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ルバーブジャムはまずい?
酸味が強く、色鮮やかで美しい野菜「ルバーブ」。日本では、まだまだなじみが薄いようです。
ルバーブはジャムやシロップに加工されてデザートに使われることが多いですが、ルバーブジャムはまずいと思う人もいるようです。
ルバーブジャムがまずいと感じるのは、梅干しのように酸っぱくて、何とも言えないえぐみがあるからでしょう。
ルバーブジャムってどんな味?
ルバーブを薄くスライスして生で食べると強烈な酸味とほのかな渋みを感じます。
ルバーブは野菜でありながら、どこかフルーティーな香りがしますが、酸味が強いので、酸っぱいものが苦手な人には不向きかもしれません。独特の風味があるので、好き嫌いが分かれるかもしれませんね。
さて、ルバーブは肉食中心の欧米では、肉のソースや付け合わせとして欠かせない野菜で、脂身の多い肉をさっぱりさせるため、日常的に食べられているそうです。
その一方で、ルバーブを食べ慣れていない日本では、サラダとして生で食べるよりも砂糖の甘みで酸味を和らげるジャムの方に注目が集まっているようですね。
フキやセロリに似たルバーブってどんな野菜?
ルバーブは特有の香りと強い酸味を持つヨーロッパ生まれの野菜です。茎は30〜40センチと長く、伸ばした茎の先に日本のフキのような大きな葉をつけます。
葉っぱにはシュウ酸という体に良くない有毒成分を含んでいるので食べることはできませんが、フキやセロリに似た茎は生サラダにすると、酸味とシャキシャキとした食感を楽しむことができます。
実はこの酸味は砂糖と相性がよく、ジャムにすると青リンゴやラズベリーのような甘酸っぱくて濃厚でやわらかい食感に仕上がります。
また、生のままサラダやジュースにしたり、バターなどの乳製品と相性が良いので、タルトやパイなどのお菓子作りにも使われています。
間違いなく「野菜」なのですが、あんずのような風味のフルーティーなジャムはスイーツにも使われるようになったのです。
ジャムの色は3パターン
ルバーブジャムには大きく分けて3色のジャムが存在します。なぜ3パターンもあるのかというと、それぞれ「茎の色」の違いなんです。
真っ赤な茎のバーブを使えば、トマトのような真っ赤なジャムができます。緑一色の茎のルバーブを使えばオリーブ色の落ち着いたグリーンのジャムになります。
ルバーブの酸味を存分に活かしたいのなら緑がおすすめです。強い酸味がお好きな方は、こちら緑色一色のルバーブの茎を使うと良いでしょう。
茎の先が緑色で根元付近に向かって赤くグラデーションがあるルバーブを使えば、オレンジブラウンのような赤みがかった茶系のジャムに仕上がります。
赤くなっている部分が多ければ多いほどオレンジ感が強くなり、少なければより落ち着いた茶系色となります。
この3パターンのうち、どの色の茎を使ってジャムを作るかによって、出来上がるジャムの色も変わってくるというわけです。
きれいな色のジャムを作りたい人は、緑色の部分と赤い部分を別々にして、オリーブ色と赤ピンク色の色鮮やかな2つのジャムにするとすてきですよ。
《 ポイント 》
- 酸味が苦手な人はルバーブジャムはまずいと感じる。
- アメリカやヨーロッパでは日常的に食べられている。
- 個性的な味なので、食べ慣れていない日本では好き嫌いがある
- 酸味は砂糖との相性が良くジャムにすると柔らかな触感に仕上がる。
- バターなどの乳製品とも相性が良くお菓子作りにも使われている。
- 茎の色の違いで3パターンの色のジャムが作れる。
ルバーブジャムの栄養
酸味が苦手な方は、ルバーブジャムはまずいと感じると思いますが、実は栄養面で非常に優れた野菜なんです。
ルバーブは中国の薬草「大黄」の近縁種
日本ではあまり知られていませんが、ルバーブには「食用大黄(ショクヨウダイオウ)」という和名がつけられています。
胃腸炎や便秘などに効果が期待できる中国の薬草「大黄(ダイオウ)」と近縁種であることから、「食用できる大黄」ということで「食用大黄」と名付けられたのだとか。
野菜である「食用大黄」には薬草ほどの効能は期待できないものの、食物繊維が多く含まれているので、腸の働きを良くする効果があります。
ルバーブジャムに含まれている栄養素
「食用大黄」と名付けられただけあって、腸内環境を整える食物繊維がたっぷり含まれているため、便通を良くしたり大腸がん予防に効果的です。
腸をきれいにするということは美肌にもつながりますので、豊富な食物繊維は女性にとって注目すべき栄養素のひとつでしょう。
