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重なったコップが外れなくなる原因
寒い季節になると暖かいお湯で食器を洗い、重ねて乾燥させておくことってありますよね。コップや食器が重なって外れなくなってしまったととき、どうやって外していますか?
重ねたカップが外れない原因は「空気の圧力」
それでは、重なったコップが外れないという現象の原因から説明します。
重なったコップを外す方法をお伝えする前に、まずはその原因を知っておくと上手に外すことができますし、今後の再発防止にもなりますよね。
ガラスのコップや湯のみ茶碗が重なったまま外れないのは「空気の圧力」が原因です。
特に洗った後、しっかり乾かさずに食器を重ねると起きる現象で、コップの中の空気が冷えて圧力が下がってしまうのです。密閉された状態で空気が冷やされると空気圧が低下して強く密着し、簡単には外せなくなってしまいます。
特にお湯を使って食器を洗う機会が増える冬の時期が要注意です。ガラスのコップだけでなく、湯のみ茶碗やお皿、お椀などでも同じ現象がおきてしまいます。
そうなった場合は空気を温めて圧を逃がすことで取り外すことができるでしょう。
一番手っ取り早い解決方法はコップに直接振動を与えること
重なったコップの外し方で一番手っ取り早いのは、コップの周りを手で叩いて振動を与える方法です。直接振動を与えるのは、その場ですぐに試すことができる割と効果的な方法です。
まずは割れない程度の力加減で、コップを直接叩いて振動を与えてみましょう。それで外れなかったらテーブルの上にタオルを敷き、その上でコップを逆さまにしてすりこぎや包丁の柄などでコツコツと軽く叩いてみてください。あくまでも「軽めに」ですよ。
コップを壊さないように叩く道具は、硬すぎず柔らかすぎないものを選び、コップにヒビが入らない程度に力を加減して慎重に行ってみましょう。叩く刺激と重力でちょっとずつ食器がずれてきます。
すりこぎや包丁の柄よりも手で叩く方が安全なのですが、だからと言って刺激が弱すぎても上手に外すことができないので難しいですよね。
《 ポイント 》
- コップが重なったまま外れないのは「空気の圧力」が原因。
- 乾燥中にコップの中の空気が冷えて圧力が低下し密着する。
- 一番手っ取り早い方法は、コップを手で軽く叩いて振動を与える。
重なったコップはお湯と氷水で外せる
ガラスコップが重なっていて取れない場合、無理に取ろうとして強く叩いて割ってしまうと大変なことになります。安全に取り外すにはどんな方法があるのでしょうか?
コップとコップの間の空気層の圧力を上げる
重なって取れないコップを外す方法として、コップ全体を温めるということが挙げられます。
まずはお湯を張ったボウルの中に重なったコップを立てた状態で置きます。しばらくしてから取り出してみましょう。
再びコップとコップの間の空気を温めることで空気の圧力が高まり引き付ける力が弱まるので、重なったコップがするりと簡単に抜けるようになるというわけです。
〈手順〉
- 重なったコップが入る大きさの容器にお湯を入れる。
- お湯の中に重なったコップをそのまま入れて1分ほど放置する。
- コップ全体が温まったら外す。
- お湯の温度は熱湯でなくても大丈夫です。
- お風呂より少し熱い程度の45℃くらいのお湯で試してみて、外すことができなかった場合はもう少し温度が高めのお湯につけてみてください。
お湯だけでコップが取れない場合は「氷水」を使う
お湯を張った容器の中で、外れなくなったコップを湯煎しても外れなかった時には、温度差を作って膨張率を上げる法則を利用してみましょう。
簡単に言えば、温かい空気は膨らみ冷たい空気は縮むという性質を使った外し方ですので、下記の手順どおりに試してみてください。
〈手順〉
- お湯を張った容器の中に重なったコップを立てて入れる。
- 内側のコップの中に氷を入れる。
- 外側のコップはお湯で膨張し、氷で冷やされた内側のコップは縮小することで隙間が生まれるので、コップをゆっくり回して外す。
コップの間にカードを差し込んで隙間を作る
これは重なった食器同士のどこかに隙間がある場合にのみ使える方法です。
差し込みやすい薄くてある程度硬さのある磁気カードを、隙間から差し込んで空気の逃げ道を作るようにします。わずかでも隙間が広がるように重なったコップを湯煎して中に空気が入るようにします。
そうすると圧が抜け、コップ同士を逆方向に引っ張るとあっさりと引き離すことができるでしょう。
お茶碗など陶器が重なって取れない時は?
