドロボールを再利用することもできます。
ハイドロボールは高温で殺菌されていますので、清潔である点がメリットです。また非常に軽いので、重たい代用品を使いたくない方にもいいでしょう。
割れた植木鉢、陶器、瓦のかけら
割れた植木鉢、陶器、瓦は鉢底石の代用になります。実は陶器には水分量を調節する働きがあり、根の発育にいいとされているためです。
植木鉢や陶器がほとんど元の形のまま残っている場合は、金づちで砕いて使うといいでしょう。ただし、割る場合は手を切る危険がありますのでタオルや布を巻いてから割るのがおすすめです。
粉状になったものや小さなかけらは分別ができず、土と混ざると再利用できなくなります。割った陶器類はネットに入れて使い、小さくなり過ぎた陶器は入れないように注意しましょう。
大粒の赤玉土や鹿沼土
大粒の赤玉土や鹿沼土は、通気性、排水性、保水性がありますので鉢底石の代用になります。ただし赤玉土は、砕けて粉状になると底穴から落ちてしまったり、鉢底にくっついて詰まりの原因になることがありますので注意しましょう。
鹿沼土は赤玉土よりは潰れにくいものの、植物によっては使わない方がいいこともあります。というのも、鹿沼土は酸性の土であるために、酸性が苦手な植物に使うと育ちが悪くなることがあるのです。鉢底石の代用品にする場合は、ツツジやサツキのように酸性が好きな植物に使いましょう。
ビー玉
割れた陶器類と同じ理由で、ビー玉もそのまま鉢底石として代用できます。涼し気で見た目がいいので、屋内の植木鉢にいいでしょう。
子供のいる家だと、遊ばなくなったビー玉がたくさんあるのではないでしょうか。それらを実用的に再利用できるのはうれしいですよね。ビー玉の他に、バブルジェリーやゼリーボールでもOKです。土に混ざる可能性があるのでネットにまとめ、底穴を塞がないよう置く位置に注意しましょう。
麻ひも
荷物を縛る麻紐は、ほぐして丸めたら鉢底石の代用になります。意外な代用品ですが、麻ひもには二酸化炭素を吸収する性質があり、土の環境を整えてくれるのです。
ただし、マルチ剤のウッドチップのように柔らかい点に関してはデメリットとなります。土に還元されてしまいますので長期使用はできません。一時的に代用品が必要なとき限定で使うといいでしょう。
貝殻
見た目がよく実用的な代用品では、貝殻もおすすめです。貝殻にはカルシウムやマグネシウムが含まれており、土の質を良くする効果があります。貝殻を排水口ネットに入れて、鉢底石の代用に使うことができますよ。
ただし、貝柱や実が残っているものはNGです。カビの原因となりますので、必ず取り除き、キレイに洗って天日干しで乾燥したものを使いましょう。グリルで焼いてから砕くと、貝柱や実を簡単に取り除けます。
くるみの殻
くるみの殻はマルチング材としても使用されていますが、鉢底石として代用することができます。ただし貝殻と同様、実が残っているものはカビの原因となりますのでNGです。
実をしっかり取り除き、キレイに洗って天日干しで乾燥させてから使いましょう。
ペットボトルのフタ、ストロー
ペットボトルのフタやストローは通水性があるので、鉢底石の代用になります。これらのようなプラスチックは通常ごみとして捨てがちですが、鉢底石として再利用できるとエコになりますね。ストローは小さく切ってから、ネットにまとめて入れて使いましょう。
《 ポイント 》
- 木炭や竹炭は通気性、排水性に優れた代用品
- 発泡スチロールは軽く扱いやすい代用品
- コルクは軽く、手軽に利用できる代用品
- マルチング材は土壌環境を整える効果がある
- 小石や砂利は通気性、排水性がある代用品
- ハイドロボールは通気性が高く清潔な代用品
- 割れた陶器類は水分調整効果がある代用品
- 赤玉土や鹿沼土は通気性、排水性、保水性がある
- ビー玉やゼリーボールは見た目もよい代用品
- 麻ひもは二酸化炭素吸収効果がある一時的代用品
- 貝殻は土の質を良くする効果がある代用品
- ペットボトルのフタやストローは再利用できる代用品
鉢底石の代用には不向きなもの
鉢底石の代用になるものは、通気性、排水性、保水性が高いものが向いています。それとは反対に、鉢底石の代用に不向きなものは、保水性が高すぎる、排水性が低いものです。
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キッチン用のスポンジは保水性が高く水を多く含むため、鉢底石の代用に不向きです。
