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ヘナタトゥーとはどんなタトゥー?
ヘナタトゥーは、「ヘナ」という植物の葉を粉末にして、水やレモン汁など天然素材を混ぜて作った染料を肌にのせて染める、一時的なタトゥーです。
一般的なタトゥーとは違い、針で肌に入れるのではなく、肌の表面(角質層)を染めるだけなので、皮膚が新しく生まれ変わる(ターンオーバー)と自然に消えます。
色は茶色系で、手軽に楽しめることから若者を中心に人気があります。ただし、誤った方法や材料を使うと、肌にトラブルを起こすこともあります。
ヘナタトゥーが消えるまでの期間は?
ヘナタトゥーは一般的には約1〜3週間で薄くなり、自然に消えていきます。肌のターンオーバーが早い若い人は比較的早く消えることが多く、ターンオーバーが遅れやすい年齢が高い人や乾燥肌の人は3週間以上かかることもあります。
また、肌が厚い手のひらや足の裏は色が残りやすく、逆に首や手首などの皮膚が薄い部分では早く消える傾向があります。ヘナで染めた直後は薄く感じますが、1〜2日後に色が最も濃くなり、その後徐々に薄くなります。
ヘナタトゥーが消えない4つの原因
ヘナタトゥーは普通、ターンオーバーで自然に消えるものですが、「なかなか消えない」と感じる場合もあります。その主な原因について詳しく見ていきましょう。
原因① 化学物質(ブラックヘナ)の混入
ヘナタトゥーのトラブルで特に多いのが、「ブラックヘナ」と呼ばれる化学物質が混ざった染料です。ブラックヘナには、ヘナ本来の植物染料ではなく、「パラフェニレンジアミン(PPD)」という強い化学染料が入っています。
このPPDは毛染めに使われる成分ですが、肌への刺激が強く、染まりやすい一方、消えにくい色素沈着を引き起こします。また、皮膚に炎症ややけどのような症状を引き起こし、跡が長期間残る場合があります。
原因② ヘナを塗る時間が長すぎる
「ヘナを濃く染めたい」「長持ちさせたい」と思って長時間肌に塗り続けると、色素が肌の角質層の深くまで入り込みます。そのため、ターンオーバーで剥がれ落ちるまでに通常より長い時間がかかり、なかなか消えないと感じる原因になります。
原因③ アレルギー反応で肌が炎症を起こす
ヘナは植物由来で安全性が高いですが、まれにヘナ自体や混ぜられた天然成分にアレルギー反応を起こす人がいます。肌にかゆみや赤み、水ぶくれなどが起きると、その炎症が治まっても色素沈着となって跡が長く残ることがあります。
原因④ 肌のターンオーバーが遅れている
肌は定期的に新しい細胞が生まれ、古い細胞が剥がれていきますが、このターンオーバーがうまくいかないと染料が肌に残ります。
特に肌が乾燥している人や、肌のケアを普段していない場合、ターンオーバーの速度が遅くなり、結果的にヘナの色素がなかなか消えません。また、加齢によってもターンオーバーは徐々に遅くなります。
ヘナタトゥーを消すときにしてはいけないこと
ヘナタトゥーが消えないと焦ってしまい、間違った方法で対処してしまうことがありますが、これは逆効果になるので注意しましょう。肌トラブルを防ぐため、次のことは絶対に避けてください。
強く擦ったり、爪で無理に剥がす
ヘナは肌の角質層を染めています。強く擦ったり爪で剥がすと肌に傷がつき、色素がより深くまで入り込んでしまいます。こうなると、かえって色が落ちにくくなり、消えるまでの期間が長引きます。
漂白剤や除光液などの強い薬品を使う
ヘナの色を落とそうと、漂白剤や除光液、家庭用洗剤など刺激の強い薬品を使うと、肌が炎症を起こして赤みや痛み、水ぶくれが発生することがあります。色素沈着が悪化し、治りにくい跡が残ることもあるため危険です。
熱湯をかけたり、熱すぎるシャワーを浴びる
早く消したいからといって、熱湯をかけたり、非常に熱いシャワーを使うと肌が乾燥してしまい、炎症や軽いやけどの原因になります。肌が傷つくとターンオーバーが乱れて、逆に色が消えにくくなります。
