目次
ガスコンロがつかない原因と対処方法
毎日使うガスコンロですが、突然つかなくなってしまったらあわててしまいますよね。特に朝起きて最初にスイッチを入れた時にガスコンロに点火できず、もしかして使えないのでは?と思った途端、焦ってしまいます。
原因を調べる11の確認事項
なぜガスコンロがつかないのか?原因を調べるための11の確認事項とそれぞれの対処法をご紹介したいと思います。ひとつずつチェックしてみましょう。
1.元栓が閉まっていないか
スイッチを押したとき、パチパチと火花が散っているにもかかわらず、ガスコンロに点火できないという時は、ガスの元栓が締まっている可能性があります。
長期間、家を留守にするときや、ガスコンロの掃除のときなど、元栓を閉めることがあります。安全の面からみても必要なことですが、このガスの元栓を閉めてしまったことをすっかり忘れてしまい、ガスコンロがつかないと大騒ぎしてしまうことがあります。
同時にガス栓のキャップも確認しておきましょう。ガス栓のキャップがずれたり外れていたりすると、安全装置が働いてガスの供給をストップします。ガスの元栓とキャップを確認することで、ガスコンロが通常に戻ることもよくあります。
ガスコンロの故障でつかないと思いこみ、ガス器具の修理屋さんが来て、ガス栓をひねっただけで出張費用を払ったというケースもあります。故障かなと判断する前に、元栓の確認も必ず行うようにしましょう。
2.ガスコンロの電池が切れていないか
電池を使用しているガスコンロは、電池の残量がわずかになってしまうとコンロが正常に作動しなくなります。ガスがつかないとき、または点火ボタンを押したときにカチカチ音がして火花が出たとしても、離した途端、火が消えてしまう場合は、電池の残量が残り少ない可能性があります。
ガスコンロの着火が、電池によってされているという仕組みを知らない人は結構いるようです。買ったばかりのガスコンロには、電池が最初から装備されている為、電池を使っていることを知らずに使い続けて、故障したと思い込んでしまうようです。
また、ガスコンロによっては、「お知らせサイン」や「電池交換ランプ」など便利な機能がついています。それらのランプが点滅・点灯している場合には、まずは電池を取り替えてみましょう
3.バーナーキャップはきちんとセットされているか
バーナーキャップは、ガスコンロの中央に取り付けられている部品のことで、コンロ本体から取り外すことができます。バーナーキャップがずれていたり、指定の向き通りに取り付いていなかったりすると火がつきません。掃除する時に外した場合は、きちんと装着できているか確認してから点火するようにしましょう。
4.ガスコンロのソフトコードが折れていないか
ソフトコードはガスコンロとガスの元栓を繋いでいるホースのことです。掃除などでコンロを動かしてホースが折れていると、ガスが上手く供給出来ない状態になって火がつかなくなります。
ガスソフトコードが折れていないか確認する他に、ガスのホースをたどって、コードがよじれていたり折れ曲がったりしていたら、まっすぐな状態に直しましょう。掃除などで定期的に外す場合は、しっかり装着しなおしてください。
5.カチカチ音がしない
ガスのスイッチを入れると、カチカチという音がします。しかし、この音が全く聞こえず、ガスコンロに着火できない場合に、第一に考えられることは電池か電池ボックスからの配線切れです。
電池の残量がなくなったのが原因の場合には、いきなりカチカチいわなくなって、火がつかないということは考えられません。点火するまでの時間が長くなったなどの原因があるはずです。
そして、最も考えられるのが配線の断絶です。
なにかの衝撃で切れてしまったり、腐食、あるいはネズミの仕業によって配線が切断されていることもあります。
新しい電池を入れ替えても、カチカチいわない、あるいは片方だけしかカチカチいわず、火がつかない時は、途中で配線が切れていたり、外れている可能性があります。そんな場合には修理費はかかりますが、やはり専門のガス器具を扱うところに相談しましょう。ガスコンロを購入した地域の出入りの業者さんであれば、無料で修理してもらえることもあります。
6.バーナーキャップが濡れていないか
バーナーキャップを濡れたままにしているのも、ガスコンロが点火しない原因のひとつです。「立ち消え安全装置」が作動した場合には、点火ミスやガスもれ事故などを防ぐために火がつきません。鍋の外側がぬれている状態でコンロの上に置いたり、吹きこぼれなどでぬれてしまうのが原因と考えられます。バーナーキャップは常に乾いた状態にしておくように心がけましょう。
ガスコンロの掃除の際、五徳や受け皿なども一緒に洗いますよね?洗った後に、乾いた布で、ていねいに水気を取っておかないと、ガスコンロに火がつかないことがあります。
センサーが水で濡れていてもつかないことがあるので、センサー部分も、しっかりと水気を拭き取るようにしましょう。
7.安全装置が働いてガスコンロがつかない
症状としては、点火ボタンや点火つまみから手を離すと火が消えて、ガスコンロが点火できない状態の時は安全装置が働いている可能性があります。
温度センサーがついていないガスコンロの場合、「立ち消え安全装置」が働いている可能性があります。これは、料理の煮こぼれや強風によって、万が一ガスコンロの火が消えてしまっても、安全装置が働いて自動でガスを止めるという役割を果たす装置です。
安全装置は、ガスバーナーの近くにある鉛筆の先のようなものです。この安全装置が油やスス汚れ、焼け焦げなどがこびりついた状態のままになっていると、うまく反応できずに安全装置が反応してしまい、火がつかないことがあります。
この安全装置はとても繊細な部分ですので、傷つけてしまうと火がつかないこともあります。汚れている場合には、ゴシゴシとこずらずに、中性洗剤をしみこませた綿棒や布でやさしく拭き取るようにしましょう。
