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胡椒の効能や成分について
胡椒には主に「ピペリン」と「チャビシン」という成分が含まれています。殺菌作用・抗菌作用・血行を促進する作用・毛細血管を活性化させる作用を期待することができます。
とくに注目したいのがピペリンで、胡椒が持つ独特の辛味成分です。代謝を活性化する作用や栄養の吸収を高める作用があることからダイエットへの効能が期待されています。ピペリンは黒胡椒により多く含まれる成分です。
高血圧の予防と改善
胡椒には高血圧を改善する効能が期待されます。塩分の排出を促してくれるカリウム・マグネシウム・カルシウムなどのミネラルを含むためです。
カリウムには腎臓に運ばれた余分な塩分を排出する働きがあり、マグネシウムはその働きをサポートします。カルシウムが不足すると甲状腺ホルモンなどの影響によって血管が収縮し、血圧を上昇させます。高血圧の予防と改善にはカルシウムが不足しないように注意しなければなりません。
胡椒には塩分は含まれていませんが、調味料として塩コショウを使っていると塩分過多になりやすいです。塩と胡椒は別々に使うようにし、減塩することを心がけましょう。
浮腫み(むくみ)の予防と改善
胡椒には女性の多くが悩みを抱える浮腫みを改善する効能が期待されます。ピペリンとチャビシンという成分が持つ血行を促進する作用によるものです。
浮腫みが続くことで脚が太くなってしまうことを水太りと呼ぶことがありますよね。浮腫みを改善して脚をほっそりさせたい時は体の余分な水分を排出しなければなりません。
胡椒のピペリンとチャビシンには体を温める作用によって冷えを解消する効能も期待され、血行を促進する作用や新陳代謝を活性化する作用からも浮腫みの予防が期待できます。
美肌と美髪
胡椒には美肌と美髪を守る効能が期待されます。ピペリンとチャビシンの代謝を活性化する作用や栄養の吸収を高める作用によるものです。
代謝がよくなると古い肌の細胞から新しい肌の細胞へと入れ替わるためのターンオーバーが活性化されます。加齢と共に低下してしまうんですよね。
血行を促進する作用も加わって、栄養の吸収が高まれば頭皮に栄養が行き渡りやすくなり、髪にツヤやコシが戻ります。
パサパサやゴワゴワ、根元がペタンとするなどの髪の悩みはありませんか?トリートメントだけではなく、食物からの栄養素を頭皮や髪に届けることも美髪の秘訣です。
疲労回復
黒胡椒由来のピペリンという成分を適量に摂取することで胃腸の調子を整える効能と栄養素の吸収を高めるが期待されます。
疲れがたまった時や食欲がない時、胃腸の調子が優れない時はサラダや冷やし麺などに黒胡椒を使ったドレッシングをかけて食べるのがおすすめです。胡椒に柚子やレモンを合わせるとさっぱりとして食べやすいです。
胡椒を食べ過ぎた場合の体への影響
胡椒を食べ過ぎると消化器官が荒れてしまい、痛みを伴うことがほとんどです。
胡椒は一度に大量に摂取するものではないにも関わらず、健康や美容に効能が期待されるほど強い作用を持っています。その分、刺激も強く、食べ過ぎると体に悪影響を及ぼしてしまうことがあるのです。
味覚障害を引き起こす
胡椒を食べ過ぎると味蕾(みらい)を刺激し、破壊されることで味覚障害を引き起こすことがあります。味蕾とは舌の表面にある感覚器官です。
胡椒の食べ過ぎが続くと破壊され、味が感じられにくくなってしまうことがあります。薄味では物足りず、どんどん濃い味を好むようになります。胡椒の刺激を感じられず、追加してしまうことでさらに食べ過ぎをエスカレートさせます。
味蕾は加齢と共に減少しますが、味が感じられにくくなることで加齢と共に濃い味の食事を好むようになることがあります。胡椒の食べ過ぎは万病のもとになりかねません。胡椒など調味料の減りが早くなったなと感じたら要注意です。
