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鉄フライパンに「たわし」がおすすめな理由
鉄フライパンは、たわしで洗うのがおすすめです。一般的に鉄フライパンは、焦げつきやサビを防ぐために鉄の表面に油をなじませて油膜を作るのが良いとされています。
鉄フライパンは使い込むほど油のなじみが良くなりますが、中性洗剤をつけてゴシゴシ洗うとせっかくできた油膜が剥がれてしまうと言われていますので、たわしで洗うのをおすすめします。
鉄フライパンを使った後、汚れた油や焦げやカスをしっかり落とさずに更に上から油を塗ると、油汚れが積み重なり、逆に焦げ付きやすくなります。また、汚れた油が酸化して内側からサビが進行する可能性があります。
たわしは鉄フライパンについた汚れた油や焦げやカスをかき落としてくれますのでおすすめです。キレイにした上から油をなじませればOKです。
鉄フライパンを洗う時のたわしの使い方
通常、使用した鉄のフライパンはたわしとお湯だけで洗うのが良いとされています。鉄フライパンを使った後、まだ熱があるうちに、お湯または水を入れてたわしで擦って汚れを洗い流します。
たわしで洗う時は、お湯の方が油や焦げなどの汚れが落ちやすいので、お湯で洗うのがおすすめです。水で洗うと油汚れが落ちにくく、たわしに油が付いてべたべたになる可能性があります。
また、鉄フライパンをたわしでやみくもにゴシゴシ力を入れて洗うのは逆効果になるので注意しましょう。油汚れや焦げ付きがひどいと、こすらないと落ちないように見えますが、逆に鉄フライパンの見えない凹凸に汚れが入り込んでしまうことがあります。鉄フライパンの汚れを落とす時はたわしでかき出す落とし方がおすすめです。
鉄フライパンをたわしで洗う基本の方法をご紹介します。
鉄フライパンの基本的な洗い方
- 鉄フライパンを使用後、手で触れるくらい冷めたら洗い始めます。
- 鉄フライパンにお湯を入れ、たわしでかき出すよう擦って汚れを落とします。お湯が汚れたら新しいお湯を入れ替えながら洗いましょう。
- 汚れが落ちたら、流水ですすぎます。
- 鉄フライパンの水分をしっかり拭き取ります。
- すぐ火にかけ、鉄フライパンの表面の水分を完全に飛ばし、水蒸気が出なくなったら火を止めます。
- 鉄フライパンの内側と持ち手の部分にキッチンペーパーで食用油を薄く塗ります。※これを油返しと言います。
- 油をまんべんなく塗り終わったら弱火で5分程度加熱します。
- 火を止めてしっかり冷めたら完了です。
鉄フライパンに焦げがある時は、焦げをふやかしてから洗いましょう。
鉄フライパンの焦げをふやかす方法
- 熱湯を入れて冷めるまで放置する。
- 鉄フライパンに水を入れて中火で加熱し、沸騰したら火を止めて冷めるまで放置する。
- 鉄フライパンの中のお湯が冷めたら、ヘラやたわしで優しく擦り落としましょう。
ガンコなベタベタ油汚れやカスが落ちない時は食器用洗剤で落としても問題ありません。汚い油を積み重ねると逆に焦げたり内側からサビてしまいます。
ガンコな汚れた油を洗剤で落とした後、サラダ油などで油ならしをすればOKです。正しい方法でコーティングした油膜は簡単には落ちません。
鉄フライパンを使用後、まだ熱が残っているうちに洗いましょう。時間がたつほど汚れが落としにくくなります。
《 ポイント 》
- 鉄フライパンは、洗剤を使わず、たわしとお湯だけで洗う。
- たわしでゴシゴシと力任せに擦らない。
- まだ熱が残っているうちに洗う。
- 洗い終わって水気を拭き取った後、中火にかけて水分を飛ばす。
- 最後に鉄フライパンの内側と持ち手にキッチンペーパーで油を塗る。
鉄フライパンにおすすめのたわしの種類