他にも、ビタミン群が豊富なほか、カリウム、葉酸、などをたっぷりと含んでいます。
- 「ビタミンC」は抗酸化作用、アンチエイジングや風邪の予防。
- 「カリウム」は、体内の余分な水分を排出しむくみを予防してくれる。
- 「葉酸」は貧血予防に必要な栄養素。
- 赤色の色素成分「アントシアニン」には抗酸化作用がある。
このように、ルバーブはきれいになれる食材として美容と健康を心がける女性たちから支持されています。
ルバーブを手に入れる方法
そこで気になるのが、この珍しいルバーブという野菜をどうやって手に入れることができるのかですよね。
ヨーロッパの寒い気候で育つルバーブは、それに似た気候の長野県と北海道でも栽培されています。まれに店頭で見かけることがありますが、値段が非常に高いので国内の産地から直接取り寄せた方が良いかもしれませんね。
ルバーブは5月~6月が最もおいしい時期
寒い地域で栽培されている野菜ですから、当然旬は冬なのかと思いきや、実は「初夏」が旬の時期なんです。
長野県産と北海道産ではわずかに時期がずれるものの、どちらも5月の下旬から収穫が始まり、6月いっぱいくらいまで質の良いルバーブを採ることができます。
5月に入り最初の方に採れるルバーブは、茎も太く酸味が強いルバーブらしい良質なものですが、その後からは少しずつ酸味が穏やかになり、旬の最後の方は茎も細めで酸味の弱くなったものが出回ります。
《 ポイント 》
- 胃腸炎や便秘などに効果がある中国の薬草「大黄」の近縁種。
- ビタミン群、カリウム、葉酸、食物繊維が豊富。
- 国内では長野県と北海道で栽培されている。
- 5月の下旬から収穫が始まり6月いっぱいまで。
ルバーブジャムの使い方
生でも食べることができるルバーブは、酸味のあるルバーブを活かしたサラダにぴったりです。
では、ルバーブで作ったジャムはどんな使い方があるのでしょうか。甘酸っぱい味わいなので、基本的には果物のジャムと同じように様々な使い方ができます。
ルバーブジャムのおすすめの食べ方は以下の通りです。
- 相性がよいヨーグルトに混ぜて食べる
- チーズやクラッカーにのせて食べる。
- パンやスコーンにつける他のジャムと同じようにして食べる。
- パイの具にしたりケーキのトッピングに。
- ワインとスパイスを加えて肉料理のソースとして。
《 ポイント 》
- 一般的な果物のジャムと同じように様々な使い方ができる。
ルバーブでジャムの作り方
では、ルバーブジャムの基本的な作り方をお伝えします。食用にするのは、茎のように見える「葉柄(ようへい)」と呼ばれる部分です。葉っぱには有毒成分が含まれているので食べられませんよ。
〈材料(出来上の量 約500ml)〉
- ルバーブ 500g
- グラニュー糖 250g(てんさい糖、三温糖、きび砂糖などでもOK)
- レモンしぼり汁 大さじ3
〈手順〉
- ルバーブの茎を皮付きのまま1.5〜2cm幅の小口切りにして鍋に入れる。
- グラニュー糖を加えて混ぜ、1時間ほど放置する。
- アクを取りながら弱火で10分程度煮込む。
- フタをせずに時々かき混ぜながら、水分が少なくなるまで15~20分煮詰める。
- レモンのしぼり汁を入れてよく混ぜ合わせる。
- 火から下ろして粗熱を取る。
- 煮沸消毒した清潔なビンに入れたら完成。
〈注意する点〉
熱を加えると硬かったルバーブがすぐに柔らかくなります。ドロドロになるので煮つめ過ぎに注意しましょう。
保存用のビンを鍋で煮沸消毒する際には、いきなり熱湯に入れると割れることがあるのでお湯が沸く前の段階でビンを入れるようにしましょう。
〈冷凍保存すると半年程度保存できる〉
自家製ジャムをたくさん作ったら冷凍保存がおすすめです。自宅で調理したジャムは冷凍なら半年程度保存可能ですが、なるだけ早く食べるようにしましょう。
《 ポイント 》
- 砂糖を加えて1時間ほど放置してから煮込む。
- 煮沸消毒した清潔なビンに入れる。
最後に
ジャムやスイーツにすると色鮮やかで美味しい「ルバーブジャム」について紹介しました。
あんずジャムのような味と強い酸味を持ったルバーブジャムをまずいという人もいれば、酸味を活かして美味しく食べることもできるのですね。
爽やかな酸味が食欲をそそり、肉料理からデザートまで幅広く使える魅力的な食材です。日本ではまだまだなじみの薄い野菜ですが、欧米諸国では広く愛され、日常的に食べられているのも納得できるのではないでしょうか。
ルバーブはジャム以外にもいろいろな料理のアクセントとして利用できるので、珍しく店頭で見かけたらぜひ購入して味わってみてはいかがでしょうか。