お腹がキリキリと痛む
胡椒を食べ過ぎるとお腹がキリキリと痛むことがあります。胃に強い刺激が加わったことや炎症を起こしたことが主な原因です。胃をギュッと握りつぶされるような痛みです。体を横にして休んでいてもなかなか治まりません。
下痢を繰り返す
胡椒を食べ過ぎると1日に何度も下痢を繰り返すことがあります。原因は主に下記の3つです。
- 胃腸に強い刺激が加わり消化不良を起こしてしまう
- 胃腸の働きが過敏になりすぎてしまう
- 腸の蠕動運動が過剰になりすぎてしまう
胡椒を食べ過ぎて胃腸を傷つけてしまうと調子が回復するまでの数日、下痢が続いてしまうこともあります。
過敏性腸症候群の悪化
胡椒を食べ過ぎると過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまうことがあります。
便秘で悩む女性の多くが抱えている病気ですが、過敏性腸症候群の原因は明確にわかっていません。自律神経の乱れ・ストレス・不規則な生活習慣・暴飲暴食・過剰な食事制限・腸内細菌の変化などが原因となることがあります。
普段から腹痛・軟便・下痢・便秘・痔の症状がある人は胡椒の食べ過ぎに注意し、なるべく控えるようにしましょう。
遅延型食物アレルギー
黒胡椒を食べ過ぎると遅延型食物アレルギーを引き起こすことがあります。対象の食品を摂取してから数時間~数日後に症状があらわれます。
- 便秘
- 肌荒れ
- イライラする
- 不安感に襲われる
- 頭痛
- めまい
- 口内炎
- 不眠
- 嘔吐
- 動悸
- 停滞感
- 頻尿
黒胡椒による遅延型アレルギーの主な症状です。食べ過ぎではなく、もともと黒胡椒にアレルギーを持つ人もいます。少量でも食べると症状が起きることがあり、摂取を避けなければならないことがあります。
胡椒の摂取量は1日分どのぐらいが目安?
体に影響を及ぼすことのない胡椒の摂取量は1日1g~2gくらいが目安です。胡椒2gを計量してみると、考えていた以上に多い量です。毎日2gの胡椒を食べ続けることはないと思いますが、塩コショウなど高い塩分を含む胡椒は摂取量に注意してください。
胡椒の正しい保存方法
大量に消費することのない胡椒は正しく保存しなければ香りや旨味、効能を逃してしまいます。直射日光・紫外線を避け・高温・多湿になる場所を避けて保存してください。
胡椒の成分は熱にも弱いため、コンロ周りに並べて置くのも避けた方が良いです。冷蔵庫に入れてしまいがちなのですが、出し入れをする度に結露によって水分が付着してしまいます。カビや傷みの原因になりますので、冷暗所での保存がおすすめです。
白胡椒と黒胡椒の違い
成熟した赤色の胡椒を水に浸して外皮を腐食させた後、皮と取り除いて乾燥させたものが白胡椒です。辛味も風味もマイルドで優しいのが特徴です。
ピペリンなどの作用による効能を得やすい黒胡椒は、半熟の緑色の胡椒を収獲して乾燥させたものです。辛味も風味も強く刺激的なのが特徴です。
胡椒の刺激によって胃腸を悪くし、腹痛や下痢を起こしてしまいやすい人は、黒胡椒よりも白胡椒を使うのがおすすめです。
最後に
胡椒を食べ過ぎると、次のような体に痛みを伴う症状が起きやすいです。
- 味覚障害を引き起こす
- お腹がキリキリと痛む
- 下痢を繰り返す
- 過敏性腸症候群の悪化
- 遅延型食物アレルギー
仕事や生活にも支障の出る可能性の高い症状ばかりですよね。胡椒を食べることで得られる嬉しい効能もありますが、安全に摂取することができる目安の1日1g~2gを超えてしまわないよう注意してください。2gがどれくらいの量なのか一度量ってみると食べ過ぎを防ぎやすいです。