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壁紙のボールペン汚れを落とすには
壁紙にボールペンで書かれた落書きなど、壁紙のボールペン汚れをきれいに落とすには、そのボールペンのインクの種類を特定することがなにより大切です。
なぜなら、インクの種類によって、汚れの落とし方が違ってくるからです。ボールペンのインクには、大きく分けて、油性と水性の2種類があります。
ボールペンの色素を溶かし込む溶剤が有機溶剤の場合は油性、水の場合は水性になります。最近流行りのゲルインクは、水性のインクにゲル化剤を加えたものなので水性です。
そのボールペンが油性か水性かを確かめる方法として一番簡単なのは、プラスチックなどインクが染み込まない素材に書いてみて、すぐ指で擦ってみることです。身近にあるペットボトルを使うと簡単ですね。インクが落ちたり伸びたりするようなら、それは水性インクです。
また、ペットボトルなどがない場合は、紙に書いてみて、その上に数滴水を垂らしたあと指で軽くこすってみましょう。インクがにじめば、それは水性です。油性の場合は、ほとんどにじみは生じません。
壁紙にボールペンで書かれた落書きを消す方法5つ
壁紙の汚れは水性か油性かで落とし方が変わります。また汚れの強さによっても使用するものが変わりますので、以下でいくつかご紹介していきます。
①消しゴムやメラミンスポンジを使う
では、具体的な壁紙のボールペン汚れを落とす方法を見ていきましょう。
まず、ボールペン汚れがごく軽い場合は、消しゴムやメラミンスポンジでこすって落とすことができます。壁紙を傷めないように、軽くこすってみましょう。
強くこすると、摩擦で壁紙が破けてしまったり、ボロボロになってしまったりするので、ご注意を。また、壁材が柔らかく、線の部分が凹んでしまっているような場合は、この方法だけでは消すことはできません。
②濡れ雑巾で拭いてみる
ボールペンのインクが水性の場合、水で濡らして固く絞った雑巾で拭いてみましょう。
落ちないようなら、台所用洗剤や洗濯用洗剤を数滴垂らした水で濡らした雑巾で拭いてみましょう。日本の住宅に多いビニールクロスの壁紙の場合、これでキレイになることも多いです。
それでも落ちないようなら、ガラスクリーナーを使ってみましょう。綿棒の先にガラスクリーナーをつけて汚れの部分を丁寧にこすります。これを繰り返すと、インクの広がりを最小限に抑え、汚れをキレイに落とすことができます。
その後、もう一度水拭きしクリーナーを落とし、乾いた布で拭いて仕上げます。なお、これらの水を使った方法は、紙・和紙製の壁紙など、水拭きできない素材の場合は、採用できません。
③クレンジングオイルで油分を落とす
インクが油性の場合は、まず、クレンジングオイルを使う方法を試してみましょう。
綿棒にクレンジングオイルを染み込ませ、汚れの部分をトントン叩くようにして汚れを浮かせます。そのあとキッチンペーパーで押さえると、汚れがキッチンペーパーに移ります。
日本の住宅に多いビニールクロスの壁紙の場合は、これを数回繰り返せば、たいていの油性のボールペン汚れをきれいに落とすことができます。
ただし、壁紙の素材によっては、染みになることがありますので、目立たないところで試してみて確認するようにしてください。
④漂白剤で落とす(強めの油汚れ)
インクが油性の場合で、かつ、白い壁紙の場合に限られますが、漂白剤を使ってキレイにする方法もあります。
綿棒に液体の塩素系漂白剤をつけ、ボールペン汚れの部分に塗ります。数分放置して、色が落ちたら、水拭きして漂白剤を落とし、乾拭きで仕上げます。この方法は、色付きの壁紙では色落ちしてしまうので、白の壁紙の場合に限られます。
また、仕上げの水拭き、乾拭きをきちんとしておかないと、のちのち壁紙が黄色く変色してしまうことがあるので、注意しましょう。
塩素系の漂白剤は壁紙を脱色してしまう可能性が高くあります。そのためまずは目立たないところを小さい範囲で試してみましょう。
また塩素系の漂白剤は大変強力です。使うときは間違って手につけないようにゴム手袋をして作業しましょう。また長時間作業をすることになりそうであれば換気も心がけなければなりません。
