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刺身は常温で置いても大丈夫?
刺身を常温で放置するのはNGです。刺身を長時間常温で保存すると食中毒の原因となる細菌が繁殖し、食中度を起こす可能性があります。恐いですね…
刺身の常温保存は食中毒の危険が!
刺身を常温のまま放置しているとあっという間に鮮度が落ちてきます。
また、刺身を常温で放置していると食中毒の原因となる細菌が繁殖します。食中毒を引き起こす細菌は常温保存の場合、増殖が非常に早く、時間がたつほど倍増します。
食中毒の原因となる細菌や寄生虫の種類はさまざまですが、特に腸炎ビブリオという菌は常温のまま放置していると9分ほどで菌が増殖するといわれており、食中毒を起こす可能性が高いので刺身の常温保存はやめた方が安全です。
刺身を常温保存できる時間の目安は無い
刺身を常温保存できる時間は、保存場所の気温や湿度、刺身の状態などで異なりますので、何時間までならOKという時間の目安はありません。
刺身の状態を見て自分で判断するしかありませんので気がついたときは腐ってた!ということもあるでしょう。
刺身の保存時間に影響するもの
- 〈鮮度〉
- 刺身にしてから時間がたったもの、鮮度が悪いものは細菌の増殖や痛みが早い。
- 〈種類〉
- 魚介類の種類によって腐るスピードが異なる。青魚のサバ、イワシ、サンマ、アジ、カツオは足が早く細菌の増殖や痛みが早い。
- 〈状態〉
- カットしてあるか、内臓はついているか、なども大きく影響する。内臓がついているものは寄生虫や細菌の増殖が早く、カットしてあるものは柵のものと比べ、空気に触れる部分が多いので鮮度が落ちるのが早い。
- 〈温度〉
- 室内温度、移動時の車内の温度が高いと細菌の増殖や痛みが早い。
- 〈湿度〉
- 常温保存場所の湿度が高いと細菌の増殖や痛みが早い。
- 〈密封〉
- パッケージ状態などしっかり密封せず空気に触れているものは細菌の増殖や痛みが早い。
上記の条件から自分で判断するしかないのですが、判断が難しいので常温保存はやめましょう。
食事の残り物の刺身も要注意!
宴会や食事会で出るさばいたばかりの刺身は安心だと思ってしまいますが、常温1時間以上たったものは細菌が繁殖していますので注意しましょう。
《 ポイント 》
- 刺身の常温保存は食中毒の危険がある。
- 刺身を常温保存できる時間の目安は無い。
- 刺身の保存時間に影響するものは、鮮度、種類、状態、温度、湿度、密封など。
刺身の常温放置による食中毒の危険性
刺身を常温で放置していると細菌が繁殖し、食中毒を起こす危険があります。また、菌の種類によって増殖スピードもことなります。
食中毒の症状として、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱など、下血などがありますが、重症化すると呼吸困難や心臓麻痺などで亡くなるケースがあります。
免疫力の弱いお子様やお年寄りは重症化しやすいので常温で放置していた刺身は食べないでください。
食中毒の原因となる細菌
- 〈腸炎ビブリオ〉
- 腸炎ビブリオは、海水や魚介類などに生息している細菌です。細菌の中でも繁殖スピードが早く9分ごとに倍増しています。食後4~96時間で、激しい下痢、腹痛などをおこします。
- 〈大腸菌〉
- 食後3~8日で、激しい腹痛、下痢、下血などをおこします。
- 〈サルモネラ〉
- 食後6~48時間で、おう吐、腹痛、下痢、発熱などをおこします。
- 〈カンピロバクター〉
- 食後1~7日で、下痢、発熱、おう吐、腹痛、筋肉痛などをおこします。
刺身を常温に放置して、数分で細菌は繁殖しますが、刺身に繁殖した細菌は見た目ではわかりません。また、無臭でも細菌によって腐り始めている場合もあります。
さばいたばかりの新鮮な刺身でもできるだけ早く食べましょう。
刺身の消費期限
スーパーなどで刺身を買うとパッケージに消費期限が書かれていますが、一般的に刺身の消費期限は当日中で保存場所は冷蔵庫です。常温保存ではありませんので注意しましょう。
