優先席は座ってもいい?でもこれはNG!やってはいけない迷惑行動7選

電車やバスに設けられた「優先席」。本当に困っている人が快適に使えるようにするには、私たち一人ひとりの意識がカギです。本記事では、優先席でやってはいけないNG行為を具体例とともに紹介し、思いやりある使い方をわかりやすく解説します。

電車の優先席とは?正しい使い方と対象者

優先座席

電車やバスなどの公共交通機関には、『優先席』と呼ばれる特別な座席があります。優先席とは、高齢者や障害のある方、妊娠中の方、小さなお子さんを連れた方など、席を特に必要としている人が優先的に利用できる座席のことです。

ところが、「優先席は絶対座ってはいけない席だ」と誤解している人が少なくありません。しかし実際には、「あくまでも必要な人に優先的に譲るべき席」であり、健康な人が絶対に座ってはいけないという意味ではありません。

誰が優先席の対象者なのか?

優先席を利用できる対象者を改めて整理すると、次のような人たちが挙げられます。

  • 高齢者の方
  • 身体に障害をお持ちの方
  • 妊娠中の方
  • 小さなお子さんを連れている方
  • 一見健康に見えても内部疾患や体調不良で配慮が必要な方

このように、見た目では判断できない理由で優先席を必要とする人も多いのです。たとえば、外見上は健康に見える若い方でも、心臓の疾患や目に見えない慢性の痛みなど、周囲には伝わりにくい事情を抱えているケースがあります。そのため、「健康そうだから座らなくていいだろう」と安易に判断しないことが大切です。

優先席の役割を正しく理解する

優先席の正しい意味や使い方を理解しないまま、自己流のルールで使用すると、意図せずトラブルや誤解を引き起こす原因になりかねません。優先席がある目的と誰が対象なのかを理解することで、自分自身も周りの人も気持ちよく公共交通機関を利用できるようになります。

健康な人が座る場合の具体的なポイントについて、詳しく考えてみましょう。

健康な人も優先席に座ってもいいの?

電車内の優先席

優先席には、「健康な人は絶対に座ってはいけない」というイメージが強いかもしれません。ですが、この認識はやや誤解されています。実際には、周囲に優先席を必要としている人がいない状況であれば、健常者が座っても問題はありません。

座ってもいいのはどんなとき?

たとえば、ラッシュ時間帯でも優先席が空いている状況がありますよね。そのような場合に立ち続けるのも、かえって通路を塞いで他の乗客の迷惑になる可能性があります。そのため、周囲の状況をよく確認して、必要とする人がいなければ座ってもいいのです。

譲るべきタイミングを見極める

ここで大切なのは、「あくまでも必要な人が現れたら、速やかに席を譲る」という意識です。どのような状況でも、優先されるべき人が近くに来たら、すぐに席を空ける必要があります。健常者が座ってもよい状況であっても、「自分はあくまで一時的に座っている」という認識を持つことが重要になります。

優先席に対する正しい認識を持ち、臨機応変に対応できれば、車内全体の雰囲気がよくなり、誰にとっても快適な空間になるでしょう。

優先席でやってはいけないNG行為

優先席を正しく利用するためには、「絶対にやってはいけない」マナー違反について、しっかりと理解することが重要です。以下では、よく起こる具体的なトラブル事例とあわせて、その行為がなぜ問題なのかを深掘りしていきます。

① 明らかに座る必要がある人に席を譲らない

優先席で最もよく見られる迷惑行為が、席を必要としている人に気づきながらも譲らないというものです。

たとえば、目の前に立っている高齢者や妊婦さんを無視してスマホを触り続けたり、目を閉じて寝たふりをして譲らない行為が頻繁に見られます。こうした行動は、席を譲ってほしい方に精神的にも身体的にも負担をかけてしまいます。

さらに、席を譲らない状況が続くと、周囲の乗客からの視線やひそひそ話が増え、場合によっては口論やトラブルの原因となります。

こうしたトラブルを避けるためには、目の前に譲るべき人がいる場合はすぐに立つ、あるいは声をかけて譲る姿勢が重要になります。小さな気遣いひとつで、車内の雰囲気は大きく改善されるのです。

② 譲って断られた時に無理に座らせようとする

意外に思われるかもしれませんが、席を譲っても断られるケースはよくあります。このとき、「どうぞ座ってください」と何度も強要してしまうと、相手にとっては「ありがた迷惑」と感じる場合があります。

たとえば、比較的元気な高齢者や、短距離の乗車だからと遠慮する妊婦さんもいます。相手には相手なりの理由や配慮がありますから、無理に座らせようとすると、逆に気まずい空気や心理的なストレスを生むことがあります。

席を譲った時に断られた場合は、相手の意志を尊重し、「わかりました」とさりげなく引き下がるのがスマートな対応です。相手を気遣うあまり、自分の好意を押しつけないように心がけましょう。

③ 優先席での居眠りやスマホに没頭する

優先席に座っている人が居眠りやスマホに集中している光景は珍しくありません。しかし、これらの行為は優先席では特に問題となります。

居眠りやスマホに夢中になってしまうと、優先席を必要としている人が近づいてきても気がつかず、席を譲ることができなくなります。周囲からも「なぜ譲らないのだろう?」と冷たい視線を受けることになり、自分でも知らぬ間に迷惑行為をしてしまっている状態になります。

