目次
ぶりの冷凍保存のコツ
下処理をしておく
冷蔵庫では2~3日しか保存できないぶりですが、冷凍保存することで長期保存が可能な魚です。
一般的には切り身を購入することが多い魚ですが、購入する時は表面に艶があり、色が鮮明なものを選ぶようにします。血合いと呼ばれる色の濃い部分が赤く黒ずんでいるものは、新鮮とは言えないので避けるようにしましょう。
新鮮なぶりを購入したら、どんなに急いでいても冷凍保存する前に必ず下処理を丁寧に行わなくてはなりません。この下処理を怠ってしまうと臭みが残り、せっかくの風味が損なわれてしまうので面倒でも下処理はきちんとおこなうようにしましょう。
下処理方法
- ぶりの臭みを取り除くために、切り身の表と裏両方にまんべんなく塩を振りかけます。
- 塩を振ったぶりに上からお酒を振りかけます。
- 金属製バットに並べてラップをせず冷蔵庫に20分ほど置いておきます。
- ぶりの表面に水分が浮いてくるので、流水でさっと洗います。
- キッチンペーパーでぶりの表面の水分をしっかりと拭き取ります。
- ひとつずつラップで包み、フリーザーバッグに入れて冷凍します。
ぶりの水分から細菌が繁殖しないように、しっかりと水分をふき取ってくださいね。もし、冷蔵庫に「急速冷凍」の機能がある場合は、そちらを使用するとよいでしょう。
ゆっくり時間をかけて冷凍すると、魚の細胞が壊れてしまい旨味が半減するので、できるだけ素早く冷凍することが大切です。
生食には向かない
冬場に旬を迎えるたっぷりと脂を蓄えた寒ぶりの刺身は、たくさん冷凍保存してとっておきたい気持ちになるのですが、残念なことに解凍後は水っぽくなり、風味も歯ごたえも損なわれてしまいます。解凍後のぶりは生食には向かないので、火を通す調理方法で美味しく食べられる工夫をしてみましょう。
下味をつけて冷凍もおすすめ
下処理を丁寧におこなったら、あらかじめ下味をつけて冷凍保存することで調理時間短縮できるので助かります。
冷凍保存方法は、フリーザーバッグに調味料を入れておき、そこにぶりの切り身を漬けておくという手軽な方法があります。このやり方で下味をつけておくと、冷凍してから解凍するまでの間に調味料の味が切り身の中までしっとりと染み込んでいきます。こうしておけば、あとは解凍後に焼くだけなので、少ない時間で調理が完成します。
また、あらかじめ下味をつけて置く場合、冷凍時に味がしっかりと染み込むことを見越して、薄めの味付けにしましょう。その結果、減塩でヘルシーな魚料理につながっていくのです。
《 ポイント 》
- 下処理を怠ると臭みが残り風味が損なわれる
- 冷蔵庫の急速冷凍の機能を活用する
- 下味をつけてから冷凍保存することで調理時間を短縮
- 解凍後のぶりは水っぽくなり生食には向かない
- 下味は薄めの味付けにする
ぶりの冷凍保存方法
そのまま冷凍保存
スーパーに並んでいるぶりは、トレーに入った状態で売られていることがほとんどですよね。だからといって、購入した時と同じ状態でぶりを冷凍保存することは絶対に避けなくてはいけません。
なぜならば、冷凍する際はできるだけ急速に冷凍することが大切であるにもかかわらず、トレーが温度の伝達を阻害してしまうからです。トレーが邪魔をして、ぶりの温度を下げるのに時間がかかってしまうと、細菌が繁殖してしまうことも考えられます。
よって、トレーから取り出し、先に述べた下処理をしてからひとつずつラップで包みフリーザーバッグに入れてから冷凍します。
塩焼きで冷凍保存
- 下処理をしたぶりに少量の塩を振りかけて、シンプルに塩焼きにします。
- 粗熱が取れたら、1切れずつラップで包み、フリーザーバッグに入れて冷凍保存します。
解凍後はそのままいただくのも良いですが、大根おろしを添えたり、すだちをかけていただくとより美味しくなります。
保存期間と解凍方法
保存期限
ぶりを冷凍保存した場合は、2週間を目安に食べ切るようにしましょう。2週間を過ぎると冷凍やけを起こし、身がかたくなりぼそぼそした歯ごたえになる可能性があります。例え保存期間内であったとしても、見た目やニオイを確認してから食べるようにしてくださいね。
解凍方法
凍らせたぶりを解凍する際は、基本的に冷蔵庫で自然解凍するようにしてください。急いで解凍したい時には、ボウルなどに氷水を張り、そこにフリーザーバッグごと浸しておく氷水解凍をするとよいでしょう。
切り身であれば40分から1時間程度で解凍できるので、自然解凍よりも早くできますが、より急ぐ場合には、最終手段として電子レンジで解凍する方法もあります。
ただし、電子レンジは解凍ムラや加熱しすぎになりやすいため、あくまで時間がない時の最終手段として活用するようにしましょう。
《 ポイント 》
- ひとつずつラップで包みフリーザーバッグに入れてから冷凍
- 塩を振りかけて塩焼きにしてから冷凍
- 保存期限は2週間が目安
- 基本は冷蔵庫で自然解凍
- 時間がない場合は氷水解凍や電子レンジで解凍
ぶりを使ったおすすめレシピ!
