目次
ざくろの旬と産地
旬の時期は秋口
ざくろの旬の時期は9~11月ですが、国内のざくろは園芸用として庭などに植えられていることが多いです。そのためスーパーなどで売っているざくろのような甘みはなく、かたく酸っぱく、鑑賞用として楽しむのが一般的です。
スーパーで見かけるざくろは主に海外からの輸入品となっています。ちょうど日本で旬を迎える夏の終わりから秋にかけて収穫・輸入されることが多いため、同じ時期に流通します。
国産のざくろは一般的なスーパーなどでは販売されず、地域の直売所などで購入することができます。
主な産地は海外
日本では東北以南の各地で栽培されていますが、主な産地はカリフォルニア産やイラン産です。
国内のざくろとは大きさや甘みが違い、ジューシーなフルーツとして世界各地で栽培されています。日本では観賞用のほかに、古くからざくろの木の樹皮や果皮が薬用として使われてきました。
旬のざくろの美味しい食べ方
実の粒粒の取り出し方
ざくろの上手な皮のむきかたは、次の通りです。
- 先端の部分をナイフや包丁で切り落とします。
- 白い房の筋にそって、皮の部分に十字に切込みを軽くいれていきます。
- 水を張ったボウルにざくろを入れて、皮を剥がすように割ります。
- 中の赤い実が飛び散らないよう、薄皮から実を外していきます。
- 最後に、皮や白い薄皮は取り出す捨て、粒粒だけをザルにあげ水気を切ります。
美味しい食べ方
ざくろは小さな実をそのまま食べると、甘酸っぱさが口の中に広がり小さな実の中には1粒ずつ種が入っています。鮮やかでツヤのある実の赤い色は、サラダやカルパッチョなどのトッピングに彩りを与えてくれます。
見た目の美しさだけでなく、甘酸っぱさや歯ごたえもアクセントとなり料理以外にもヨーグルトやシャーベットなどと一緒に食べたりするのもおすすめです。
果汁を使う
ざくろの実は中に小さな種が入っているため、そのままでは食べにくいと感じる場合もあるでしょう。そんな時は、ミキサーやジューサーにかけてスムージーやフレッシュジュースで楽しむのが良いです。
甘酸っぱさが特徴のため、そのままでは酸っぱいかもしれませんので、蜂蜜など糖分を一緒にまぜて作りましょう。そのほか、お砂糖やお酢など混ぜてざくろシロップやざくろ酢に活用するにもおすすめです。
ざくろシロップの作り方
- ざくろ3個分の実を取り出します。
- ボウルに取り出したざくろとグラニュー糖300gを入れて軽く混ぜます。
- 瓶に詰め、底にたまった砂糖を混ぜながらグラニュー糖がとけるまで待ちます。
- グラニュー糖が全部とけたら冷蔵庫で保存します。
- 水やお湯、炭酸水で割って飲みます。
ざくろ果実酢の作り方
- ざくろ1個分の赤い実を取り出します。
- 瓶にざくろの赤い実と200mlの白ワインビネガー、80gの氷砂糖を入れます。
- コルクやゴム製の蓋をします。(金属製の蓋は瓶の口にラップをかぶせます。)
- 10日ほど経つとキレイな赤色・ピンク色になってきます。
- 2週間ほどしたらザルにあけ赤い実とざくろ酢に分けます。
- 浸けていた赤い実はソースやジャムに使えます。
- ざくろ酢1に対して、水や炭酸水、牛乳やジュースと3で割って飲みます。
旬のざくろの選び方
美味しいざくろを選びポイントは3つ
- 色づきが良いもの
- 表面に傷がないもの
- 重みがあるもの
です。
輸入のざくろは全体が濃い赤色でりんごのような色をしているのが特徴です。中でもアメリカ産の「ワンダフル」というざくろはしっかりと赤く色づいて甘みも強いです。
直売所などで売られている国産のざくろは、輸入のざくろと違い完熟していても、赤い色が薄かったりベージュ色に近いものなどもあります。見た目はアメリカ産の「ワンダフル」のように美しくなくても完熟していれば食べることができます。
また、ざくろは完熟すると自然に実が割れるため、直売所では割れた状態のざくろが売られていることもあります。その日のうちに食べるのであれば割れているざくろのほうが食べごろで美味しいでしょう。
輸入品のざくろでは割れているものはほぼありませんが、皮にハリがあるものは熟している可能性が高いため、ふくらみ具合をチェックしてみましょう。表面に傷がないものが望ましいですが、ざくろの皮は厚みがあるため、少しくらいの傷は気にしないでも大丈夫です。
手で持った時にずっしりと重みを感じると、水分や果肉が豊富に含まれている可能性が大きいので実際に手で持って重みも確かめてください。
ざくろの保存方法
ざくろは皮をむかずそのままであれば、ある程度長く保存ができます。
乾燥しないようビニール袋などに入れて冷蔵庫で保存すれば2カ月くらい日持ちすると言われています。また皮をむいて中の赤い実だけを冷凍保存することもできます。
水気をよくふき取ってフリーザーバッグにできるだけ平らにして空気を抜いて冷凍庫に保存しましょう。こうすると、使いたいだけの量をすぐ取り出せるので便利です。
ざくろに関するQ&A
A.ざくろの種はかためで食べにくいのですが、食べることもでき栄養価も高いと言われています。食べにくいので、スムージーなどにすると効率よく摂取できますが、一般的に種はあまり消化が良くないため食べすぎには気を付けたほうが良いかもしれません。
A.ざくろは外側の赤い部分と中の白い部分の果皮が厚く、可食部分はわずか2割程度です。
A.国産のざくろは甘味がありませんが、海外産の「ワンダフル」というざくろの糖度は16度程度あります。
ざくろに含まれる成分と効能
含まれる栄養素
ざくろは健康と美容によい栄養素が多く含まれています。主な栄養素は次の通りです。
- ビタミン類:ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ナイアシン、葉酸
- ミネラル類:カリウム、亜鉛
- その他:アントシアニン、エラグ酸、タンニン、オレイン酸、リノール酸、クエン酸
期待できる健康・美容効果
「カリウム」が豊富に含まれていることで、体内の余分な塩分が排出され高血圧の予防や改善が期待できます。
また、赤い実の色素であるポリフェノールの「アントシアニン」は、抗酸化作用を持っているため、生活習慣病の予防や、目の働きを向上させる効果も期待できると言われています。
さらに、植物が含むポリフェノールの一種で、アントシアニンと同じような抗酸化作用をもつ「エラグ酸」はメラニンの生成を抑える働きがあり、美白効果が期待できるでしょう。「タンニン」にも抗酸化作用があると言われているため女性に嬉しい栄養素がふんだんに詰まっています。
そして、ざくろに含まれているミネラルやクエン酸などの有機酸は、カルシウムの吸収を助けて骨を丈夫にする働きがあると言われています。ビタミン類も豊富なため疲労回復にも役立つでしょう。
最後に
ざくろには女性ホルモンのエストロゲンが含まれている、という情報が以前に流れたことがあります。
そのため、更年期障害の改善などにも役立つと期待された時期もありましたが、国民生活センターが検査した結果、エストロゲンが含まれているということは無かったそうです。
ですが、ざくろには健康や美容に役立つ栄養素は多く含まれているので、積極的に摂りたい果物の1つですね!