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靴擦れしたときによく出る症状
靴擦れは、主に靴と足がこすれることで起きる症状です。足の形や歩き方などによって、特に足首、かかと、指の付け根などにできやすいです。また、すでにタコや魚の目がある場合、その部分にできることも多くあります。
よくある症状には以下のようなものがあります。
- 水ぶくれができ、破れると強い痛みが出る
- 皮がむけて出血する
- 赤く腫れて炎症が起きる
痛みが強くなると、歩くことが困難になることもあり、放置すると感染症の原因になることもあります。特に、糖尿病や足の血流が悪い人は傷の治りが遅いため注意が必要です。
靴擦れは一見軽い問題のようですが、ひどくなると日常生活に支障をきたします。早めに予防や対処をすることがとても大切です。
靴擦れしやすい人の6つの特徴
靴擦れは、誰にでも起こる可能性があります。しかし、靴擦れが頻繁に起きやすい人には共通した特徴があります。これらの特徴を理解することで、自分に合った対策を見つけやすくなります。
① 靴のサイズが足に合っていない
靴擦れが頻繁に起きる最も大きな原因は、靴のサイズが合っていないことです。サイズが大きすぎると靴の中で足が動いて摩擦が生じます。一方、小さすぎる靴は足を圧迫し、特にかかとやつま先など、足の骨が突き出ている部分に負担が集中します。
靴のサイズ選びで重要なポイントは、長さだけでなく、幅や甲の高さ、かかとのフィット感も考えることです。足に合った靴を選ぶと、歩行時の摩擦が減り、靴擦れを大幅に防ぐことができます。
② 足の形が特徴的(甲高、幅広、扁平足など)
足の形には個人差があります。特に甲高や幅広、扁平足、ハイアーチなど、一般的な靴の形と合わない特徴を持っている人は靴擦れが起こりやすくなります。これは、靴が足にうまくフィットせず、特定の箇所だけが強く擦れるためです。
例えば、甲が高い人は靴の上部と常に接触するため、甲に靴擦れができやすくなります。扁平足の人は土踏まずの支えが足りないため足の内側が擦れやすくなります。このように、自分の足の形をよく理解し、それに合った靴を選ぶことが重要です。
③ 左右で足の大きさが異なる
左右で足の大きさが違う人も靴擦れしやすくなります。一般的に大きい方の足に合わせて靴を選ぶため、小さい方の足は靴の中で動きやすくなり、摩擦が起きやすくなります。
このような場合、靴の中敷きやパッドを使って調整することで、摩擦を減らすことができます。左右のサイズ差がある人は、靴を購入するときに必ず試し履きをし、細かく調整すると良いでしょう。
④ 新しい靴や硬い素材の靴を履くことが多い
新しい靴や、革や硬い素材の靴は、最初は柔軟性がなく足になじみにくいため靴擦れが起こりやすいです。革靴などは特に素材が硬く、履き口やかかと部分が足に強く当たりやすいため、注意が必要です。
新しい靴は、短時間ずつ履き、徐々に慣らしていくことで足に馴染ませるのが効果的です。また、素材を柔らかくする靴用スプレーやクリームを使用するのもひとつの方法です。
⑤ 歩き方に癖がある(内股・外股など)
歩き方に癖がある場合、足の特定の部分に負担が集中します。特に内股や外股、つま先重心、足を引きずるような歩き方をしていると、摩擦が生じる部位が固定化されるため靴擦れが起こりやすくなります。
例えば、つま先に力が入りすぎる歩き方では、足指や甲に負担がかかります。内股の場合、足の側面やくるぶしの周囲に摩擦が集中します。このような歩き方の癖は、自分ではなかなか気づきにくいものです。家族や友人に確認してもらったり、靴底の減り方を見たりすると、自分の癖を見つけやすくなります。
歩き方を意識的に改善し、足全体で地面を踏み込むことが大切です。負担が均等に分散されれば靴擦れのリスクは大幅に減少します。
⑥ 足の皮膚が乾燥している、または湿りすぎている
靴擦れには皮膚の状態も大きく関係しています。足の皮膚が乾燥して硬くなっていると柔軟性がなく、靴との摩擦で簡単に傷ついてしまいます。一方、汗をかきやすく足が湿っている状態も皮膚が柔らかくふやけてしまい、軽い摩擦でも靴擦れが発生します。
靴下の素材や足の手入れで適度な状態を保つことが重要です。乾燥が気になる人は就寝前にフットクリームで保湿し、汗をかきやすい人は吸湿性や速乾性のある靴下を履くことがおすすめです。
靴擦れが起きる原因は「摩擦」と「圧迫」
