目次
汗の種類と体臭の原因
体臭は、汗の種類によって違います。臭いがする体の箇所によって臭いのタイプ、体臭の原因、体臭の対策はさまざまです。
まずは、自分のどこから体臭が出ているかを確認する必要があります。
汗の種類
汗は汗腺というところから出ます。汗線には「エクリン線」と「アポクリン線」の2種類あります。運動をした時や暑い時にかく汗は「エクリン線」から出る汗で、ほとんどが水分ですのでさらさらした汗です。
緊張した時にかく冷や汗は「アポクリン線」から出る汗で、脇の下や陰部などにあります。「アポクリン線」はたんぱく質や脂質が含まれているため「エクリン線」に比べて臭い成分が多いのが特徴です。
汗の臭いの原因
「エクリン線」と「アポクリン線」から出る汗はどちらも無臭です。汗自体は無臭なのですが、汗をかいたままにしていると、人間の皮膚に棲みついている常在菌(雑菌)が汗を分解し、臭いガスを放出しながら増殖します。つまり汗が臭くなる原因は常在菌が汗を食べている時(分解している時)に出すガスということです。
体臭の種類
体臭は「汗や皮脂」から発生する臭いと、「それ以外の原因」で発生する臭いがあります。汗や皮脂から発生する体臭は、ワキガ、ミドル脂臭、足の臭いなどで、皮脂が酸化して発生します。
それ以外の原因で発生する体臭は。加齢臭、口臭、疲労臭、ストレス臭、ダイエット臭、便秘臭、生活習慣による体臭、病気臭があります。
汗や皮脂が原因の体臭の種類と対策
汗や皮脂から発生する体臭の種類別に原因と対策をご紹介いたします。
ワキガ
ワキガは「アポクリン線」から出る汗が原因で、この汗を常在菌が分解し臭いの元になるガスを発生させます。ワキガは脇の下が不衛生で汗を放置していることなどが原因ですが、食生活やストレスでもワキガになります。またワキガは遺伝することが多いです。
ワキガの体臭対策
ワキガの対策は、常に脇の下を清潔にし、汗や皮脂を抑えることが大切ですが、それだけでは臭いは完全にはなくなりません。ワキガを完全に治したい場合は、病院で薬やレーザーなどによる治療があります。治療や手術で完全にワキガを無くしたい方は皮膚科の医師に相談してみましょう。
ミドル脂臭
ミドル脂臭は一般的に30代~40代で発生する体臭で頭皮から発生します。ミドル脂臭の原因は「ジアセチル」という成分で、これは汗の中にある乳酸を頭皮の常在菌(ブドウ球菌)が分解することで発生します。ミドル脂臭は特に頭頂部や後頭部から発生します。
ミドル脂臭の体臭対策
ミドル脂臭が出る頭皮を清潔に保つことが基本です。頭を洗う際はデオドラントシャンプーがおすすめです。シャンプーをつけ、指の腹でマッサージするように頭皮の毛穴を洗います。
特に頭頂部や後頭部は丁寧に洗います。また、洗髪は2度しましょう。ミドル脂臭がついた枕カバーを使用していると臭いが移りますので枕カバーはこまめに取り替えましょう。
足の臭い
足は汗線が多いため大量の汗が出る場所です。その汗に繁殖した細菌が皮脂やホコリを分解することで足の体臭のもとであるイソ吉草酸(いそきっそうさん)を発生させます。他の体臭に比べ足臭は発生しやすいので、人がいる場所で靴を脱ぐ時は臭いに気をつけましょう。
足臭の体臭対策
足の汚れや角質は細菌の好物ですのでキレイに落としておきましょう。水虫ができやすい足の指と指の間や角質の多いかかとなどを汚れが落ちるまで洗います。また、爪の間に細菌が発生しますので爪はこまめに切りましょう。
足臭は靴の中にもつきます。靴の中の体臭に細菌が繁殖しますので足をキレイに洗っても細菌が繁殖している靴をはくことで細菌や足臭が移ってしまいます。
対策としては靴をこまめに洗うことが大切ですが、忙しくて頻繁に洗うことができない方は消臭スプレーや消毒スプレーをかけておきましょう。また、靴は続けて同じ靴を履かずに、1日履いたら2日履かないようにしましょう。
汗や皮脂による体臭対策の基本
汗の量を減らしましょう
ワキガなどアポクリン線から出る汗の量は人によって違いますが、量が多いほど細菌も多くなりますのでできるだけ汗の量を減らすようにしましょう。
お風呂でキレイにする
毎日お風呂に入って肌をキレイに洗います。汗の多い箇所を丁寧に洗いましょう。
汗をこまめに拭きましょう
汗を放置することで細菌が発生して汗を分解して臭くなりますので、汗をかいた時はすぐふき取りましょう。汗を細菌が分解して臭いの元のガスを発生するまでに1時間~2時間ほどかかるようですので、汗が出てすぐふくことで臭いを抑えることができます。
細菌を落としましょう
人間の肌に棲んでいる常在菌はなくなりません。臭いの元になっているだけでなく、身体を外部刺激から守る役割がありますので、人間の役に立っています。
