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昔は一般的だった「タンス貯金」とは
昔は銀行口座だけでなく、自宅に置かれている金庫などにも多額の現金を貯金している家庭が多くありました。このように、銀行や金融機関にお金を預けず、自宅のタンスや引き出し、金庫などに現金を保管する貯金方法を『タンス貯金(預金)』といいます。
かつては「銀行にお金を預けるなんて信用ならない」「手元にあった方がいつでも使えて安心」という理由から自宅で保管するケースが多く見受けられましたが、昨今は防犯の観点から、タンス貯金を控える世帯が増えています。
タンス貯金のメリットはあるの?
現代の考え方では「タンス貯金は危険なのでは?」と思う人も多いでしょう。タンス貯金には、以下のようなメリットがあると言われています。
- いつでも好きな時にお金が使える
- ATM手数料などがかからない
- 銀行の破綻などから資産を守れる
- ネット詐欺や口座悪用被害に遭わない
- 個人の資産を国や金融機関に把握されない
- 家族にも秘匿で貯金できる
タンス貯金の1番のメリットは、いつでも好きな時にお金が使えるという点が大きなメリットでしょう。また、家族にも秘匿で貯金できるので、家計を節約しながら「へそくり」としてこっそり貯めている人もいるようです。
タンス貯金で考えられる5つのデメリット
では、タンス貯金にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。さまざまな視点からデメリットを解説していきます。
1.空き巣などの窃盗リスク
まずは空き巣や強盗などの防犯面でのリスクです。近年、凶悪な強盗事件や知能犯による空き巣犯罪が横行しています。これにより、タンス貯金していると、家に入られた時にごっそり現金を持っていかれてしまうリスクが懸念されます。
また、家に現金を多めに持っているという情報がどこからか流れると、タンス貯金していることが原因で、窃盗や強盗のターゲットになるリスクも高まるので非常に危険です。
2.災害による紛失リスク
日本は災害大国と言われています。地震や水害、火災など、さまざまな災害に見舞われる危険は、常に頭に入れておかなければなりません。
災害に遭った場合、家にタンス貯金していると、その際に紛失してしまうリスクが高まります。また「タンス貯金している現金を持ち出さないと、」と考え、家に戻ってしまい、災害に巻き込まれて命を落としたり重傷を負ってしまう人もいるので危険です。
3.利息がつかずに貯金が増えない
今の日本では、銀行に現金を預けても大した利息はつきません。しかし、タンス貯金では利息がまったくつかないので、それならば銀行に預けて1円でも利息がついた方が良いと考える人もいます。
4.インフレ進行により実質的価値が目減りする
ものやサービスの価格が上昇し続け、実質的にタンス貯金している現金の価値が目減りするリスクも懸念しましょう。
タンス貯金では、手元にある現金が全てです。資産運用しているわけでもないため、ものやサービスの販売価格がインフレによって上昇しても、手元に残っている現金の金額は変わらないため、実質的な額が目減りしています。
時代のお金の価値に合わせた運用や貯金方法を取り入れ、ものやサービスの価格が上昇しても対応していけるようにマネーリテラシーを学びましょう。
5.相続時にトラブルや紛失の恐れ
タンス貯金していると、もしも自分が亡くなった後、子どもや配偶者へ相続する際にトラブルになる恐れがあります。
また、タンス貯金に関しては、事前に家族に知らせていないとどこに保管されているのか分かりませんし、うっかり家具や封筒と一緒に破棄されてしまう恐れもあるので勿体無いです。
タンス貯金は数十万程度に抑えてその他は銀行・資産運用へ
いかがでしたか。タンス貯金は、現代の日本ではメリットよりもデメリットの方が大きいと考えられています。しかし、手元に全く現金がないのも不安なので、タンス貯金として手元に残す金額は数十万程度にし、その他は銀行で貯金したり資産運用に回して、上手にお金と向き合いましょう。