金木犀をくさいと感じる理由とは?芳香剤の匂いを思い出すから?

金木犀

秋が近づくとふんわり漂ってくる金木犀の香りは、誰もが心を惹かれ癒される香りです。ところが、芳香剤の匂いを思い出すからなのでしょうか、この香りが苦手だと感じる世代があるようです。かつてはトイレに金木犀の香りがする芳香剤を置いたり、トイレの近くに金木犀を植える家庭が多かったとか。この記事では金木犀の特徴やくさいと感じる理由について詳しく解説します。

金木犀をくさいと感じる人もいる?

金木犀の香りが苦手

心地よい香りがふんわりと遠くまで漂う届く金木犀。オレンジ色の小さな花を密集して咲かせ、通る人たちの心を穏やかにしてくれます。

そんな金木犀の香りの主な成分は、「γ-デカラクトン」と言って、甘い桃やベリー類や乳製品などにも含まれています。

γ-デカラクトンは、金木犀の香りの成分の中でも特に甘い香りを放ち、桃とミルクを混ぜたような香りと表現されることもあるようです。

女性に人気の甘い香りは世界中で愛されており、コロンやオードトワレなど香水にも使われているにも関わらず、金木犀をくさいと感じる人がいるのはなぜでしょうか?

確かに、芳香剤や柔軟剤にはラベンダーやベリー、レモンのような柑橘系の香りなどバリエーションが豊富にあるにも関わらず、金木犀の香りは目にすることがありませんよね。

実は、下水設備が整っていなかった時代、強い香りを利用してトイレの近くに金木犀を植えていたことがありました。

加えて、ひと昔前には全国的に金木犀をトイレの芳香剤として用いられてきた時代もあります。そういった経緯から、金木犀の香りを嗅ぐとトイレを連想する人がいても不思議ではありませんよね。

《 ポイント 》

  • 甘い香りは世界中で愛され香水にも使われている。
  • 芳香剤や柔軟剤で金木犀の香りは見たことがない。
  • ひと昔前の日本では金木犀をトイレの芳香剤として使っていた。

金木犀をくさいと感じる理由

金木犀の香りが苦手

金木犀の香りが苦手だと感じる世代がある

先ほどお伝えしたように、過去にはトレイの芳香剤として全国的に使われていたため、この香りを嗅ぐとどうしてもトイレをイメージしてしまう人がいます。

1970年代始め頃から1990年代前半までの約20年間、芳香剤は金木犀が主流だったので、「トイレの香り=キンモクセイ」として私たちに定着してしまったのも仕方のないことかもしれませんね。

その結果、人にもよりますが、だいたい60代から上の世代で金木犀の香りが苦手だと思う確率が高く、その一方で若い世代には好きな人が多いようです。

下水道が整備されていなかった頃は、汲み取り式のトイレが当たり前だったわけで、悪臭を放つトイレも多くありました。

「トイレ=臭い」の時代でしたから、トイレの芳香剤にはトイレの臭い匂いに劣らない、より強い金木犀の香りを用いていたんですね。

そのせいで、汲み取り式のトイレを使用していた世代は、金木犀の香りを嫌う率が高いのでしょう。

金木犀の香りそのものが苦手な人もいる

トイレを連想するからではなく、単純にこの香りが嫌いという人もいます。確かに金木犀の香りは強いですよね。

ほのかに香り立つのが好きな人や嗅覚過敏な人にしてみれば、勝手に香りが侵入してくるわけで、時には強すぎる香りで頭痛が引き起こされることもあるので注意が必要でしょう。

寒さに弱い金木犀は北海道では育ちにくい

寒さに弱い常緑樹なので、北海道の屋外に植えた金木犀は越冬が難しく育てることができません。そのため、北海道出身の人は苦手に感じることもあるようです。

金木犀を見かけることも香りも知らない北海道の60代以上の方にとっては、「トイレの芳香剤のイメージしかない」と聞いたことがあります。

金木犀の強い香りは虫を寄せ付けない

花の多くは虫たちを引き寄せるために香りを放ちます。ところが、金木犀の香りの成分である「γ-デカラクトン」は、一部の虫たちを忌避行動させ追い払っているのだとか。

要は、アブラムシ、ダニ類、コナジラミ、モンシロチョウなど一部の虫にこの香りを嗅がせると、嫌って逃げるため、害虫から樹木が守られているのでしょう。

それと同じ作用が、虫だけでなく一部の人間に対してもあるのではないかと言われています。唯一、「ホソヒラタアブ」というアブだけはこの「γ-デカラクトン」を好みます。

そのアブが効率的に受粉を手伝ってくれるおかげで、私たちは毎年金木犀の花の香りを楽しむことができるというわけです。

北海道の屋外での越冬が難しいため北海道出身の人は苦手に思うこともある

また、金木犀は寒さに弱いため、北海道などでは育ちにくいです。金木犀を見かけることも、秋の風物詩の匂いも知らない北海道のある年齢以上の方には「金木犀の香り=トイレの芳香剤」になってしまう、と聞いたこともあります。