これらの行動は、肌を傷つけ、結果的に消えるまでの期間がさらに延びるため、安全な方法でゆっくりと色を薄めていきましょう。
ヘナタトゥーを安全に薄くする5つのステップ
ヘナタトゥーが思ったより消えにくい場合でも、自宅で安全に色を薄くする方法があります。次に紹介する5つのステップを順番に試してみてください。
ステップ① 長めの入浴と十分な保湿をする
まずは普段より少し長めに入浴することで、肌を柔らかくし、角質層をふやかします。これによってターンオーバーが促され、ヘナの色素も剥がれやすくなります。お風呂から上がったら、必ず十分な保湿を行いましょう。肌が乾燥するとターンオーバーが遅れて色素が残りやすくなります。保湿クリームや化粧水を丁寧に塗ることで肌の再生を助けます。
ステップ② ベビーオイルやクレンジングオイルでマッサージする
ヘナの色素は油に馴染みやすいため、ベビーオイルやクレンジングオイルを使ったマッサージも効果的です。オイルを肌に塗って数分置き、指の腹で円を描くように優しくマッサージします。色素が浮いてきたらぬるま湯で洗い流しましょう。これを数日繰り返すと徐々に色が薄くなります。
ステップ③ 蒸しタオルで肌を柔らかくする
蒸しタオルを使って肌を温め、柔らかくするのも有効です。タオルをお湯で濡らして絞り、電子レンジで温めるか、熱いお湯で温めてやけどしない程度まで冷ましてから、タトゥー部分に数分間当てます。肌が柔らかくなったら軽くマッサージをして、保湿剤を塗って仕上げましょう。
ステップ④ 低刺激のピーリング剤を使う
古い角質を優しく取り除くピーリングジェルも効果的です。ピーリングジェルを肌に乗せ、強く擦らずに軽く円を描くようにマッサージしましょう。肌への刺激が強いスクラブタイプは避け、植物性やフルーツ酸が含まれる低刺激タイプを選ぶのがポイントです。ピーリング後は必ず保湿をしましょう。
ステップ⑤ 肌に優しい粘着テープで角質を取り除く
敏感肌の人や、刺激に弱い部位には注意が必要ですが、肌に優しいタイプの粘着テープで角質を少しずつ取る方法もあります。テープをタトゥーの部分に貼り、ゆっくり優しく剥がすことを繰り返します。一度に強く剥がさず、日を分けて何度か繰り返すことで、安全に色を薄くできます。
病院に行くべきヘナタトゥーのトラブルとは?
ヘナタトゥーは基本的には安全な染料ですが、まれに深刻なトラブルにつながることもあります。以下の症状がある場合は、自宅でのケアで済ませず、すぐに病院(皮膚科)で診察を受ける必要があります。
強い赤みや腫れ、水ぶくれができている
ヘナタトゥーの後に強い赤みや痛み、腫れ、水ぶくれが出る場合は、ブラックヘナ(化学染料)が原因の可能性があります。放置すると跡が残ったり、化学やけどが悪化したりする危険があります。
強いかゆみや痛みが続く
施術後に強いかゆみやヒリヒリとした痛みが長く続く場合、アレルギー反応が起きている可能性が高いです。そのままにしておくと症状が悪化し、炎症が重くなって治療に時間がかかることがあります。
3週間以上まったく薄くならない
自宅で安全なケアを続けても、3週間以上まったく色が薄くならない場合は、肌のターンオーバーが異常を起こしているか、強い染料が使用された可能性があります。病院で診てもらい、適切な処置を受けることをおすすめします。
これらのトラブルを放置すると、肌に深刻な跡やトラブルが長期にわたって残る可能性があります。少しでも気になる症状があるときは迷わず皮膚科を受診しましょう。
まとめ
ヘナタトゥーは手軽なおしゃれとして楽しめますが、正しく理解して使わないと意外なトラブルにつながります。特にブラックヘナの使用は危険性が高いため、施術前には必ず材料を確認し、信頼できるサロンや施術者を選びましょう。
また、肌に刺激のある強引な方法で消そうとせず、肌への負担を最小限に抑えた安全な方法で対処することが大切です。ヘナタトゥーを楽しむ際には、肌の健康を第一に考えて、安全な方法を心がけてください。