長い間使っていないお茶碗などの陶器を食器棚の奥の方に入れっぱなしにしていませんか?
久しぶりに使おうと取り出したときに、重なったまま外せなくなって困ることがあります。陶器の場合もコップと同じように、陶器自体の膨張率を利用して外してみましょう。
基本的に陶器というのは温めると「膨張」し、冷やすと「収縮」する性質を持っています。この性質を最大限利用してみましょう。
外側の陶器は温め、内側の陶器を冷やすことによって起こる温度差を利用すると、重なって取れなくなってしまった陶器を簡単に取り外せますよ。
《 ポイント 》
- コップ全体を温めるとコップを引き付ける力が弱まる。
- 「お湯」と「氷水」で温度差を作って膨張率を上げる法則を利用する。
- 湯煎して広がった隙間に磁気カードを差し込んで空気の逃げ道を作る。
- お茶碗など陶器の場合も同じように陶器自体の膨張率を利用して外す。
重なったコップを中性洗剤で外すことはできる?
お湯と氷水を使った膨張率を利用する方法を試しても重なったコップが外せない場合、他にどんな方法があるのでしょうか?
お湯と氷水を使うのにプラスして「食器用洗剤」を使ってコップを滑りやすくしてみましょう。
〈手順〉
- 食器用洗剤を重なっている二つの縁の周りにぐるりと垂らす。
- そのまま置いて食器用洗剤を隙間にゆっくりと浸透させる。
- プラスチック製の薄いカード(トランプのようなもの)を重なったコップとコップの間に差し込んで摩擦部分を滑りやすくする。
- 食器用洗剤が隙間に浸み込んだコップ同士をひねるようにゆっくりと動かして外す。
一部の口コミではそれほど期待できないという声もありますが、重なって取れない食器があったら諦めてしまうのではなく、この方法も試してみてくださいね。
《 ポイント 》
- 食器用洗剤を使ってコップを滑りやすくする。
重なったコップを外すときの注意点
お湯や氷水、薄いカードや台所用洗剤などを使って手軽に試してみることができますが、注意点もいくつかあります。
力の入れ加減
重なってしまったコップを今すぐ使いたいからと言って強くたたき過ぎると割れてしまいます。怪我をすることもありますので、力加減には十分注意してください。
お湯の温度
ガラス製のコップ以外にも陶器全般に利用できる湯煎ですが、お湯加減には注意が必要です。
ガラスや陶器の場合は熱伝導率が低い分、急激に温めると表面は温められて膨張しますが、それに対し、内部にはまだ十分に熱が伝わっていません。
その結果、膨張していない状態になるため、ゆがみが生じて割れることがあるのです。
まずはお風呂より少し熱い程度の45℃くらいのお湯で試してみて、それで外れない場合はもう少し高めの温度のお湯につけてみてください。
気温が低いときは内側のコップに氷水をいれるのではなく、水でも良いかもしれませんね。高めのお湯を使うときはくれぐれも火傷に注意して下さい。
《 ポイント 》
- 強くたたき過ぎると割れる危険性がある。
- 急激に温めるとゆがみが生じて割れることがある。
最後に
重なったコップの外し方、お湯と氷水で簡単に外す方法について解説しました。
いかがでしたでしょうか?重ねたコップが外せなくなるのには「空気圧」が関係しています。
外し方としては、
- コツコツたたいて振動を与える。
- お湯の中にコップを入れて湯煎する。
- お湯で外側のコップを温め、氷水で内側のコップを冷やすことによる膨張率を利用する。
- 磁気カードを隙間から差し込んで空気の逃げ道を作る。
- 台所洗剤を垂らして滑りを良くする。
などの方法があるのですね。これだけ方法を知っていれば、緊急時でも慌てる必要がありません。
どの方法も身近にあるもので簡単に試すことができ難しくはないのですが、力加減や急激な温度変化によって割れる可能性もあることを頭に入れておきましょう。
あっけなくスッと外れた時の喜びはたまりませんので、皆さんも試してみて下さいね。