醤油みりん漬け
材料
- ぶりの切り身:2切れ
- 酒:大さじ3
- みりん:大さじ2
- 醤油:大さじ1と1/2
- 生姜のうす切り:4枚
お好みに合わせて砂糖や醤油の分量を調節しながら仕上げましょう。
冷凍方法
- ぶりの両面に塩とお酒を振りかけます。
- ①のブリを金属バットに並べ、ラップをかけずに冷蔵庫に20分ほど置きます。
- 切り身の両面の水分をペーパータオルでしっかり拭きましょう。
- フリーザーバッグに調味料を合わせたものを入れます。
- ④のフリーザーバックの中にぶりの切り身を入れてよく絡めます。
- できるだけ空気を抜きながら袋の口を閉じ、金属製のバットにのせて急速冷凍しましょう。
冷凍庫での保存期間は1ヵ月程度です。
解凍方法
冷蔵庫に移動させて自然解凍します。切り身にたれがついたままだと焦げやすいので、ペーパータオルでたれを拭いてからフライパンに入れて焼きます。
完全に解凍させなくても、たれが拭き取れる程度で大丈夫です。
《 ポイント 》
- フリーザーバッグに調味料と切り身を入れてよく絡めて冷凍する
- 冷凍庫での保存期間は1ヵ月程度
- 焦げないようにペーパータオルでたれを拭いてから焼く
味噌漬け
材料
- ぶりの切り身:2切れ
- 味噌:大さじ2
- みりん:大さじ1と1/2
- 砂糖:大さじ1と1/2
- 生姜のうす切り:4枚
- 長ねぎ:1/2本
冷凍方法
- ぶりの切り身の両面に塩とお酒を振りかけます。
- ①のブリを金属製のバットに並べ、ラップをせず冷蔵庫に20分程度放置します。
- ぶりの切り身の表面の水分をペーパータオルでしっかり拭きましょう。
- 調味料を合わせたものをフリーザーバッグに入れます。
- ④のフリーザーバッグの中にぶりの切り身を入れてよく絡めます。
- できるだけ空気を入れないようにしながら、袋の口を閉じ、金属製のバットにのせて急速冷凍しましょう。
冷凍庫での保存期間は1ヵ月程度です。
解凍方法
凍ったままの状態でフライパンに入れ、水1/2カップと酒1/2カップ、残った調味料と生姜、ぶつ切りにした長ねぎを加え、落としぶたをして強火にかけます。フリーザーバッグから出しにくいときは、電子レンジの解凍モードで軽く解凍するとよいでしょう。
落としぶたをして強火で手早く解凍加熱するようにしますが、落としぶたがない場合はアルミホイルを円形にしたものに穴を開けて代用してください。
《 ポイント 》
- 凍ったままの状態でフライパンに入れて調理
- 落としぶたをして強火で手早く解凍加熱
ぶり大根
材料
- 大根:2切れ
- ぶりの切り身:2切れ
- 酒大:大さじ3
- 醤油:大さじ3
- みりん:大さじ3
- 砂糖:大さじ1
- しょうが:1かけ
- だし汁:2カップ
冷凍方法
- ブリの切り身は食べやすく切ってから熱湯にくぐらせて臭みを取ります。
- 大根は皮をむいて切っておきましょう。
- 調味料、ブリ、大根をフリーザーバッグに入れます。
- できるだけ空気を入れないようにしながら袋の口を閉じ、金属製のバットにのせて急速冷凍しましょう。
解凍方法
冷蔵庫に移動させて自然解凍しますが、時間がない時は電子レンジで軽く解凍してもよいでしょう。既に味がしみている状態なので、出し汁2カップを加えて数分間煮込んだら完成です。
味が染みるまでじっくりと煮込まなければいけないぶり大根も、下味をつけておいたことで調理時間の短縮につながります。
冷凍庫での保存期間は1ヵ月程度です。
《 ポイント 》
- 食べやすく切ってから熱湯にくぐらせて臭みを取る
- 出し汁2カップを加えて数分間煮込むだけで完成
ぶりに関するQ&A
A.天然のブリが美味しくなる旬は12月~2月の冬の時期です。漁獲量が最も多いのは島根県で、有名な漁場として日卸碕沖や益田沖が挙げられます。
たっぷりと脂を蓄え南下してくる「寒ぶり」は主に石川県などの日本海側で沢山水揚げされ、とても美味しく人気が高いです。
A.ブリやハマチは青魚と呼ばれ、非常に栄養価の高い優れた魚です。ブリはほかの食材同様、旬の時期になると栄養素がぐっと高まり、良質なタンパク質と脂質がたっぷりと含まれているのが特徴です。
他にも身体に必要な、DHA、EPA、ビタミンD、B1、B2、さらに抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれているので、美味しく食べながら健康な体を維持するのに役立つ魚です。
A.血液をサラサラにするDHAとEPAが多く含まれており、 これらの多価不飽和脂肪酸は脳を活性化させてくれます。この脂肪酸は天然物よりも養殖物の方が沢山含んでいます。
他にも、貧血予防に欠かせない鉄分、そして乳酸を分解しエネルギーに代謝するのを助けるビタミンB1、脂質の代謝を助け過酸化物質を抑えるB2、骨の形成を促す働きがあるビタミンD、アルコールの分解を助けるナイアシンを豊富に含んでいます。
最後に
ぶりの冷凍保存方法はいかがでしたでしょうか?
美味しくいただく為には、冷凍保存する前にぶりの下処理を丁寧に行わなくてはなりません。この下処理を忘れてしまうと臭みが残り、せっかくの風味が損なわれてしまいます。面倒でも下処理はしっかりと行なってくださいね。
また、どのような料理に使うのかが決まっているのでしたら、あらかじめ下味をつけてから冷凍保存しておくと解凍後にお料理をする手間が省けるのでとても便利です。
家族が喜ぶお好みの味付け冷凍ぶりを、今回の方法で試してみてくださいね。