目次
ゆで卵は何日で腐る?
卵は生卵のうちは採卵からおよそ2週間は美味しく食べられますが、ゆで卵にすると一気に腐るスピードが早くなってしまいます。
固ゆで卵は夏場は冷蔵庫で1日程度、冬場でも2~3日が賞味期限の限度です。
火を通すことで長持ちしそうなイメージがありますが、残念ながらゆで卵の賞味期限は極端に短くなってしまうので驚いてしまいますよね。
夏場など高温の季節に常温放置すると、たった数時間でも腐る可能性があるので、かならず冷蔵庫で保存しましょう。
ゆで卵が日持ちしない理由
なぜ、生卵に比べてゆで卵は腐るのが早いのでしょうか。
それは生卵の白身に含まれている腐敗を抑えている成分が加熱することでその作用が働かなくなってしまうからです。
卵白にある「リゾチウム」という殺菌作用のある酵素は、卵が雛にかえるまでの間、細菌から守り、卵黄が腐らないように維持している大事な栄養なのです。
ところが、加熱するとリゾチウムの働きが失われてしまうため、ゆで卵が腐るまでの賞味期限がとても短くなってしまうというわけです。
殻にひびが入っている、殻をむいたゆで卵の賞味期限
ゆで卵を作っている時に鍋の中で衝撃を受けて卵の殻に少しでもひびが入ったり、殻をむいてしまったものは気づかないうちに細菌が繁殖してしまうので、その日のうちか長くても翌日には食べきるようにしましょう。
半熟のゆで卵の賞味期限
半生でトロトロの半熟卵は、丼ものや麺類との相性もよく、固茹で卵と同じく単品でも使いやすいですが、すぐに腐るので注意が必要です。
半熟卵は基本的に当日中に食べきるようにしましょう。
作ったらすぐにむいて食べるくらいに思っていた方が良いので、お弁当に入れて持ち歩くのには適していません。お弁当のおかずにするならしっかりと火を通した固ゆでの卵にしてください。
《 ポイント 》
- 夏場は冷蔵庫で1日程度、冬場は2~3日
- 殻にひびが入っていたり殻をむいたゆで卵は腐りやすい
- お弁当には固ゆでが良い
ゆで卵が腐るとどうなるか
ゆで卵は腐ってしまったのかどうか判断が難しい食べ物です。ここでは「見た目」「臭い」「触感」「味」で判断する方法をご紹介します。
見た目で確認する
ゆで卵の殻をむいて卵自体の見た目をチェックしてみましょう。白身のまわりにねばりや糸を引く感じがあったら傷んでいるサインです。
また、黄身の状態がなんとなく湿り気があって、ねっとりしていると感じた場合も腐っていると判断して廃棄するのが妥当でしょう。
臭いで確認する
ゆで卵から硫黄温泉のような強い臭いがしたら要注意です。
殻をむいたときに鼻にツンときてわかりやすいので卵の腐った臭いを経験したことがない方でも「食べられない」と直感するくらい独特の異臭を感じ取れるでしょう。
異臭をかいだら口に入れたいとは思わないので一番判断しやすい見分け方です。
触って確認する
ゆで卵の内側が腐ると殻をむいた瞬間にねばついた感触があったり、触ると糸を引いたりします。
本来のゆで卵にはあり得ないねばりと黄身の湿り気も、ゆで卵が腐っているかどうかの判断基準になるでしょう。
味で確認する
食べた時に「いつもと味が違う」「美味しくない」などの不快感があります。見かけは大丈夫そうでもいつもと違う違和感があったら破棄した方が無難でしょう。
食べる、食べないは個人で判断するしかありませんが、もったいないからという理由で食べるのは危険です。
《 ポイント 》
- 「見た目」「香り」「触感」「味」で判断する
ゆで卵の黄身の色の変色は腐っている?
ゆで卵が腐る時に黄身の色が変色するのかを紹介します。
ゆで卵を半分に割ったとき、黄身が黒や緑色に変色していることに気付いたことはありませんか?
