目次
背脂とラードの違いとは
結論を先に言いますと、背脂とラード、どちらも豚の脂ということは同じですが、背脂は豚の背中にある脂身のことで、ラードは豚の脂身から精製した油脂のことです。
つまり、背脂は何も加工しない脂身、ラードは加工した脂身ということです。
背脂の特徴
背脂は、豚の背中の真ん中あたりにあるロースという部位の上側にある脂身です。背脂はリノール酸やオレイン酸を多く含んでいるので溶けやすくラーメンスープなどのスープで使われます。
こってりタイプのラーメンのスープに泡のような脂がぷかぷか浮いているのを見たことがあると思いますが、それが背脂です。
ラードの特徴
ラードは豚の脂身を加熱して、油脂(ラード)だけをとったものです。ラードは常温で白く固まり、40度程度で液体状になります。
ラードには「純正ラード」と「調整ラード」の2つのタイプがあります。
「純正ラード」は、100%豚脂のみを使用しているもので、豚脂にあるビタミン類が残ります。「調整ラード」は、豚脂以外に牛脂やパーム油などが入っており、純正ラードより香りやネバリが少なめです。また、純正ラードより安く購入できます。
《 ポイント 》
- 背脂は何も加工しない脂身、ラードは加工した脂身
背脂とラードの使い分けかた
背脂もラードも豚の脂であることは変わりませんが、使い方は少々変わります。
背脂の主な使い方
背脂は溶けやすく、旨味があるのでコクを出すためにラーメンスープの出汁に使ったり、スープに混ぜて使います。また、餃子やシュウマイなどのひき肉料理に背脂を使うと味に深みが出て旨味が引き立ちます。
ラードの主な使い方
ラードは中華料理などでチャーハンや炒め物や揚げ物で使われます。ラードを入れると料理にコクがでますが、ラード自体には強い香りや味にクセが少ないので、幅広い料理で使われています。
ラードでパイやクッキーやマフィンなどのお菓子にも使われますが、ヨーロッパではバターのようにラードをパンにぬってトーストにして食べています。
《 ポイント 》
- 背脂は溶けやすいのでラーメンなどのスープに使われ、ラードはチャーハンや炒め物に使われる
背脂とラードの作り方の違い
背脂とラードは自宅で作ることができます。
背脂の作り方と賞味期限
《用意するもの》
- 豚の背脂:300g~500g(お好みでOK)
※豚の背脂は、お肉屋さんや業務用スーパーなどで買うことができます。 - 青ネギ :少々(ネギ1本の緑色の部分)
- ショウガ:2片
- 鍋
- ザル
- ボール
- お玉またはヘラ
《手順》
- 豚の背脂をざっくりカットしましょう。購入の際、すでにカットしてある場合はそのままでOK。
- 鍋に背脂と青ネギ、ショウガを入れ、ひたひたに浸かるくらいの水を入れましょう。
- 鍋を強火で沸騰させます。
- 沸騰したら弱火にし、2時間ぐつぐつ煮ます。途中、お湯の量が少なくなったら足しましょう。
- 背脂を箸でつかんでとろけたらザルにあげます。
- ざっと水気をきったら、ザルをボールに入れます。
- ザルの背脂をお玉などでつぶしながらこします。
- こした背脂が下のボールに落ちます。
- ザルの背脂を全てこしたら完成です。
ザルの中に残りカスの肉が残りますが、筋や血管などの不純物を取り除き、野菜炒めやスープに入れるとコクが出て美味しく仕上がります。
《保存方法》
手作りの背脂は冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵庫での賞味期限は2ヵ月程度です。常温の場合、2~3日で傷みますので注意しましょう。
ラードの作り方と賞味期限
《用意するもの》
- 豚の背脂:300g~500g(お好みでOK)
※豚の背脂は、お肉屋さんや業務用スーパーなどで買うことができます。 - 鍋
- ザル
- ボール
- お玉
《手順》
- 豚の背脂を4~5cmにカットします。豚の背脂が厚い場合はそいで薄くしてからカットしましょう。
- 鍋にカットした背脂を入れ、ヒタヒタになるくらいの水を入れます。
- 中火で時々かき混ぜながら煮込みます。
- 水気が飛んで背脂が透明になったら弱火にします。
- 時々かき混ぜながらじっくり炒めます。背脂からラードがじんわりにじみ出てきます。
- 炒めている背脂がこんがりきつね色になり、ラードがしっかり出るまで炒めましょう。
- ザルできつね色になった背脂を取り除きます。
- ラードが熱いうちにキッチンペーパーでラードをきります。
- ラードを保存用の瓶に入れ、冷まします。
- ラードが白く固まったら完成です。
《保存方法》
手作りのラードは冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵庫での賞味期限は不純物を綺麗に取り除いた場合、2ヵ月程度です。不純物が多い場合は1週間~2週間程度で使い切りましょう。
背脂とラードおすすめ6選!
背エバラ 豚背脂
こってり好きにはたまらない!エバラの豚背脂の濃厚なコクと旨味はラーメンスープ以外に幅広い料理に使えます。
有明鳳凰 純背脂
ラーメンにはもちろん、野菜炒めやチャーハンや餃子などにピッタリ。コッテリした旨味があとを引きます。
創味食品 フレッシュダイス 中華調味背脂
大粒サイズの背脂がこってり感を倍増させます。ラーメンスープだけでなく、つけ麺にもおすすめです。
丸和油脂 純製ラード
カップ容器入りでとても使いやすい!100%国産だから安心して使えます。独特な風味とコクはチャーハンや炒め物以外にハンバーグにもおすすめです。
ベル食品 純製ラード
使いやすいチューブタイプで、肉ナシ料理を濃厚に仕上げます。お菓子やクッキー、パイなどの練り込み用にもOK!
ミヨシ ハイアント 純製ラード
2kgの大容量ですが、揚げ物や炒め物や練り物など万能調味料として使えますのでお得です。いつもの揚げ油の半分程度で美味しいとんかつが作れます。
最後に
豚の背脂とラードの違いは、脂身の状態がそのままか加工しているかの違いだと覚えておきましょう。
背脂とラードは料理にコクと旨味を倍増してくれる万能調味料ですので、いつものサラダオイルを背脂やラードに変えて調理してみましょう。
野菜だけの炒め物にラードを加えて炒めると肉入りと同じコクと旨味が出ますので試してみてくださいね。