8.温度センサーや点火プラグが汚れていないか
「温度センサー」とは、一定の時間、高温になった時に作動するセンサーのことです。温度センサーが設置してある場所は、ガスコンロの一番中央部分、ちょうど鍋の底が当たるところです。この部分が汚れていたり、水で濡れてしまっているような場合には、ガスコンロに火がつかないことがあります。
温度センサーによって、鍋やフライパンなどの調理器具の加熱のし過ぎによる、火災の発生を事前にキャッチします。
この情報によって、安全装置が働いて自動的にガスの火が消えるのですが、この温度センサーが汚れていたりすると、正確に作動しなくなる可能性が出てきます。すると高温でもないのに、安全装置が誤作動してしまい、ガスコンロがつかない原因になるのです。
五徳やバーナーキャップだけでなく、温度センサー自体にも焦げ付きや油汚れがないか確認しながら掃除をするようにしましょう。
9.コンロに鍋やフライパンを置いているか
最近の進化したガスコンロには「鍋なし検知機能」というものがついています。この機能は、五徳の上に鍋が置かれていない状態で点火ボタンを押してもガスコンロに火をつけることができないという、安全に配慮した機能です。
コンロに何も置いていないときに点火ボタンをおしても火がつかないだけでなく、点火した後に鍋をコンロから離すことで、「鍋なし検知機能」が働いて途中でコンロの火が消えたり、最初から火がつかないこともあります。
この機能を知らずにガスコンロを使っていると、スイッチを押しても火がつかないため、故障だと勘違いして焦ってしまいます。ましてや、ガスがつくかどうか、目視するために鍋をのせないので、いつまでたっても火がつかないことになります。詳細は取扱説明書に記載されてますので、もう一度読み直しましょう。
10.ガスメーターのランプが点滅していないか
ガスメーターには安全装置が付いています。例えば大きな地震が発生した後には、自動的にガスの供給が止められるシステムになっています。地震などで火がつかなくなった場合に考えられるのは、ガスメーターでガスの供給を止められている場合です。
地震以外でも何かがぶつかった場合でも、供給をメーターで止めることがありますのでガスメーターの上にある丸いランプが赤く点滅しているか確認しましょう。
ランプが点灯している場合には復旧させる作業をしなくてはいけません。ガスコンロだけでなく、ガスを使用しているお風呂、暖房などをすべて止めて、左側にある黒いキャップを外して復帰ボタンを押す必要があります。
かなり強く押し込んでからすぐに手を離すと、点滅していたランプが消えてガスが使えるようになります。めったにないことですが、いざというときに覚えておくとあわてずにすみます。
ボタンを押してリセットすると復旧できますが、復旧できない場合にはガス会社に連絡して指示を仰ぎましょう。
11.久しぶりに使ってガスコンロがつかない
店舗などでガスコンロの口がいくつかある場合、調理に使うのはある程度決まってきます。なかには、ほとんど使わないガスコンロもあるでしょう。また、長期に家を空けた場合なども、久しぶりにガスコンロを使って、なかなか火がつかないというケースがあります。その場合には、まずガス器具の目詰まりを疑ってみましょう。
しばらく使わないでいるとガスの通りがないので、知らず知らずのうちに他のガスコンロで使った油などが目に詰まって火がつかない原因になっていることがあります。また、長期に家を空けた場合に考えられるのは、ガス管に空気が混じってしまって、火がつかないことも考えられます。この場合には、何度か点火を繰り返しているうちに、ガスのエアーが抜けて正常に機能するようになるので、それほど心配する必要はないでしょう。
ガスコンロがつかない時に確認することは様々ありますが、点火できなくなってからではなく、いざというときのために、日頃からチェックしましょう。
ガスコンロから臭いがする場合の注意と対処法
ガスコンロから臭いがする時は、ガスが外に漏れている可能性があります。とても危険な状態ですのですぐに窓を開け、早急にガス会社に連絡しましょう。
ガス漏れかもしれないと思ったとき、ガスを室内から早く出すコツがあります。都市ガスの場合は、天井の方にたまりやすいので、頭上をうちわなどで勢いよく扇ぐようにします。LPガスの場合は、床の方にたまるので、ほうきなど掃いて外に出すようにします。
とっさに換気扇をまわしたくなりますが、感電の恐れがあるので、電気系のスイッチを入れるのは厳禁です。
ガスコンロの寿命
ガスコンロにも寿命というものがあります。これはテレビや洗濯機、冷蔵庫といった家電製品と同様です。しかも、ガスコンロは火や吹きこぼれなどによる劣化、油汚れなどの腐食など他の電化製品と比べ、かなり過酷な環境に置かれています。
これらのことを考えると、ガスコンロの寿命は平均すると10年前後と言われています。しかも、10年以上すると部品を交換したくても、その部品自体の製造が取りやめになっていることがよくあります。もし、自分が使っているガスコンロの製造年月日が10年以上であれば、迷わず新しいものを交換しましょう。
2008年10月にガスコンロは安全装置付きが義務付けらました。揚げものの温度の上昇を制限し、消し忘れや立ち消えといった火災や、ガス中毒になる危険性を極力防ぐために開発された機能です。2008年以前に購入したガスコンロでしたら、故障を機に、新しいガスコンロに交換することも考えてみましょう。
最後に
ガスコンロがつかない場合には、今回ご紹介した確認事項をまず点検をし、慌てずに対処しましょう。ガスコンロを長持ちさせるために大切なことは、日頃のお手入れを欠かすことなく、常にキレイさを保つよう心がけることです。吹きこぼれをなくして、バーナー周りのケアを常に意識しておくことで、故障や劣化を最小限に防ぐことができますので、ガスコンロの使用後はしっかり水分を拭き取りましょう。