ゆでる時間が15分以上の場合、黄身のまわりが暗緑色に変色してしまいます。この変色は卵白に含まれる硫黄の成分が加熱されることによって硫化水素となり、卵黄の鉄分と反応して化学変化を起こして「硫化第一鉄」という物質が生まれたためにおこります。
黄身の周りが暗緑色になっていたとしても問題なく食べられます。この変色を避けたいのであれば「茹ですぎない」「茹でたらすぐに冷水で冷やす」この2つを心がけてみましょう。
《 ポイント 》
- 暗緑色は食べても問題ない
- 変色を避けるには「茹ですぎない」「茹でたら冷水で冷やす」
ゆで卵を腐らせないためのコツ
ここではゆで卵が腐るのを防ぐ方法をご紹介します。
ゆで卵を冷蔵保存する
ゆで卵は冷蔵庫で保存しましょう。生卵に含まれている殺菌作用のあるリゾチウムがなくなってしまった卵は雑菌に弱く繁殖しやすい状態です。
殻付きでも常温保存をしていると雑菌が侵入して繁殖してしまう可能性がありますので、雑菌が繁殖しにくい冷蔵庫に入れて保存をしておくことが望ましいのです。
夏場は食中毒の原因となるサルモネラ菌が繁殖しやすいのですぐに冷蔵保存するのが原則と頭に入れておいてくださいね。
ゆで卵の殻をむかない
ゆで卵の殻をむかずにそのまま保存することです。
一気に殻をむいて冷蔵保存したほうが時短になりますが、むいている手からゆで卵そのものに雑菌が移ってしまう可能性があります。
たとえ冷蔵保存をしていたとしても付着した細菌が繁殖してしまう事態になりかねません。
さらに傷みが早くなってしまうので殻はつけたままで保存し、料理や食べる直前に殻をむくのがベストな方法でしょう。
煮卵や醤油漬けにする
煮卵や醤油漬けなど味付け卵にしておくと少し長持ちします。味付けして冷蔵庫で保存した賞味期限は4~5日が目安です。
めんつゆ、醤油とみりんで作った漬けダレにゆで卵を漬けるだけで、味付け卵が簡単に出来上がります。
おかずが足りないときやお酒のおつまみにするなどすぐに食卓に出せて重宝します。
ゆで卵フィリングにすると冷凍保存できる
ゆで卵の冷凍保存はおすすめしません。黄身の部分は大丈夫でも、水分の多い白身は解凍すると水分が抜けてスポンジ状になってしまい味を損ねてしまうからです。
しかし「ゆで卵フィリング」にしてから冷凍保存すると食感をそれほど損なわずに便利に使うことができます。
刻んだゆで卵とマヨネーズなどの油分を多く含んだものを和えるだけで冷凍庫で1ヵ月ほど保存できます。
食べるときは冷蔵庫で自然解凍してからサンドイッチやタルタルソースなどに使います。
《 ポイント 》
- 殻をむかない状態で冷蔵保存する
- 味付け卵にすると賞味期限は4~5日
- 冷凍保存する場合は「ゆで卵フィリング」にする
生卵はどの位で腐る?
ここでは生卵がどの位で腐るのかを紹介します。
購入したての生卵のパックに記載されている賞味期限は、採卵日からおよそ2週間が目安となっています。
卵の賞味期限とは生食できる期限のことで、期限内であればサルモネラ菌などを心配することなく生食することが可能です。
また賞味期限を過ぎても加熱調理すればさらに数日間は美味しくいただくことができると言われています。
しかも、生卵は季節を問わず常温での保存も可能なので優れたストック食材としてどこのご家庭でも大活躍です。
《 ポイント 》
- 生卵は採卵日から約2週間が賞味期限の目安
- 生卵は季節を問わず常温での保存が可能な食材
最後に
ゆで卵の賞味期限や長持ちさせるコツについて解説しました。
おかずやお弁当の定番であるゆで卵ですが驚くことにゆで卵が腐る前の賞味期限が想像以上に短いことがわかりました。
ゆで卵はたくさん作り置きせず、直前まで殻を付けた状態で冷蔵保存しておくのが美味しく食べられる秘訣です。
古くから日本の食卓には欠かせないゆで卵を上手に保存して、手軽な食材として料理のレパートリーを広げてください。