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数の子の塩抜きに失敗した原因
数の子は塩抜きを失敗すると苦くなってしまいます。数の子には「にがり」と言われる「塩化マグネシウム」や、苦味の多いアミノ酸が含まれていますので、塩抜きに失敗すると塩化マグネシウムが残って苦味を感じてしまいます。
だからと言って塩を抜き過ぎても、数の子本来の苦味を強く感じることがあります。そのため、数の子をおいしく食べるためには、正しい方法で塩を抜くようにしましょう。
数の子の塩抜きに失敗した3つのパターン
1.真水に浸して塩抜きした
皆さんが最初に思いつくのは、塩辛さを減らすのに真水を使って塩抜きすることではないでしょうか?
真水を使えば塩水よりも早く塩を抜くことが出来ますが、これだと塩が抜け過ぎてしまって数の子本来の苦味が出てしまいます。真水を使って塩抜きをしている方もいるようですが、表面の味が抜けるだけで中身はしょっぱいままになってしまいます。
2.塩水を交換せずに放置した
数の子をおいしく仕上げたいのなら、塩水を使って塩抜きするのがよいでしょう。ただし、数の子を塩水につけたままでずっと放置しておくのもいけません。
食塩水につけていると、数の子の塩が抜け出て塩水の濃度が増していきますが、数の子と塩水の塩の濃度が同じくなると、いくら時間をかけてもそれ以上、数の子から塩分が抜けることはありません。
よって、長い時間塩水に数の子を浸けたまま放置しておくのではなく、塩分濃度を薄めていきながら何度か水を変える方法を取ることによって、上手に塩抜きができます。
3.数の子の 塩を抜きすぎている
数の子が苦くなってしまう理由のほとんどは、塩を抜きすぎているのが原因と思われます。
数の子には塩化マグネシウムやアミノ酸などの苦味が含まれているため、それをカバーするには少し強めの塩味が必要です。ですので、数の子から完全に塩を取り除くのではなく、少ししょっぱいくらいの塩加減にしておく必要があります。
《 ポイント 》
- 数の子を真水に浸すと塩を抜きすぎてしまう。
- 数の子を塩水につけたまま、ずっと放置しておいた。
- 数の子の塩を抜きすぎてしまうと苦味が残ってしまう。
数の子の塩抜きに失敗したときのリカバリー方法
苦味が残っている時のリカバリー方法
数の子の塩抜き時間が足りないことが失敗の原因だった場合、塩辛さの他に苦味があるときは少し濃いめの塩水につけて、再度塩抜きをすると効果的です。
やり方は濃いめの塩水に数の子を浸け込んで、1時間ほど経ったら塩水を全部捨てて、先程より塩水の濃さを薄めた塩水に再度浸け込みます。それにより、数の子が塩水と同じ塩分になる性質を利用して塩分が徐々に抜けていきます。
短時間で対処できるリカバリー方法
数の子の塩抜きに時間をかけたくない場合は、塩水を40℃くらいのぬるま湯に変更すると早く苦味を抜くことができます。ただし、お湯を使うと若干味が落ちてしまいますので、味よりも時短という方であればこちらの方法でやってみてください。
時短で数の子の塩抜きに失敗しない方法
用意するもの
- 数の子:適量
- ぬるま湯:1リットル
- 塩:小さじ2
- ボウルなどの容器
数の子の塩抜きの手順
- ボウルなどの入れ物に40℃のぬるま湯を用意する。
- ぬるま湯1リットルに対して、塩小さじ2を入れてぬるま湯の塩水を作る。
- 2のぬるま湯の塩水の中に数の子を入れて1時間位放置する。
- 数の子の薄皮が剥けてきたら一旦取り除く。
- 再度、真水を入れてその中に数の子を入れて1~2時間位放置する。
- 味見をして数の子の塩味が抜けていれば完成!
塩分を抜きすぎた時のリカバリー方法
塩抜きが不十分だった時とは逆に、塩分を抜きすぎてしまった場合は、最初に塩抜きをした塩水の、3倍の濃さの塩水に1時間くらいつけておきます。
そうすることにより、数の子に塩分が戻ってくるので、しっかりリカバリーできるでしょう。数の子の塩抜きに失敗しても、簡単にリカバリーできるので試してみて下さい。
《 ポイント 》
- 数の子の塩抜きが不十分な時は、少し濃いめの塩水につけて再度塩抜きをする。
- 数の子を時短で苦味を抜くには、40℃くらいのぬるま湯の塩水に浸す。
- 数の子を塩抜きし過ぎたら3倍の濃さの塩水に1時間程浸けておく。
塩抜きに失敗した数の子の活用法
めんつゆで味付けする
用意するもの
- 数の子:300g
- めんつゆ:小さじ1
- 水:150ml
- かつお節パック:1袋
- タッパーなどの密閉できる容器
作り方
- 塩抜きに失敗した数の子を一口大に分け、タッパーなどの容器に入れる。
- めんつゆの量を加減しながら、薄味程度のめんつゆと水を数の子が浸るまで入れる。
- かつお節をふりかけたら、容器の蓋をして冷蔵庫で一晩寝かして完成!
