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「寝落ち電話」が危険な理由
「寝落ち電話」とは、LINE電話などで、どちらかが寝入るまで通話を続けることです。
寝落ち電話にハマっている方がいますが、実はこの行為、危険なんです。でも、なぜ寝落ち電話が危険なのか、どれだけの人が知っているのでしょうか?
寝落ち電話が危険な理由はたくさんありますが、ひとつひとつ説明していきますね。
低温やけどの危険性
低温やけどとは、約40~50℃の低温に長時間さらされた後、気づかないうちに起こる緩やかなやけどのことです。
充電しながら寝落ち電話をすると、熱の上昇したスマートフォンに触っていた皮膚が低温やけど
を負う可能性があります。
国民生活センターが行った実験では、スマートフォンに充電しながら動画を連続再生して布団をかぶせたところ、放熱できずに1時間で49℃まで温度が上昇したそうです。
発煙・発火事故
スマートフォンのモバイルバッテリーの内部異常に気づかず充電したままにしておくと、バッテリーが高温になり発煙・発火することがあります。
国民生活センターが行った実験によると、内部に異常のあるモバイルバッテリーを過充電した状態でカバンに入れたところ、10分ほどで約450℃に急上昇し、発煙したそうです。
もし、寝落ちしていたら火事になりますね。
イヤホンの危険性
コードが首を絞める
イヤホンをつけたまま寝落ち電話するのは大変危険です。寝ている間にイヤホンが首に絡まり、死亡したケースもあります。
イヤホンの使用上の注意書きにも「首にからまり窒息の原因となることがあります」とありますので、イヤホンをつけたまま眠ってしまわないように気をつけましょう。
感電の危険
充電中のスマートフォンにイヤホンを装着したまま寝てしまい、感電するケースがあります。耳に感電すると脳を直撃し、死に至る可能性があります。
非常に危険ですので、イヤホンを耳につけたまま寝落ちしないように気をつけましょう。
耳を傷める
落ち電話でイヤホンを装着したまま長時間ふさぐと、耳の中が炎症を起こし、中耳炎や外耳炎を起こすことがあります。
また、長時間音を浴びると難聴になる可能性もありますので注意しましょう。
耳カビができる
耳の中にカビが生えると聞いてびっくりするかもしれませんが、耳の穴が長時間密閉されたままになって蒸れることで発生します。
これは外耳道真菌症(がいじどうしんきんしょう)という病気で、痛み、かゆみ、耳だれ、悪臭などがあり、自然には治りません。
この病気は、耳鼻科を受診して耳の中の感染症を完全に除去する必要があります。完治には約2~3週間、長くても1ヵ月かかります。
電磁波の危険性
携帯電話からの電磁波は人体に有害であり、各方面から健康被害があると言われています。深刻な健康被害としては、DNAの損傷、がん、脳腫瘍、白血病、胎児への影響などが挙げられています。
ただし、日本では、携帯電話の電磁波が人体に悪影響を及ぼす可能性は一度は認められましたが、その後否定されています。
しかし、海外では携帯電話の電磁波が危険であることを認識している国が多く、カナダ政府は携帯電話がガンの原因になる可能性を認め、携帯電話の利用に注意勧告を発表しています。
通信制限
Wi-Fiを利用せずに通話中に寝落ちしてしまうと、通信制限を使い切ってしまう可能性があります。また、LINE電話などの無料通話ではなく、通常の電話で居眠りをしてしまい、高額な通信料を請求されるケースもあるため、注意が必要です。
《 ポイント 》
- 低温やけどをする危険。
- 発煙・発火事故がおこる危険。
- イヤホンが原因の危険として「コードで首を絞める」「感電する」「中耳炎や外耳炎になる」「耳カビが生える」などがある。
- 通信制限を使い切る危険。
寝落ち電話の危険を防ぐコツ
通話する時はハンズフリー