とはいえ、繁殖させるままにしておくとますます体臭が増えて酷い臭いになりますので、シャンプーや石鹸を消毒効果があるものやデオドラント製品を使用しましょう。
汗がついた衣類はすぐ洗いましょう
お風呂で肌をキレイにしても、洋服に臭いがついていたら結局身体に臭いが移ってしまいます。汗をかいた洋服や下着はためずにすぐ洗います。
ただし、体臭が一度入り込んだ繊維は完全には消臭できませんので、酸素系漂白剤に1時間~2時間ほど浸け置き洗いすることをおすすめします。
汗や皮脂以外が原因の体臭の原因と対策
汗や皮脂以外から発生する体臭の種類別に原因と対策をご紹介いたします。
加齢臭
加齢臭の原因は「ノネナール」という成分が原因です。ノネナールは皮脂の脂肪酸が過酸化脂質によって分解されて生成されたものです。
加齢臭の体臭対策
加齢臭の臭いの原因は「ノネナール」ですので、「ノネナール」を身体からキレイに落とす必要がありますが、シャワーを浴びる程度では落ちません。「ノネナール」を落とすには毛穴の奥の汚れをキレイに取り除く必要があります。
ごしごし洗うと皮膚を傷つける可能性がありますので注意しましょう。皮脂を落としすぎると皮脂を増やそうとしますので分泌類が増えて余計体臭が強くなる可能性がありますので注意しましょう。
抗酸化物質を摂取する
身体の中の成分が酸化することで臭いが発生しますので酸化を防止する必要があります。そのために抗酸化物質を摂取しますが、抗酸化物質のポリフェノール、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンE、ビタミンCなどのビタミン類やβカロテなどを食事で十分補うのは難しいです。
食事を中心に摂取して足りない分をサプリメントで補給することができます。ただしサプリは自分の体質に合わないものもありますので薬局などで専門の方に相談してみることをおすすめします。
有酸素運動で抗酸化を高める
ウォーキングや水泳などが有酸素運度です。有酸素運動をすることで身体の抵抗力を高めて抗酸化力を高めることができます。抗酸化力が高まることにより身体の酸化を防ぎ体臭を抑えます。
口臭
口臭は朝起きて歯磨き前の口臭、飲酒やタバコによる口臭、病気による口臭、疲労臭、ストレス臭による口臭などがあります。
口臭の体臭対策
寝起きの口臭は、歯磨きで落とすことができます。また緊張した時に出た口臭も歯磨きだけでなくリラックスすることで体臭対策ができます。飲酒やタバコによる口臭はアルコールが抜けるまで取れにくいので気をつけましょう。病気が原因の口臭は病院でしっかり診断を受けて治療しましょう。
疲労臭
疲労が大きいと身体の臓器の機能が低下するため、肝臓や腎臓の働きが悪くなりアンモニアを尿で排出することができずに、汗に混じって出ることがあります。
疲労臭の体臭対策
疲労を取るために十分な睡眠をとって体の疲れをとりましょう。寝る前に足湯に浸かることをおすすめします。
ストレス臭
ストレス臭はアンモニア臭のような臭いがします。ストレスにより睡眠不足が重なると血流が悪くなり代謝がスムーズにできなくなります。
ストレス臭の体臭対策
基本的に睡眠は重要です。湯船に浸かってリラックスして身体を温めることで睡眠を促進し疲れをとることができます。
ダイエット臭
食事制限などで無理なダイエットをおこなうと口臭がすることがあります。また汗が臭くなり甘酸っぱい臭いがしてきます。
ダイエット臭の体臭対策
食事制限などの無理なダイエットは止めましょう。食事だけのダイエットでは無く、バランスの良い食事に有酸素運度を取り入れることで体臭を防止することができます。
体臭の対策のサプリメントは本当に有効なの?
抗酸化物質のサプリは、食事で摂取できない量を補うことができます。糖質の吸収を抑えるサプリがありますがダイエットには有効ですが、体臭には効果が無いのであまりすすめません。
腸内に悪玉腸内細菌が増え、口臭・体臭、糖代謝の悪化の原因となったり、便秘や下痢になる可能性があります。それによって体臭も出てくることがありますので、サプリに頼りすぎるのはやめましょう。体臭対策にはバランスの良い食事で腸内環境を整えましょう。
まとめ
自分の体臭が気になっても自分の体臭は普段嗅いでいるので良くわからない…という方が多いと思います。自分の体臭が悪臭になっていないか体臭が出る部分を嗅いでみましょう。
それでも良くわからない場合は、一日来た洋服やパジャマなどをビニール袋に入れ、袋の中を嗅いでみましょう。それが普段の自分の体臭です。
疲労臭やストレス臭は、睡眠不足や生活の乱れが原因になっていますので入浴や足湯などで身体を温めてリラックスタイムを作りしっかり睡眠をとりましょう。