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火葬場でマナーを守ることの大切さ
火葬場は亡くなった方との最後のお別れの場所です。多くの人が深い悲しみのなか訪れるため、故人や遺族の気持ちを尊重し、迷惑をかけないようにすることが大切です。
火葬場に行く機会は頻繁にあるわけではないため、知らず知らずのうちにマナー違反をしてしまう可能性があります。
本記事では、火葬場で絶対に避けるべきタブーとその理由を詳しく紹介します。
火葬場で避けるべき10のタブー
火葬場には守るべきルールやマナーがあります。特に以下の行為は、周囲に不快感や迷惑を与える可能性があるため絶対に避けましょう。
なぜ禁止されているのかを理解しておくことで、いざというときの行動に迷いがなくなります。
1. 無断で火葬場に同行する
火葬場への同行は基本的に喪主や遺族が判断します。そのため、故人とどれほど親しかったとしても、無断で火葬場についていくのは避けましょう。
《無断同行が避けられる理由》
- 火葬場への移動は車両の数や乗車人数が事前に決められている
- 火葬場の控室が人数制限されている場合が多い
- 遺族の精神的負担が大きくなる
火葬に同行したい場合は、必ず事前に喪主に相談して許可を得るようにしましょう。
2. 火葬場内で写真や動画を撮る
火葬場内で写真や動画を撮影することは原則禁止です。特に炉前や収骨室での撮影は許されていません。
《撮影が禁止される理由》
- 他の参列者や遺族のプライバシーを侵害する可能性がある
- 悲しみの中にいる人々の感情を傷つける恐れがある
- 不謹慎な行為と見なされ、トラブルにつながる
葬儀会場や祭壇の前で写真を撮る場合も、事前に喪主や施設の許可を得ることが大切です。
3. 大声を出したり騒いだりする
火葬場では静かに過ごすことが基本的なマナーです。待ち時間が長くなるとつい気が緩んでしまうこともありますが、慎み深い態度を心がけましょう。
《騒いではいけない理由》
- 火葬場は他の遺族も同時に利用する公共施設である
- 悲しみの中で静かに故人を偲びたい参列者が多い
- 大きな声や騒音は、周囲にとって非常に不快なものとなる
小さな子どもを連れていく場合は、絵本や静かな遊び道具を用意し、静かに過ごせるように工夫しましょう。
4. 棺に入れてはいけないものを入れる
火葬の際に故人に持たせる副葬品にも決まりがあります。何でも自由に入れられるわけではありません。
《入れてはいけない理由》
- スプレー缶やライター、電池などの危険物は爆発の恐れがある
- メガネ、時計、アクセサリーなど金属やガラス製品は燃え残り、炉を傷つける
- 厚い本や大量の紙類、ビニール製品は燃えにくく、遺骨を汚してしまう
副葬品は葬儀社の指示に従い、安全に入れられるものを確認しましょう。
5. 派手な服装やアクセサリーを身につける
火葬場はお別れの場であり、故人を偲ぶための神聖な場所です。服装やアクセサリーにも注意が必要です。
《派手な服装が避けられる理由》
- 明るい色や光沢のある衣服は故人への敬意を欠いていると受け取られる
- 他の参列者に違和感や不快感を与えてしまう可能性がある
- アクセサリー類も光沢が強いものや派手なものは避けるべきである
服装は黒を基調に控えめなものを選び、アクセサリーは最小限にしましょう。
6. 遺族や参列者に長く話しかける
火葬場では、遺族や親族は深い悲しみや疲労を抱えています。慰めや励ましの気持ちは大切ですが、長く話しかけたり質問を繰り返したりすることは避けましょう。
《長話を避けるべき理由》
- 遺族は悲しみで疲弊しているため、長時間の会話は負担となる
- 静かな雰囲気が求められる場であり、私語や長い会話は周囲にも迷惑をかける
- 手短に弔意を伝えることが、遺族への思いやりになる
挨拶や弔意を伝える際には、短く丁寧にまとめるように心がけましょう。
7. 指定された以外の車両や席に勝手に乗る
火葬場へ向かう際には、葬儀社や喪主によって乗車順が決められています。自分の判断で好きな車や席に乗るのは避けるべきです。
《車両や席のルールを守るべき理由》
- 宗教儀式や葬儀進行には、遺族や親族の順番など配慮が必要である
- 勝手な行動は進行を乱し、葬儀社や遺族に迷惑をかける
- 他の参列者とのトラブルを引き起こす可能性がある
葬儀社やスタッフから案内された内容に従い、迷ったら必ず確認を取りましょう。
8. 公営火葬場での心づけ(お金)を渡す
公営の火葬場で働くスタッフに対して、感謝の気持ちとして心づけを渡す行為は一般的に禁止されています。
《心づけが禁止される理由》
- 公務員や公的機関職員は金銭の授受を禁止されている
- 規則違反となり、スタッフの立場を悪くしてしまう可能性がある
- 善意で渡しても結果的に迷惑をかけてしまう
感謝の気持ちは、丁寧な挨拶やお礼の言葉を述べることで十分伝わります。
9. 飲食物を勝手に持ち帰る
火葬場で提供される精進落としなどの食事は、その場で食べることを前提に用意されています。残った料理や飲み物を勝手に持ち帰ることは避けましょう。
《持ち帰りが禁止される理由》
- 衛生管理の観点から持ち帰りが許可されていない場合が多い
- 持ち帰ることで、後片付けや運営側に余計な手間をかける
- 周囲の参列者や遺族に不快感を与える可能性がある
持ち帰りたい場合は、必ず事前に会場スタッフや葬儀社に確認を取りましょう。
10. 「忌み言葉」を使う
火葬場では「重ね重ね」「再び」「また」「次々に」など、不幸が続くことを連想させる「忌み言葉」は使わないようにしましょう。
《忌み言葉を避けるべき理由》
- 悲しみの場にふさわしくない表現で、遺族や周囲の人を不快にさせる
- 知らずに使ってしまうと、配慮が足りない人だと思われる
- 葬儀や火葬の場では縁起の悪い言葉とされている
弔意や励ましを伝える際には、「心よりお悔やみ申し上げます」などシンプルで無難な表現を心がけましょう。
まとめ
火葬場で避けるべきタブーやマナーには、その多くに明確な理由があります。人々の心情に寄り添い、悲しみを共有する気持ちが行動に現れます。
特に葬儀や火葬の場は、人間関係を深めたり、逆に壊したりする可能性がある非常にデリケートな空間です。決して難しいルールではなく、他者への配慮や常識を守ることで十分に対応できます。いざという時にマナーを正しく守れるよう、日頃から心がけておきましょう。