調味料を加えて濃いめの味付けにする
用意するもの
- 数の子:300g
- だし汁:35ml
- うすくち醤油:100ml
- 酒:大さじ6
- みりん:大さじ6
作り方
- 塩抜きに失敗した数の子300gをタッパーなどの容器に入れる。
- うすくち醤油、酒、みりんを加える。
- 容器の蓋をして冷蔵庫で一晩寝かして完成!
煮た大根と一緒に漬けるなど、お好みの食材と合わせてアレンジするのもおすすめです。
《 ポイント 》
- 塩抜きに失敗した数の子をめんつゆに浸けて味付けする。
- 数塩抜きに失敗した数の子を、だし汁、うすくち醤油、酒、みりんを合わせた中に浸けて味付けする。
失敗しない数の子の塩抜き方法
数の子の塩抜きを失敗しないために、時間をかけてゆっくり丁寧に塩抜きしてみましょう。
鮮度を保つためには、室温は15℃前後、水温は20℃以下にするのがベストな環境です。簡単な下処理ですが、味を重視したい方は、丸1日かけてじっくりと時間をかけて行うつもりで取り組んでみましょう!
用意するもの
- 数の子:適量
- 塩:小さじ1杯
- 水:1リットル
- タッパーなどの容器
失敗しない数の子の塩抜き手順
- 水1リットルに対して小さじ1杯の食塩を入れてよく溶かす。
- 1の塩水に適量の数の子を6~8時間程度浸す。
- 数の子の薄皮を取り除き、再度取り替えた1同じ塩水に6~8時間程度浸す。
- 塩加減をみて数の子の塩味が抜けていれば完成です。
《 ポイント 》
- 数の子は時間をかけてゆっくり丁寧に塩抜きする。
数の子の塩抜きに失敗しないコツ
数の子の塩抜きに失敗しないコツを4つ紹介します。
1.呼び塩の性質を利用する
塩を抜くために塩を入れる、「呼び塩」と呼ばれる方法で均一に早く塩を抜くことができます。
数の子の成分には、えぐみのあるアミノ酸が含まれています。真水で数の子の塩抜きをするとたんぱく質が分解され、アミノ酸になってしまい、より一層苦みやえぐみが増してしまいます。
なので、真水に1~2%以上の塩を入れた塩水に数の子を浸ければ、新たな分解が抑えられ数の子の塩抜きをすることができます。
2.塩抜き加減をチェックする
塩抜きしている途中で、何度か味見をしながら数の子の塩抜き加減を判断するようにしてください。
3.塩抜きの前に薄皮を剥かない
数の子の薄皮は塩を抜く前に剥こうとしても、うまく剥けずにボソボソになってしまいます。逆に塩が抜けきってしまうと、数の子の身が破れやすくなるので、ある程度塩分が抜けてきたところで、なぞるように剥くのがコツです。
4.濃いめの味付けをしてリカバリーする
それでも塩抜きがうまくできない場合は、塩水を濃いめにしたり、醤油やダシ、めんつゆなどで味付けを濃いめにして苦みやえぐみをカバーする方法があります。
《 ポイント 》
- 数の子を1~2%以上の塩を入れた呼び塩で均一に塩抜きをする。
- 数の子は途中で、何度か味見をしながら塩抜き加減を判断する。
- 数の子はある程度塩分が抜けてきてから薄皮をなぞるように剥く。
- 数の子を濃いめの味付けにして苦みやえぐみをカバーする。
最後に
お正月のおせち料理にかならず登場するのが数の子ですね。数の子の塩抜きの失敗理由と失敗しない塩抜きの方法をおさえておけば、おせち料理に用意した数の子もおいしく食べることができます。
もし、数の子を塩抜きしすぎて失敗しても、この記事を参考にして数の子に塩を戻すことによって解決します。もしくは、調味料で濃いめの味付けにしてリカバリーしてみてください。ちなみに、味付け数の子を購入した場合は、塩抜きをせずにそのまま食べてくださいね。
この記事で紹介した方法を試して、数の子のぷりぷりした食感を楽しんでみましょう。