仮にスポンジを鉢底石として代用したとすると、その保水性の高さから鉢底はいつも湿度が高い状態になります。いわゆうr「水はけが悪い」と言われる状態です。多湿環境が長期間続くと菌が増殖し、植物の根が腐ってしまうのです。
またスポンジは、すぐに劣化してしまう点も代用できない理由のひとつとなっています。土は非常に重たいので、柔らかいスポンジはあっという間にぺちゃんこになってしまうからです。通常植え替えは短くても半年は行わないので、耐久性のないスポンジは代用品になりません。
紙類
段ボールや新聞紙、厚紙などの紙類はガーデニングで使われることもあるのですが、鉢底石の代用品にはなりません。というのも紙類は水を多く含み、排水性が悪いためです。
また、紙類はすぐに破れたり潰れてしまうなど、耐久性も弱いです。鉢底で劣化して、土の質を落とす可能性もあります。スポンジと同じように植物が根腐れを起こす原因となりますので、使わないようにしましょう。
《 ポイント 》
スポンジ
- 保水性が高すぎて鉢底が常に湿度が高い状態になる。
- 多湿環境が続くと菌が増殖し、植物の根が腐る。
- 耐久性が低く、すぐに劣化してしまう。
紙類(段ボール、新聞紙、厚紙)
- 水を多く含み、排水性が悪い。
- 耐久性が弱く、すぐに破れたり潰れたりする。
- 土の質を落とす可能性がある。
- 根腐れを起こす原因となる。
鉢底石が無くても良い場合
鉢底石の代用が必要なのは、土の中の通気性、排水性、保水性を高めるためです。それによって、植物の根腐れを防ぐことができます。
ただし、何が何でも鉢底石が必要なわけではありません。鉢底石が無くても良い場合があります。
素焼きの鉢を使用するとき
素焼きの鉢は目に見えない小さな穴が表面全体にあいています。素焼きの鉢は通気性や排水性が非常に高いので、鉢底石が無くてもかまいません。
排水性と保水性が高い土を使用するとき
使用する土が、「赤玉土」「鹿沼土」「パーライト」など、排水性と保水性が高い土を使用する場合は鉢底石は必要ありません。土を買ったときのパッケージに「鉢底石不要」などと書かれている場合は、使わなくても問題ないでしょう。
ただし、同じ土を使い続けると排水性や保水性が悪くなりますので、状態を見ながら新しい土を入れ替えましょう。植物の種類によって、土を入れ替える頻度が変わりますので確認しましょう。
スリット鉢を使用するとき
スリット鉢は鉢の底から側面に向かってスリット(切れ目)がありますので、排水性や通気性が高く鉢底石が無くてもかまいません。
新鮮な酸素を側面のスリットから取り入れることができますので、根腐れ防止にもなります。
小さな鉢のとき
小さな鉢、プランターに鉢底石を入れると、その分土の量が減ってします。土が少ないと根が伸びにくく成長が悪くなりますので鉢底石を入ず、土をしっかり入れましょう。
エアープランツを育てるとき
エアープランツはそもそも水やりの必要がない植物なので、鉢底石も不要です。エアープランツは空気中の水分を上手に吸収して育つので、土を使いません。土が要らないので水も必要なく、鉢底石が無くても問題ないというわけです。
鉢底石の再利用法
鉢底石の代用品をご紹介しましたが、鉢底石は再利用できます。一度使用した鉢底石は、土をキレイに落とし、水洗いして天日干しでしっかり乾かせば、再度鉢底石として使用できます。
鉢底石をすぐ使用しない場合は、排水口用のネットに入れて風通しの良い場所で保管しましょう。
最近は鉢底石では無く、鉢底ネットを使用している人が増えているようですが、鉢底ネットは水はけが良いので鉢底石を入れる必要はありません。
最後に
鉢底石の代用品を紹介しましたが、鉢底石の主な目的は排水性や通気性を良くして根腐れを防ぐためですが、どうしても鉢底石を使わなければいけないということではありません。
鉢の素材や大きさ、土の種類、植物の種類、性質などで、鉢底石が必要無いものもたくさんあります。また、鉢底石で通気性や排水性を良くしても水のやり方で根腐れを起こす可能性があります。
植え替えをする際、鉢底石が必要か迷った場合は、木炭を鉢底石の代用にすることをおすすめします。木炭は通気性、排水性、保水性が高いだけでなく、防虫効果もありますので水はけ以外の効果もあります。