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シンクや洗面台にできる赤い汚れの正体
キッチンのシンクや洗面台、お風呂場でよく見る赤い汚れは「赤カビ」と呼ばれますが、実際にはカビではありません。この汚れの正体は、ロドトルラという酵母菌や、セラチア、メチロバクテリウムなどの細菌が作る『ぬめり(バイオフィルム)』です。
これらの微生物は以下の条件で発生しやすくなります。
- 湿度が高く水分が多い
- 皮脂や石けんカス、食べ物のカスがある
- 温度が20~30℃と高め
シンクや浴室などの水回りはこれらの条件を満たしやすいため、わずか2〜3日でも目に見えるほどの赤い汚れができてしまいます。
赤い汚れを放置すると何が起こるの?
赤い汚れを放置すると、見た目が悪くなるだけでは済みません。黒カビの原因にもなります。
赤いぬめりがある場所は、黒カビが好む湿気や皮脂などが豊富にあります。放置することで黒カビが繁殖しやすくなり、健康への悪影響も心配されます。
特に、高齢者や小さな子供がいる家庭では、赤いぬめりや黒カビが原因で、次のような健康問題を引き起こす可能性があります。
- アレルギーの悪化
- 皮膚炎や湿疹
- 外耳炎
- 喘息など呼吸器系のトラブル
健康を守るためにも赤い汚れはこまめに掃除しましょう。
シンクや洗面台の赤い汚れを落とす方法
赤いぬめりは比較的簡単に落とせますが、しっかり掃除しないとすぐに再発します。以下で掃除方法を詳しく紹介します。
軽い赤い汚れの場合
発生して間もない軽度の赤い汚れなら、中性洗剤とスポンジだけで落とすことが可能です。
- 中性洗剤を吹きかけてスポンジでこする
- 水で洗い流す
- 乾いた布でしっかり水分を拭き取る
頑固な赤い汚れの場合
しばらく放置した汚れや色素が沈着した汚れは、中性洗剤だけでは落ちにくくなります。そんな場合は重曹や塩素系漂白剤を使います。
- まず中性洗剤で表面の汚れを落とす
- 重曹を振りかけて15分放置(壁や天井は重曹ペーストを使用)
- スポンジで優しくこすり、水で洗い流す
- 水分を完全に拭き取る
それでも落ちない頑固な赤い汚れには、塩素系漂白剤を使います。
- 塩素系漂白剤を吹きかけて10〜15分放置
- 必ず換気を行い、ゴム手袋やマスクを着用
- 水で十分に洗い流し、水気を拭き取る
塩素系漂白剤を使う際は、絶対に酸性の洗剤と混ぜないよう注意しましょう。
水回りの赤い汚れを防ぐ方法
赤い汚れを繰り返さないためには、日常的な予防が重要です。毎日のちょっとした行動が、赤いぬめりを防ぎます。
水分を拭き取って乾燥させる
水回りを使用した後に水滴をそのままにしておくと、赤い汚れの発生につながります。シンクや蛇口、洗面台などの水滴をこまめに拭き取り、乾いた状態を保つことが一番の予防法です。
お風呂では、スクイージー(ゴムのヘラ)を使って水を切り、最後に乾いたタオルで仕上げると効果的です。
換気で湿度を下げる
赤い汚れは湿度が高いと繁殖します。浴室やキッチン、洗面所は使用後に換気扇を長めに回し、湿度を下げましょう。換気扇がない場合でも、窓を開けるなどしてこもった湿気を逃がすだけで、赤い汚れの発生を抑えられます。
ボトルや小物は浮かせて収納
シャンプーボトルや石けん置き、洗面器などの底に水が溜まると赤い汚れの原因になります。収納は吊るすか、専用のラックなどを使い、水が溜まらないように工夫しましょう。水回りが乾燥しやすくなることで、掃除の手間も減らせます。
週に一度の定期掃除
赤い汚れは2〜3日で発生するため、最低でも週に1回は水回りの定期掃除をしましょう。重曹や中性洗剤を使って、ぬめりの発生を防ぎます。定期的な掃除を習慣にすることで、大きな汚れになる前に対処できます。
まとめ
赤い汚れを防ぐには、水気を残さず徹底的に乾燥させることが大切です。また、浴室の天井にも目を向けましょう。
実は天井に発生した赤い汚れが胞子や菌を落とし、床や壁に広がることがあります。天井を定期的にアルコールを含ませた布で拭くと、全体の掃除頻度を減らせます。掃除をラクにするコツは、菌が繁殖する「死角」を作らないことなのです。