通話するときは、ハンズフリーや内蔵スピーカーフォン、付属のヘッドフォンなどのアクセサリーを使用しましょう。
イヤホンのコードで首を絞められる危険や感電の心配がなくなります。ただし、イヤホンをつけたままにしておくと危険ですので注意しましょう。
スマートフォンを布団から離す
電話で話すときはハンズフリーにし、テーブルの上に置き、布団の中や枕元には置かないようにしましょう。熱や発火による低温やけどの可能性をなくし、火災につながる可能性をなくしましょう。
スマートフォンを枕元に置かない
脳は電磁波の影響を受けやすく、長時間電磁波にさらされると、頭痛や脳腫瘍の原因になる危険もあります。電磁波対策として、スマートフォンはできるだけ体から離すようにしましょう。
電話する前にルールを決めておく
寝落ち電話を回避するために、事前に電話する前にルールを決めておくといいですね。
- 相手が寝落ちしたとわかったら電話を切る。
- どちらかが眠くなってきたら「寝落ちしそうだからまた明日ね」と言って電話を切る。
- お互いに話すことがなくなったり、口数が少なくなってきたら、「そろそろ寝よう」と言って電話を切る。
眠い時に無理に起きているのも辛いですが、話が途切れてずっと黙っているのも辛いですよね。
《 ポイント 》
- 通話する時はハンズフリーにする。
- スマートフォンを布団から離す。
- スマートフォンを枕元に置かない。
- 相手が寝落ちしたのが分かった時に切る。
寝落ち電話は危険なだけでなくデメリットもある
バッテリーに負荷がかかる
寝落ち電話はバッテリーに過大な負荷がかかり、発熱や故障の原因となる可能性があります。また、発火した事例もありますので注意しましょう。
相手に不愉快な思いをさせてしまう
大切な会話をしているときに相手に寝落ちされると、不快な気持ちになりますよね。場合によっては、相手との関係に亀裂が入るかもしれません。
相手に幻滅される可能性がある
寝落ち電話でいびきを聞かれてしまうと、相手を幻滅させるかもしれません。また、かわいいと思っていた人の大きないびきを聞いてしまったら、複雑な気持ちになりますよね。
寝落ち電話のメリットとは?
寂しさをまぎわらせる
夜、一人で寂しくて誰かと一緒にいたいとき、誰かと寝落ちするまで電話をすると、寂しさが紛れ、一緒に寝ているような気分になります。
相手との距離が縮まる
寝落ちするまで電話をすることで、相手と時間を共有することができ、相手との距離を縮めることができます。
また、直接会えない日でも相手とずっと一緒にいるような感覚を味わうことができ、好きな人と一緒に暮らしているような感覚を味わうことができます。
寝息が聞ける
一緒に暮らさない限り、相手の寝起きの声を聞く機会はほとんどありません。好きな人の寝息が聞こえると、相手を愛おしく感じるでしょう。
最後に
寝落ち電話でありがちなのが低温やけどです。スマートフォンを充電しながら長時間通話をしていると、スマートフォンの表面温度は50℃を超えることがあります。
50℃の場合、2~3分で低温やけどが発生するため、ありえない話ではないです。
〈低温やけどになる温度と時間〉
- 44℃:3~4時間
- 46℃:30分~1時間
- 50℃:2~3分
寝落ち電話は低温やけどの危険性があることを忘れないでくださいね。
寝落ち電話をするタイミングをあらかじめ決めておくことをおすすめします。どちらかが寝てしまった時に電話を切ると決めておくと、自分が寝てしまった後でも安心です。
夜遅くまで話すときは、あらかじめルールを決めておくことをおすすめします。どちらかが寝たら電話を切ると決めておくと、自分が寝落ちした後も気が楽になります。
寝落ちの確認サインとしていびきが聞こえたり、「寝ちゃったかな?」「切るからね」と声をかけても反応がない場合は、完全に寝入った状態ですので、そっと電話を切ってあげましょう。
相手が寝てしまって電話を切るときは、おやすメールを送るといいでしょう。