優先席に座った際には、普段以上に周囲への意識を高める必要があります。短時間の乗車であっても、常に「自分が座っているのは優先席だ」と意識し、周りを時々確認するよう心がけると良いでしょう。

④ 優先席に荷物を置いて座席を占有する

空いているからといって、優先席にバッグや買い物袋などの荷物を置いて座席を占有する行為も、絶対に避けるべきです。

荷物が座席に置かれていると、本来その席に座りたい人が遠慮してしまい、座れなくなるというトラブルが生じます。特に高齢者や妊婦さんは、「荷物をどかしてまで座りにくい」と感じ、困惑してしまうことが多いのです。

実際、こうした荷物の占有が原因で車内のトラブルが発生することも珍しくありません。席が空いている時でも、荷物は膝の上か足元、あるいは荷物棚に置くことを徹底しましょう。

⑤ 健康そうな人が座っているからと罵声を浴びせる

見た目だけで「健康そうだから優先席に座るな」と非難したり、罵声を浴びせたりする行為は、絶対にやってはいけません。

たとえば、一見若く健康そうに見えても、心臓病や慢性的な痛み、めまいなど外からは分かりにくい事情で座っているケースは実は少なくありません。こうした事情を知らずに罵声を浴びせると、相手は傷つき、周囲も不快な気持ちになります。

見た目だけで他人を判断するのは危険であり、自分自身も周囲から「攻撃的な人」と見られてしまいます。席を譲らないことよりも、誤解に基づく罵声の方が周囲に与える悪影響は大きくなりがちです。

⑥ 座席を詰めずに間を空けて座る

優先席で時折見かけるのが、複数人が座れるはずなのに、わざと間を空けてゆったりと座る行為です。

間隔を空けて座ると、特に混雑時には高齢者や身体の不自由な方が座りづらくなります。その結果、本当に座る必要のある人が立ったまま我慢を強いられることになります。

また、このような行為は見ている周囲の乗客の不快感を生み、優先席を巡るトラブルの火種となります。席に座る際には、自分だけが快適に座るのではなく、他の人が座れるスペースも意識して適切に座りましょう。

⑦ 足を広げたり組んだりして座る

足を広げたり組んだりして座る人は、自分では気がつかないうちに周囲に迷惑をかけています。

足を広げると、隣の座席を占有してしまい、隣に座りたい人が座りにくくなります。また、足を組むと通路を歩く乗客の通行の邪魔になることもあります。

特に優先席では、こうした小さな行為が大きな迷惑につながります。周囲への配慮を持ち、常に隣や周囲の人が座れるかを考えて座ることが求められます。

優先席が設置されているメリット・デメリット

電車やバスの優先席が設置されているのは、多くのメリットがあるからです。その最大のメリットは、「座る必要のある人が確実に座れる」という安心感を提供できる点でしょう。

座るべき人が安心して座れる

高齢者や妊婦さん、体調が悪い方にとって、座席が確保されていると分かるだけで、公共交通機関を利用するストレスが大きく軽減されます。また、周囲の乗客にとっても、「誰が譲るべきなのか」が明確になり、譲り合いがスムーズに進むこともメリットの一つです。

座ってもいいのか悩む人が増える

一方で、優先席にはデメリットも存在します。その代表的なものが、「健康な人が座りにくい」という心理的プレッシャーです。

優先席に座ること自体は問題がなくても、周囲の目が気になり、「座ってもいいのだろうか」と躊躇してしまう人は少なくありません。また、譲る・譲らないを巡ってトラブルが生まれることがあり、本来快適であるはずの座席が、逆にストレスや緊張を生む場所になってしまうケースもあります。

制度の意義を理解し、柔軟に対応することが大切

このように優先席には、メリットとデメリットの両面があります。大切なのは、制度の問題点を理解し、個々人が状況に応じて柔軟に対応することです。優先席の意味や存在意義を考えることで、自分の行動を見つめ直し、周囲への理解や思いやりを深めるきっかけにすることができるでしょう。

みんなが気持ちよく利用するために

公共交通機関に乗る際、「ルールを守る」という意識はもちろん大切ですが、それ以上に必要なのが「思いやりや気遣いを持つこと」です。

ルールよりも思いやりが大切

優先席のような公共の場では、ルールだけでは判断できない状況がたくさんあります。だからこそ、自分の周囲に気を配り、席を必要とする人が近くにいないか、困っている人がいないかを自然に意識できるようになりましょう。

外見だけではわからない事情がある

また、もう一つ忘れてはいけないことがあります。それは「外見だけでは判断できない事情を抱えている人もいる」ということです。

健康に見える若者が座っていても、実際には体調が悪かったり、内部疾患を抱えていたりすることがあります。こうした状況を知らずに安易に批判するのではなく、「もしかしたら何か事情があるのかもしれない」と柔軟に考えられるようになると、余計なトラブルを避けることができます。

他人を思いやる姿勢が心地よい空間をつくる

自分の中で決めつけてしまわずに、他人に対する想像力や理解を深めることが、公共の場をより快適で優しい空間にするための秘訣です。誰もが気持ちよく利用できるように、小さな思いやりや気遣いを日々心がけていきましょう。

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