たわしにはさまざまな種類がありますが、鉄フライパンには「パームたわし」や「竹サララ」を使うのをおすすめします。
パームたわし
「たわし」というと真っ先にイメージする茶色いたわしが、「パームたわし」です。スポンジと違って繊維がとても硬いので、その硬さを利用して頑固な汚れを落とします。ですので、鉄フライパンを洗うのに向いているのです。
パームたわしは、熱や油に強いというが素材の特性があります。頑固な鉄フライパンの油汚れをかき出す、こそげ落とすことができるのはこのためです。また純植物性繊維をたばねていますので、凹凸面の汚れもきれいにすることができます。
竹ササラ
そのほかに鉄フライパンを洗うたわしとして、鉄製品を洗うために作られた「竹ササラ」をおすすめします。「竹ササラ」は細く割った竹を束ねたもので、家庭用鉄フライパンから中華用の大きな鉄フライパン、鉄鍋まで、さまざまな鉄製品を手早く洗うことができます。
油汚れは熱湯時に落とすのが効果的ですが、一般的なたわしでは熱湯で洗うことはできませんし、焦げが落ちにくい、手が汚れるなどの問題もあります。しかし、「竹ササラ」なら熱湯で洗うことができますので便利です。
竹ササラは業務用としても使用されているくらい、鉄フライパンと相性が良いたわしです。始めは硬くて洗いにくいかもしれませんが、だんだんとなじんで柔らかくなってきます。鉄フライパンを使うなら、相棒として持っておくのがおすすめです。
スチールたわし
スチールたわしは、スチールを繊維のように細くしたたわしです、石ケンがついて、ガンコな油汚れやコゲつきを手早く落とせる商品もポピュラーですね。スチールたわしは鉄フライパンに合うというイメージがあるかもしれませんが、実はあまりおすすめできません。
というのも、スチールたわしで鉄フライパンを洗うと、せっかく育てた油膜がはがれて焦げ付きやすくなってしまうからです。また鉄フライパン自体にも傷が付きやすく、フライパンの寿命を縮めてしまいます。
鉄フライパンの説明書に、金属たわしで洗わないように注意書きされている場合も多いのです。
ただし、一般的なたわしでは洗い切れない蓄積されたガンコな油を落とす時はスチールたわしを使うと効果的です。毎回使うのはNGですが、万が一のときに備えて持っておくことはおすすめです。
ステンレスたわし
ステンレスたわしは、ステンレス素材を太いコイルのように加工して丸く成型したたわしです。スチールたわしと同じ「金たわし」の一種ですが、スチールたわしよりも硬く、頑固な汚れを落としやすいという特徴があります。
ステンレス製ですのでサビに強く、鉄フライパンのガンコな焦げやサビを落とすのに最適です。ただしスチールたわしと同様、油膜がはがれたりフライパンを傷つけることがあるので、ゴシゴシこすらないことが鉄則です。
鉄フライパンに最適なたわしの選び方
ここでは、鉄フライパンに使うたわしの選び方のポイントをご紹介します。たわしは、鉄フライパンの状態によって素材を分けるのがおすすめです。たわしには主に3つの素材があります。
- パームヤシ
- シュロ(棕櫚)
- サイザル麻
それぞれの素材には特徴があるので、鉄フライパンの汚れ方を確認しながら使い分けましょう。
パームヤシ
なかなか取れない鉄フライパンの頑固な汚れには、パーム素材のたわしがおすすめです。というのもパームは非常に硬く、こびりついた油汚れや焦げ付きをかきだすようにして落とせるからです。
パームたわしは、ココヤシの実が原料となっています。いわゆる「ココナッツ」の繊維を集めて束にしたもので、トゲトゲとした繊維の頭を使って汚れをかき落とすのです。
大中小とさまざまなサイズがありますが、基本的には鉄フライパンの大きさに合わせるのがいいでしょう。大きすぎるとたわしを持ちにくく力が入らないので、自分の手の大きさに合わせるのもOKです。