刺身の消費期限は魚によって差があります。鯛やヒラメなどの白身魚は比較的日持ちしますが、サンマやイワシなどの青魚は足が早いので消費期限も短くなっています。消費期限が長いのはマグロやブリです。
消費期限の目安
- 当日:アジ、イワシ、サンマ、サバ、サワラ
- 1~2日程度:鯛、ヒラメ、スズキ、カワハギ、ハマチ、太刀魚、タコ、イカ、ホタテ
- 2~3日程度:マグロ、ブリ
消費期限が過ぎても過熱すればOK
刺身のパッケージに記載されている消費期限は、生のまま食べることができる期限です。
冷蔵保存してあるもので、消費期限が1日~2日程度過ぎたものでしたら加熱すれば食べることができます。ただし、常温で放置していたり保存状態が悪いものは食べずに捨てましょう。
刺身の鮮度を見分けるポイント
常温保存していない刺身の鮮度を見分けるポイントは「見た目」と「血合い」と「身の色」です。刺身の鮮度は形や切り口からも分かります。
新鮮な刺身の目安
- 見た目:形や切り口がしっかりしている、よれていない。
- 血合い:血合いの色が黒ずんでいない、身の色と血合いの色がはっきりしているもの。
- 身の色:赤身魚は身が赤い色、白身魚は身が白い色もので、変色していないもの。
逆に、鮮度が悪い、または腐っている刺身を見分けるポイントは
鮮度が悪い刺身の目安
- 見た目:形や切り口がよれている、形がしっかりしていない。
- 血合い:血合いが濁っている、ドリップが出ている。
- 臭い:生臭さが強い。
また、以下のような刺身は腐っている可能性がありますので食べずに捨てましょう。
傷んでいる刺身の目安。
- 見た目:黒ずんでいる、糸を引いている。
- 臭い:異臭がする、生臭さが強い、腐った臭いがする。
- 味:すっぱい、苦い。
刺身の保存方法
刺身は常温保存せず、冷蔵保存や冷凍保存しましょう。
刺身の冷蔵保存の方法
- ドリップが出ている場合、キッチンペーパーでそっとドリップを吸い取ります。
- キッチンペーパーでくるんで、ラップにつつみます。
- 冷蔵庫のチルド室やパーシャル室で保存しましょう。
美味しく保存するコツ
刺身からドリップが出ていたら、くるんでいるキッチンペーパーを取り換えましょう。
刺身の冷凍保存の方法
- ドリップが出ている場合、キッチンペーパーでそっとドリップを吸い取ります。
- ラップにつつみ、冷凍用保存袋に入れます。
- 保存袋の空気をしっかり抜いて密封します。
- 冷凍庫に入れて保存しましょう。
美味しく保存するコツ
金属トレーに乗せて冷凍すると通常より早く冷凍することができます。
刺身の冷凍保存は味が落ちる
刺身は冷凍保存することもできますが、スーパーなどで販売している魚は、一度冷凍したものを解凍して販売しています。ですので、二度冷凍することになり、味が落ちて美味しくなくなります。
冷凍保存の消費期限
冷凍保存の場合も、魚の種類や鮮度によって消費期限は異なります。新鮮で日持ちの良い魚は1ヵ月程度、鮮度が落ちたものや日持ちの悪いものは1週間程度を目安にしましょう。
解凍する方法
冷蔵庫で自然解凍(6時間程度)がおすすめです。ゆっくり解凍するとドリップが出にくいので味が落ちるのを防ぎます。
他に、氷水で解凍する方法もあります。ボールに氷と水を入れ、冷凍保存用袋に入れたままボールの氷水につけると1時間程で解凍します。
冷凍保存した刺身を解凍した際、刺身から異臭がしたり、変色していた場合は食べずに捨てるか、加熱してから食べましょう。
魚の種類によっては冷凍温度によって色が変わるものもあります。たとえば、マグロは-50度以下の冷凍庫でないと色が合わる可能性があります。家庭用の冷蔵庫は通常-20度程度です。
最後に
刺身の常温保存で一お番恐いのは刺身についている細菌による食中毒です。腸炎ビブリオのように、短時間で急激に倍増する菌もありますので刺身の常温保存はやめましょう。
刺身は新鮮が一番。刺身は食べる直前に冷蔵庫から出して食べましょう。