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一周忌は服装のマナーに気を付けよう
一周忌とは、故人が亡くなってから1年後の忌日のこと、またはそのときに行う仏教の法要のことです。仏教では、この一周忌までは喪に服す期間でとされています。
一周忌をくぎりとして喪があけますので、仏教にとってとても大事な法要です。そのため、大切な法要にふさわしい服装をすることが求められます。
施主は正喪服を着用することが望ましいですが、親族や知人であれば準喪服や略喪服でも良いでしょう。なお、平服で良いとあっても、華美にならない落ち着いた色合いの服装にし、カジュアルにならないようにします。
正喪服とは、喪服の中で最も格式があるものです。葬儀や法事において故人と関係の深い遺族が着用します。格式が高いからと、一般の参列者が着るのはかえって不自然になりますので注意しましょう。
正喪服の場合は、夏場でも長袖を着用するなど極力肌を露出しないようにします。準喪服は、正喪服よりも自由度があり、遺族でも参列者でも立場を問わず着用できるものです。
略喪服はダークスーツや黒のアンサンブルなど地味な色合いの服装を指します。平服でお越しくださいとの指示があった場合は、略喪服で行いましょう。
なお、一般に、納骨は四十九日に行うことが多いですが、お墓の用意や喪家の考え方などからそれより後に行われることがあります。一周忌に合わせて納骨式を行うこともあるでしょう。
納骨式のみを行う場合は喪服でなくても良いとされていますが、一周忌と合わせて納骨も行う場合は、やはり喪服を着ることが大切です。
一般的な一周忌に参列する際の服装
実際に参列するとなると、どういった格好がふさわしいのか男女や年代によって異なるのでその違いを見ていきましょう。
女性が参列する場合
故人の親族の女性は準喪服を着用します。ただし、妊娠している場合は、お腹の赤ちゃんに負担をかけないようにすることが大切です。
黒いワンピースなどで代用しても咎められることはないでしょう。友人だった場合は、準喪服でなくても構いません。黒っぽいスーツなどの目立たない落ち着いた色身の服を着用すると良いでしょう。
男性が参列する場合
親族の男性は、準喪服を着ます。シャツは白で柄の入っていないものにし、ネクタイは黒です。ネクタイピンは、法要のときは外しましょう。故人と友人だった場合は、喪服ではなくダークグレーなどの黒っぽい色のスーツを着用します。
赤ちゃんや子供の場合
子どもの服装に関して、それほど厳しい決まりはありません。幼稚園や小学校以上で制服があるのであれば、それを着ると良いでしょう。
制服がない場合は、男の子なら白いシャツに黒いズボン、女の子なら白シャツに黒いスカートや黒いワンピースなどの服装にすると無難です。一周忌の日程は前もって決まっていますので、事前に用意しておくと良いでしょう。
高価な服にする必要はありません。靴はフォーマルな物を用意しなくても構いませんが、黒や白などが無難です。赤や黄色などの目立つ色の靴は避けた方が良いでしょう。
赤ちゃんの服装も、厳しい決まりはありません。法要の際に極力ぐずらないようにするため、赤ちゃんにとって着心地の良い楽な服装にすると良いでしょう。
ただし、華美にならないように注意が必要です。可能であれば黒やグレーの落ち着いた色の服にし、フリルがたくさんついているなど華やかなものはやめておくと無難です。
身内だけで行う一周忌の服装
身内で行う場合は、ある程度簡素でも大丈夫な場合があります。どの程度まで問題ないのかを見ていきましょう。
女性の場合
基本的には喪服の着用が望ましいですが、身内だけで行う場合は略喪服で行うことも多いです。施主に確認すると良いでしょう。
黒っぽい目立たない服装で、パンツスタイルではなくスカートにしましょう。また、素足や肌色のストッキングではなく、黒いストッキングを履くのがマナーです。
肌の露出は避けるべきですが、夏の暑い時期は半袖でも構いません。タイツはカジュアルとされているため避けるべきですが、冬場で体を冷やす恐れがある場合などは履いても構わないでしょう。妊婦の場合も、暖かい恰好を優先します。
男性の場合
女性同様、基本的には喪服ですが、身内の了解があれば略喪服でも構いません。身内だけで行う場合は、どのような服装にするべきか、話しあって決めると良いでしょう。
赤ちゃんや子供の場合
一般的な一周忌と同様、赤ちゃんや子どもの服装はあまり難しく考える必要はありません。赤ちゃんの場合は派手な色やフリルなどの装飾がついた服を避け、可能であれば黒やグレーの服を着せます。
夏場の暑い盛りはできるだけ通気性が良く涼しい服を選ぶことが大切です。子どもは、幼稚園や学校に通っていて制服があるならそれを着せ、制服がないなら黒っぽい落ち着いた色の服装にしましょう。
寒い冬!コートは着ても良い?