靴擦れが起きる主な原因は、靴と足が繰り返しこすれる「摩擦」と、足が強く押さえつけられる「圧迫」です。さらに足の湿気もこれらの原因を悪化させます。
特に次のような状況で靴擦れは起きやすくなります。
- サイズや形が足に合わない靴を履いているとき
- 新しい靴で、素材がまだ硬く、足に馴染んでいないとき
- 長時間歩いたり、激しい運動をしたりするとき
足の皮膚が摩擦や圧迫を繰り返し受けると、水ぶくれや皮むけが起こります。状況によっては出血や炎症を伴い、放置すると悪化することもあります。
靴擦れを防ぐために日常でできること
靴擦れを防ぐには、自分の足の特徴を理解し、日常的な工夫や準備をしておくことが大切です。足のケアや靴の選び方を工夫するだけで、靴擦れのリスクを減らせます。
自分の足に合った靴を選ぶ
靴選びは靴擦れ予防の基本です。必ず靴屋で試し履きをし、つま先に約1cmの余裕があり、かかとがしっかりフィットする靴を選びます。自分の足の特徴を店員に伝えると、より合った靴を見つけやすくなります。
インソールやパッドを使う
靴のサイズ調整や衝撃吸収のためにインソールやパッドを使うのも効果的です。特に左右の足のサイズが異なる場合、小さい足側にインソールを入れて調整しましょう。これで靴の中での摩擦を防げます。
靴下の素材に気をつける
靴下は足と靴の間の摩擦を軽減します。吸湿性や速乾性のある靴下を選ぶと、湿気による摩擦の増加も防げます。特に運動時や長時間歩く場合には機能性の高い靴下を履くことをおすすめします。
靴擦れしやすい場所を事前に保護する
新品の靴や硬い素材の靴を履く場合は、靴擦れが起きやすい場所に事前に保護テープや専用パッドを貼りましょう。足を守るための保護グッズは、靴擦れ予防の強い味方です。
足の保湿や汗対策をする
足の皮膚が乾燥している場合は、フットクリームで適度に保湿します。皮膚が柔軟になると摩擦にも強くなります。一方、汗をかきやすい人は足専用の制汗剤やパウダーを使い、靴の中の湿度を下げましょう。
靴ひもの結び方を変えてみる
靴ひもを工夫して結ぶと、靴の中で足が動くのを防げます。特にかかとの靴擦れが起きやすい人には、かかとがしっかり固定されるような結び方(レーサーズループなど)が役立ちます。ひも靴を履く場合は、この方法を試してみてください。
靴擦れが起きてしまったときの正しい対処法
靴擦れはどんなに注意していても完全に防ぐことは難しく、起きてしまうこともあります。そんなときは早めに適切な処置をして、痛みを軽減し、症状の悪化を防ぎましょう。
傷口をまず清潔にする
靴擦れができた部分はまずきれいな水で優しく洗いましょう。汚れや細菌を取り除いて感染症のリスクを減らします。傷を洗った後は清潔なタオルで優しく水分を取り除きます。
絆創膏を貼って傷を守る
傷口は乾燥させるよりも、湿った状態で保つ方が治りが早くなります。そのため、傷口を保護する専用の絆創膏(モイストヒーリングタイプ)を使いましょう。絆創膏は毎日交換し、傷口を常に清潔に保ちます。
水ぶくれができた場合は無理につぶさず、自然に破れるのを待ちます。ただし、痛みが強くて歩きにくい場合は、清潔な針を使って小さな穴を開け、液をゆっくり排出する方法もあります。その際は消毒を忘れず、皮膚を残しておきましょう。
ワセリンで摩擦を減らす
靴擦れができていても歩かなければいけない場合は、患部の周りにワセリンを塗って摩擦を軽減しましょう。ワセリンは傷口そのものではなく、傷口の周囲に薄く塗ります。こうすると靴との摩擦が和らぎ、痛みを感じにくくなります。
靴擦れしたら、なるべく休息をとる
靴擦れが起きたときに一番効果的なのは、靴を脱いで患部を空気に触れさせることです。傷口を休ませることで早く治癒します。休憩できる場合は、なるべく靴を脱いで休みましょう。
症状がひどい場合は皮膚科に行く
靴擦れが化膿したり、赤みや腫れが強くなったりした場合は、自己判断での治療をやめて皮膚科で診てもらいましょう。特に糖尿病や血流障害など、傷が治りにくい体質の人は、早めの受診を心がけてください。
まとめ
靴擦れは靴と足との摩擦や圧迫によって起こる症状です。足の状態や歩き方の癖、靴の選び方などが複雑に絡み合って発生します。靴擦れを防ぐには、自分の足の特徴を知り、適切な靴やケア方法を日常的に行うことが欠かせません。
また、靴擦れを放置すると感染症など深刻なトラブルにもなりかねないため、早めの対処が必要です。実は靴擦れの対処法は、災害などの非常時にも役立ちます。日頃から正しいケア方法を覚えておくと、どんな場面でも役立つでしょう。