《 ポイント 》

  • トレイの芳香剤として使われていたため、トイレをイメージしてしまう。
  • 嗅覚過敏な人など香りそのものが苦手な人もいる。
  • 香りを知らない北海道の人は苦手に感じることもある。
  • 虫たちを忌避行動させる成分が一部の人間にも作用している。

金木犀の香りの効果

リラックス効果

リラックス効果

金木犀の香りによる効果として、もっとも期待できるのがリラックス効果です。自分の好きな香りを嗅ぐと気持ちがラクになり緊張から開放された感覚、と言えばわかるでしょうか。

金木犀には「リナロール」というリラックス成分が含まれており、アロマやお香に使われているだけあって、脳や神経系に何らかの変化を引き起こしリラックスさせる効果があるようです。

鎮静作用のほか、抗不安作用、血圧降下などの効能も期待できると言われています。

安眠効果

金木犀の香りには、イライラを緩和させて気持ちを落ち着かせる効果があります。安眠・快眠効果もありますので、ベッドルームで香りを放つと深い眠りに誘われぐっすり眠れます。寝具に薄めたアロマオイルをひと吹きするだけでも効果が期待できるでしょう。

消化器官を健康にする

金木犀の香りには、消化器官を健康にする効能が期待できます。香りが消化器官を刺激して、唾液の分泌や消化液の分泌を促してくれるからです。金木犀の花がお茶やお酒などに加工されるのは、このような効果を期待してなのかもしれませんね。

香りをかぐだけで食欲を減らせる

金木犀の香りにダイエット効果があると聞いたことはありませんか?金木犀の香りには人間の体内で分泌される「オレキシン」という物質を抑制する効果があります。

この「オレキシン」は食欲を促進するペプチドホルモンの一種で、血糖値が下がると分泌されるため、空腹感や甘いものが欲しくなってしまいます。

そこで、金木犀の香りをかぐことでオレキシンが抑えられ、結果的にダイエット効果が期待できるというわけです。香りをかぐだけで食欲を減らせるかもしれないなんてうれしいですよね。

潜在意識を高めるために使われた

ヨーロッパでは古くから金木犀の香りが潜在意識を高めて願いを叶えると言い伝えられてきました。心を開放してくれる香りとして、スピリチュアルな場面ではが重宝されていたようです。

《 ポイント 》

  • 「リナロール」というリラックス成分。
  • イライラを緩和させて安眠・快眠効果。
  • 唾液の分泌や消化液の分泌を促して消化器官を健康にする。
  • 食欲を促進するオレキシンを抑制する。
  • 潜在意識を高めて心を開放してくれる。

金木犀の時期

金木犀

咲く時期

金木犀の花が咲く時期は秋です。地域によって異なりますが、日本では9月の中頃から開花しはじめ、10月中旬のころから徐々に花を落としていきます。開花日数は5日程度と短く、開花して一週間後には枯れてしまいます。

国内での栽培地

北海道や青森などの寒い地方では、寒さに弱い金木犀は育ちません。街中や公園などでさりげなく咲いていると言う光景は見当たらず、特別な設備で栽培している場所以外で見ることはできません。

日本における栽培地として、北限は東北南部で、太平洋側は岩手県、日本海側は秋田県、そして南は九州までの範囲とされています。

気温が高い傾向がある近年では暖かい日が多く、今まで難しいと言われていた地域でも植えれば根づく可能性が高くなりました。

一方、南では鹿児島くらいまでと言われていますので、沖縄では金木犀の可愛い花や香りを知らない人もいるのではないでしょうか。

金木犀は種でなく苗から育てる

金木犀は雌雄異株ですが、日本には雄株が広まったため種ができません。

そのため、通常は苗を買ってきて育てます。また、とても生育旺盛なので、2~3年に一度、秋の花が終わった直後から翌年の4月上旬までに一回り小さく刈り込みます。

このとき、強く切りつめてしまうと、その翌年の開花は期待できないので、花を楽しみたいのでしたら大きく剪定しないようにします。

金木犀の歴史

金木犀の原産地は中国南部です。日本にわたってきたのは江戸時代で、徐々に日本全国に広がっていきました。中国では、「桂花」と呼ばれることもありますが、正式には「丹桂」と書かれます。

本来であれば、花が終わると冬にクコの実のような小さな実をつけるのですが、中国から雄株しか伝わらなかったため、原産地の中国まで行かないと金木犀の実を見ることはできません。

《 ポイント 》

  • 9月の中頃から10月中旬までが開花時期。
  • 開花日数は5日程度と短め。
  • 北海道や青森などの寒い地方では育たない。
  • 種ではなく苗を買ってきて育てる。
  • 開花後につく実は原産地の中国でしか見ることができない。

最後に

金木犀

秋の季語にもなっている甘い香りを漂わせる金木犀は、ジンチョウゲ、クチナシと並ぶ三大香木のひとつです。その魅力的な香りは香水やお酒にも利用されているのですが、くさいと感じる人もいるのですね。

「トイレの芳香剤の匂いがする」「香りが強すぎる」と嫌う人もいるようですが、リラックス効果や鎮静効果など期待できますので、体と心を癒してみてはいかがでしょうか。

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