冬の寒い時期に行うのであれば、何か羽織る必要があります。このとき、ジャンパーやダウンジャケットはカジュアルすぎるため避け、コートにすることが必要です。コートは黒やグレーで無地のものを選びます。
また、殺生をイメージさせる毛皮やファー、ボアなども良くありません。フェイクファーであっても外しておきましょう。ただし、身内だけならそこまで厳密に求められない可能性もありますので、施主に確認してみると良いでしょう。
一周忌の服装で注意すべきポイント
個人を偲ぶ一周忌にはふさわしい服装で臨むべきです。ここでは気をつけたいポイントをいくつかご紹介していきます。
バッグ
法要のときは、男性はあまりバッグを持たずに数珠やハンカチなどの荷物はポケットに入れてすませることが多いです。
しかし、ボケットがふくらんでみっともないなど、バッグを持っていきたい人もいるでしょう。その場合は、黒く光沢のない小さめのセカンドバッグなどにします。見える位置に金具がついていないことも大切です。
女性は、男性とは違ってバッグを持っていくことが普通です。黒くて光沢がなく、外側に金具がついていないシンプルなデザインのハンドバッグにしましょう。
フォーマルなバッグはあまり物が入らないサイズであることが多いので、サブバッグも持っていくと安心です。使わないようならたたんでメインバッグに入れておくと良いでしょう。サブバックも布素材の光沢や飾りのないものにします。
靴、靴下
男性は、黒い靴下を履き、光沢のない黒い靴にします。女性の靴は、光沢がなく先のとがっていないパンプスにしましょう。ヒールのないぺたんとしたものよりも、3~5cm程度のヒールがある方がフォーマルです。ただし、妊婦はヒールのない靴にしても問題ありません。
アクセサリー
一周忌に参列するときは、華美な装飾は避けるべきです。もちろん、アクセサリーを着けてはいけません。ピアスやイアリングは外しましょう。白か黒のパールのネックレスなら良いとされています。結婚指輪も問題ありません。
一周忌に着るべきではない服装
一周忌で着てはいけない服装もあります。NGな部分を把握しておき、適切な格好で臨みましょう。
「平服で」は「普段着」という意味ではない
平服というと普段着のようなイメージを持つ人がいるかもしれませんが、これは間違いです。デニムやTシャツといったカジュアルすぎる服装は避けましょう。平服の指定があった場合は、地味な色合いのスーツなどを着用します。
肌の露出は避ける
法事の際は、特に女性は極力肌の露出は避けるべきとされています。女性は、準喪服や略喪服では夏の暑い時期に半袖を着る程度は許されますが、膝より上のミニスカートなどは避けましょう。
殺生をイメージさせるものは良くない
法事は仏様の前で行うものです。クロコダイルなどの革製品や毛皮などの殺生を連想させるものは避けましょう。ただし、靴やバッグが本革素材という人もいるでしょう。
殺生を連想させるものは避けるべきという本来の趣旨からすると本革製品も避けるべきですが、実際には使用している人も多く、許容されています。ワニ革やヘビ革などは避けましょう。
マナーを守って一周忌にふさわしい服装を
一周忌は故人の冥福を祈り供養する大切な法事ですので、礼儀にかなった服装をすることが大切です。多くの場合、準喪服であれば問題ありませんが、平服でといわれたときは略喪服でも良いでしょう。
いずれの場合も、派手な色のカバンや靴、華美なアクセサリーなどは避けることが大切です。迷ったときは、施主に確かめてみるのも良いでしょう。