目次
鍋の焦げを重曹で落とす方法
重曹ペーストを作る
重曹と水で作る重曹ペーストがあると、鍋の内側だけでなく外側や取っての付け根部分などの焦げも落としやすくなります。ドロっとした重曹ペーストは、汚れへの密着が高まり、研磨作用もあるため、頑固な焦げ汚れにも効果的です。
作り方はとても簡単で、重曹と水を2:1程度の割合で混ぜるだけです。作り置きはできないため、一度に大量に作らず、少量で作り足りなくなったら作るようにしましょう。もし、余ってしまった場合は、ぬるま湯を足して排水口に流せば大丈夫です。
準備する物
- 重曹大さじ2杯
- 水大さじ1杯
- 小さな容器
- ヘラ、またはスプーン
作り方
容器に重曹を入れて、水を加えます。ヘラやスプーンでペースト状になるまでよく混ぜたら重曹ペーストの完成です。
重曹ペーストを焦げに塗ってスポンジで磨く
重曹ペーストが用意できたら、鍋の焦げ部分に塗って落としていきましょう。洗い方は、重曹ペーストを焦げ部分に塗ったら数分そのまま放置します。
ドロっとした重曹ペーストが、徐々に焦げ部分に浸透して、焦げや油汚れが浮き上がってきますので、水を含ませたスポンジでこすり洗いしましょう。ゴムベラで軽くこすると、焦げがさらに落ちやすくなります。取っ手など細かい部分は、古歯ブラシなどを使うと便利です。
水で含ませたスポンジで落ちない場合は、重曹ペーストを塗った上に、ラップでパックします。ラップをすることで重曹ペーストが乾燥せず、焦げや汚れに浸透しやすくなりますので、そのまま1時間以上パックしてみてください。
重曹ペーストがしっかり馴染めば、頑固な焦げや汚れも、力を入れずにスルッと落とせます。
沸騰したお湯と重曹で焦げを落とす方法
水を沸騰させる
鍋やフライパンに水を入れて沸騰させます。入れる水の量は5㎝ほどでよいです。沸騰したら火を止めましょう。
火を止めてから重曹を加える
鍋のお湯が沸騰したら火を止めて、重曹を加えてよく混ぜます。加える重曹の量は、焦げや汚れの度合いや鍋の大きさによって変わりますが、大さじ1杯からカップ1/4くらいです。
そのまま一晩おくと、翌朝には焦げが落としやすくなっています。または、粗熱が取れて鍋のお湯がぬるくなってきたら、ゴム手袋をしてスポンジを使って焦げや汚れを落としてください。
重曹を使って焦げを落とすときの注意点
鍋の火を止めてから重曹を入れる
沸騰しているお湯に重曹を加えると、熱湯が吹きあがることがあります。これは、食塩などを加えたときにも起こる現象で、吹き上がった熱湯によってやけどの危険もありますので注意して下さい。沸騰したら火を止めて重曹を入れる、と覚えておいてください。
研磨効果のスポンジと一緒に使わない
重曹には研磨作用がありますが、柔らかい重曹の粒は研磨力が穏やかです。そのため、ほうろう素材などさまざまな素材に使うことができますが、研磨できるタワシと一緒に使うと、素材が傷つくことがありますので、気を付けて下さい。
研磨効果のある研磨粒子入りスポンジも同様です。重曹と一緒に使うのは控えましょう。重曹を使って焦げや汚れを落とすときは、研磨粒子の入っていない柔らかいスポンジを使ってください。
重曹が使える鍋の素材
重曹は基本的には、ステンレス、土鍋、ホーロー、アルミとどんな素材にも使えます。ただし、アルミについては、日本製の表面加工がしっかりとしているものは問題ありませんが、物によっては表面加工が削り取られてしまいます。
そうなると、鍋に黒ずみができてしまいます。これは見た目の問題だけで、そのまま使うことはでき、できてしまった黒ずみは酢やクエン酸で落とせます。
ただ、せっかく気になる焦げや汚れが落ちても、黒ずみができてしまっては残念なので、気になる方はアルミ製については注意したほうがよいでしょう。また、テフロン加工されたものも、コーティングが剥げてしまう可能性もあるので、擦りすぎには注意してください。
重曹って何?
重曹は別名、「ベーキングソーダ」または「炭酸水素ナトリウム」「重炭酸ソーダ」と言われています。見た目は白い粉で、人体には無害のため、ふくらし粉などの食品添加物や、胃薬などの医薬品として、幅広く利用されています。
弱アルカリ性のため、油汚れや水垢、皮脂汚れなど酸性の汚れに効果的です。空気中でも安定しているので、長期間の保存が可能です。
また、水に流しても、他の生物に影響を与えることが無いエコな成分も魅力の1つです。粉のまま使ったり、水と混ぜてスプレーにしたり、ペースト状にしたりなど、使い方もさまざまです。
重曹の3つのグレード
重曹は「薬用」「食用」「工業用」と3つのグレードがあります。成分はほぼ同じですが、作り方の工程などに違いがあるため、含まれる不純物が変わってきます。
薬用は薬局で購入ができ、食用はスーパーでも購入できます。工業用は100均でも手に入り、掃除用として使うには工業用で良いと言われています。薬用や食用以外は、口にするのは控えましょう。
重曹の持つ作用5つ
研磨作用
水と混ぜた重曹は粒子が細かいため、キズが付きにくくクレンザーのように汚れ落としに使えます。食用の重曹は歯磨き粉として、歯に着色した汚れを落とすのにも役立ちます。
中和作用
酸性の皮脂汚れや油汚れを中和させます。頑固な油汚れや、水あか、手あかなどの酸性の汚れを中和し落としやすくします。
消臭・吸湿作用
酸性物質の臭いを中和し消すことができるため、生ごみや靴箱、排水溝の脱臭にも役立ちます。また、湿気に対して吸湿する働きもあります。
発泡作用
お湯とまぜることで勢いよく発砲し、汚れを浮かせる効果があります。また、お菓子作りなどのふくらし粉としても使えます。
軟水作用
カルシウムやマグネシウムなどの金属イオンを、ゆっくりと封じる働きがあるため、お風呂に重曹を溶かすとお湯が柔らかくなるなどの効果が期待できます。
重曹の活用術
重曹には便利な活用術がいくつもあり、知っていると日常生活の中で役立つことがいくつもあります。
- 鍋の焦げや茶渋落とし
- コンロやシンクの汚れ磨き
- 換気扇の頑固な油汚れ
- 衣類の浸け置きで汚れや臭いを中和
- 洗濯水に重曹を入れると、泡立ちが良くなり石鹸カスが減る
- 口の広い容器に入れれば、トイレや下駄箱などの脱臭剤
- 重曹とクエン酸で発泡入浴剤のバスボムができる
- 炭酸ドリンクが作れる
- 粉のままカーペットに振りかけて掃除をすると汚れ落としや消臭効果
その他、重曹には幅広いたくさんの活用術がありますので、家庭で常備しておきたいアイテムの1つです。
まとめ
なかなか落とせない鍋やフライパンの焦げ付きも、重曹を使えば簡単に落とせますね。重曹は、汚れはしっかり落とせても、強い洗浄剤と違って、環境や手肌に優しい点も嬉しいです。
研磨効果があるため、研磨タワシとの併用や、粒が残った状態で強くこするなどは素材を傷つけてしまうため注意して下さい。アルミ製品については、黒く変色する場合もあることも忘れないようにしましょう。