⑤ガンジー(ガンヂー)インキ消を使う(頑固な油汚れ)
インクが油性の場合は、とっておきの方法があります。それは、「ガンヂーのインキ消・ボールペン用」を使う方法です。
ガンヂーのインキ消は、もともと紙に書いた油性ボールペンの文字を消すためのものなのですが、壁紙のボールペン汚れもきれいに消すことができます。
ガンヂーのインキ消の箱の中には、1液(無色透明の液体、白のキャップ)と2液(青い液体、青のキャップ)が入っています。
まず、1液のキャップには刷毛がついていないので、綿棒の先に1液をつけ、ボールペン汚れの部分に塗ります。次に、2液をキャップに付いている刷毛で塗ります。
1液・2液とも、多く塗りすぎた場合や液垂れしそうな場合は、同梱の吸い取り紙で吸い取ります。これを数回繰り返せば、ボールペン汚れをきれいに落とすことができます。
壁紙のボールペン汚れを落とす際の注意点
汚れが気になって仕方ない!という方も多いと思います。しかし、汚れを完璧に落としたいからといって、力づく洗浄しようとすると、かえって壁紙を傷つけてしまいます。綺麗に汚れを落とすためん注意点をお教えします。
強くこする方法はNG
インターネットで壁紙のボールペン汚れを落とす方法を検索すると、手軽な方法として、消しゴムや砂消し、メラミンスポンジなどでこすって落とす方法がよく紹介されています。
しかし、強くこすってしまうと、摩擦によって壁紙が破けてしまったり、ボロボロになってしまったりするので注意が必要です。こすって落とす方法は、ボールペン汚れがごく軽い場合のみに行うのが無難です。
除光液や消毒用エタノールの使用は避ける
インターネットで壁紙の油性のボールペン汚れを落とす方法を検索すると、除光液や消毒用エタノールを使う方法もかなりヒットします。
しかし、これらの方法は、壁紙を傷めてしまう恐れが大いにあるのであまりオススメできません。白以外の壁紙の場合は、色落ちしてしまうことがありますし、白い壁紙の場合も、黄色く変色してしまうことがあります。これらの方法は避けたほうが無難でしょう。
壁紙の素材も考慮してそれぞれの対処法をとる
壁紙のボールペン汚れを落とす際は、インクの種類を特定するとともに、壁紙の材質もきちんと把握して、その壁紙に合った対処法を採るようにしましょう。壁紙の材質に合わない対処法を採ってしまうと、汚れが落ちるどころか、にじんで広がってしまうことがあります。
また、壁紙の色が落ちてしまったり、壁紙が破けてしまったりすることもあります。壁紙の材質がはっきりしないときは、その消し方をしても大丈夫かどうか、目立たないところで試してみて確認すると安心でしょう。
インクの種類と壁紙の素材を確認してキレイに落としましょう
新築の場合や賃貸物件の場合は、お子さんに壁に落書きをされてしまうと頭をかかえてしまいますよね。一番良いのは、お子さんの手の届くところにボールペンを置いておかないことですが、落書きをされてしまっても、インクの種類と壁紙の素材を確認して、正しい消し方を選択すれば、思いのほか簡単に、キレイに消すことができます。
小さなお子さんがいる家庭ではどうしても避けられない壁紙への落書き。今回ご紹介したような手法である程度は消すことはできますが、その時間的ロスと心労を考えるとできれば避けたいところです。
ここは思い切って壁紙の手の届く範囲を模造紙にして、落書きしていい場所を作ってあげるほうが描く側にとっても消す側にとっても一番楽かもしれません。
お子様の年齢によって変えられる環境は変えていくと割り切るのも家事を楽にする一つの手段です。
家事アドバイザー・節約アドバイザーとしてテレビ・講演・コラム連載などで活動。頭を使って賢くスマートに、時間とお金をバランスよく使う暮らし方を提唱。著書に「シンプルライフの節約リスト」(講談社)などがある。
何で書いたのかによって落とし方も変わってきますが、あれこれ使われてしまう場合はオールラウンドで使うことができる専用の落書き消しスプレーなども販売されています。そのような商品を常備しておくのも一つの手です。