パームたわしでは「亀の子束子」が定番ですが、同じパームでも白いものがあります。これはパームを過酸化水素水で白く脱色したもので、茶色いパームたわしよりも強度が高いのが特徴です。鉄フライパンの汚れがパームたわしで落とせなかった場合は、この「ホワイトパーム」を使ってみてもいいでしょう。
最小サイズ
亀の子束子西尾商店 パームチビッコ 亀の子束子の最小サイズ。定番の「亀の子束子」を品質そのままに小さくしたたわしで、繊維も短めなので水ハネが少ないのが特徴です。
シュロ(棕櫚)
シュロはパームよりも柔軟性があるので、鉄フライパンの油汚れを拭い落とすように洗いたい場合におすすめです。パームほどのタフさはありませんが、繊維が細く傷が付きにくいのが魅力です。鉄フライパンの外側はパームたわし、内側はシュロたわしとつかいわけてもいいでしょう。
シュロは、ヤシ科の植物を原料にしたたわしです。この植物は、長い期間雨風を受けてもボロボロにならないという特徴を持っています。ですのでシュロたわしも非常に耐久性があり、使い続けてもなかなかへたりません。人工的な素材と比べるとカビが生えにくいという特性もあり、管理しやすいのも便利です。
繊維にコシがあるので、鉄フライパンだけでなくまな板や野菜を洗うときにも使えます。鉄フライパンに傷を付けたくないという方のみならず、ひとつのたわしでいろいろなものを洗いたい方にもおすすめです。
「しゅのやわしいたわし」には持ち手がついており、熱湯で油汚れを落とすことがでできます。
サイザル麻
サイザル麻のたわしは、あまり汚れの強くない鉄フライパンにおすすめです。
サイザル麻はパールやシュロに比べてソフトな感触なので、「拭き取る」感覚で汚れを落とすのに向いているからです。ソフトですが耐久性があり、油分や汚れをはじく力があります。柔らかい繊維全体で、汚れを洗い落とすことができます。
サイザル麻の原料は、リュウゼツラン科の植物の繊維です。一般的なたわしのようなとげとげした肌当たりではなく、手でにぎっても痛くありません。また吸水性も良く、水につけるとさらに柔らかくなります。油分にも強いので、油汚れでタワシが汚くなることも少ないです。
一方で、吸水性が良いために乾きにくいというデメリットがあります。多くのサイザル麻たわしはドーナツ型になっていますが、それは乾きを良くするためです。シンクに置きっぱなしだとなかなか乾かないので、縦にしてつるしたり、天日干しにする必要があります。
このようにタワシそのもののお手入れが面倒なのは難点ですが、柔らかくて傷が付きにくいのは大きな魅力です。使うたびにこまめに洗っていれば油や焦げが固まることもないので、日常的にサイザル麻のたわしで鉄フライパンをきれいにしておくといいでしょう。
最後に
鉄フライパンにはたわしがおすすめな理由をお話しました。鉄フライパンで汚れた油を積み重ねると酸化して劣化した油の嫌な臭いが、料理にもついてしまいます。
鉄フライパンを使った後、たわしとお湯だけで落とすことができない汚れた油は、洗剤を使って落としても大丈夫です。汚れた油をキレイに落としてから油ならしをすればOKです。
油ならしは、鉄フライパンに膜を作るのが目的ですので、使用する油は膜をはりやすい乾燥する性質のものを塗りましょう。
油にはさまざまな種類がありますが、鉄フライパンの油ならしに向いている油はサラダ油のような「半乾性油」や、アマニ油などの「乾性油」が良いとされています。オリーブオイルは「不乾性油」ですので、油ならしには不向きだと言われています。
美味しい料理を作るためにも、鉄フライパンの油汚れをしっかり落としたら、油ならしで鉄フライパンをコーティングしましょう。