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トイレにティッシュを流すのは本当にダメ?

トイレットペーパーが手元になく、急いでいる時にティッシュを使ってしまう場面は珍しくありません。
1枚くらいなら大丈夫だろうという考えも浮かびやすいですが、ティッシュはトイレに流すことを前提に作られていないため、気づかないうちに詰まりのきっかけになる場合があります。
まずは、なぜティッシュを流してはいけないのか、その理由を整理していきます。
トイレにティッシュを流してはいけない5つの理由

ティッシュを流してはいけない理由には、紙の性質や排水の仕組みが関係しています。ここでは、生活の中で実際に起こりやすい場面を思い浮かべながら、理由を5つに分けて紹介します。
1. ティッシュは水でほぐれにくい
トイレットペーパーと違い、ティッシュは濡れても破れにくいように作られています。繊維が長く、湿潤紙力増強剤という成分で繊維同士が強く結びついているため、水に入れても短時間ではほとんど崩れません。
見た目が似ているため誤解されがちですが、ティッシュは水の中でほぐれることを前提に作られた紙ではありません。
2. 配管にたまりやすい
一般的な家庭の排水管は細く、S字のようにカーブしている部分もあります。節水型トイレでは水量が少ないため、押し流す力が弱いケースもあります。
こうした環境では、ほぐれにくいティッシュが途中で引っかかりやすく、そこで止まった紙が周囲の汚れを巻き込み、流れを悪くする原因になります。
3. 「少しだけ」が積もって詰まる
トイレの流れが悪くなる場面は、突然訪れることがあります。「一度だけだから」とティッシュを流してしまうと、その紙が排水管のどこかでとどまり、ほぐれないまま残り続けることがあります。
最初は何も起きなくても、別の日に流したティッシュが重なり、少しずつ塊が大きくなると、ある日急に水が引かなくなるといったトラブルにつながります。
日常の中で気づかないうちに蓄積する点が、ティッシュの厄介なところです。
4. 逆流や悪臭の原因になる
朝の忙しい時間帯、いつもより便器の水位が高くなっていると不安になるものです。ティッシュが配管のどこかでとどまっていると、水がスムーズに流れず、便器の中で逆流のような動きを見せることがあります。
ボコボコと音がしたり、下水の臭いが上がってきたりするのも、流れが妨げられているサインです。放置すると床に水があふれる危険もあり、生活への影響は小さくありません。
5. マンション全体のトラブルにつながることがある
集合住宅に住んでいる場合は、より注意が必要です。複数の部屋の排水が共通の配管につながっていることがあるため、ティッシュが原因で流れが悪くなると、自分の部屋だけでなく、下の階や周囲の部屋の排水にも影響が及ぶことがあります。
水漏れや設備の故障が起きれば、修理に高額な費用がかかることもあり、思わぬ迷惑をかける事態につながりかねません。
トイレにティッシュを流してしまった時の対処法

「流してしまった」と気づいた時は、まず状況を落ち着いて確認することが大切です。焦って対処すると、かえって悪化させてしまう場合があります。
ここでは、避けるべき行動と、安全に試せる範囲の対処について説明します。
1. やってはいけないこと
以下の行動は、状況を悪化させる結果になりやすく避ける必要があります。
- 洗浄レバーを何度も押す
- 熱湯をかける
- ブラシや棒を奥まで突っ込む
- パイプクリーナーで溶かそうとする
これらは便器の破損や逆流を引き起こす可能性があり、状況を判断する前に行ってしまうと危険です。
2. 自分でできる対処の目安
水位が異常に高くなっていない、逆流していないといった軽度の状態であれば、ぬるま湯を使った方法を試すことができます。
40〜60℃程度のぬるま湯を少しずつ便器に注ぐと、ティッシュがやわらかくなり、流れやすくなる場合があります。また、ラバーカップが家にある場合は、排水口にしっかり密着させて押し引きすることで詰まりが解消されることもあります。
ただし、何度試しても改善が見られない時は無理に続けず、専門業者に相談する方が安全です。
まとめ

ティッシュはトイレットペーパーと違い、水の中でほぐれにくい紙です。
細くカーブの多い排水管の途中にとどまりやすく、少しずつ蓄積すると、ある日突然のつまりや逆流、悪臭、水漏れといったトラブルにつながります。とくにマンションなどでは、自分の家だけでなく周囲の部屋に迷惑がかかる可能性もあります。
こうしたリスクを避ける一番シンプルな方法は、「トイレに流す紙はトイレットペーパーだけ」と決めてしまうことです。予備のペーパーやフタ付きのゴミ箱を用意しておけば、迷わずに済み、日常の小さな油断から大きなトラブルへ広がる心配も減らせます。








