実は間違いだらけ!社会人が使うと恥ずかしいNG敬語6選

オフィスでの会議

私たちがビジネスシーンなどで日常的に使っている敬語。しかし、つい使いがちな敬語の中には、実は間違っているNGな敬語があることにお気付きでしょうか。今回は大人ならば知っておきたい実は間違っているNGな敬語をご紹介するので、日頃使っている敬語が間違っていないか確認してみましょう。

大人なら使えて当然!?使い方が難しい敬語は多い

打ち合わせをしている女性

「了解しました」という返事に、先輩から「その言葉は失礼だよ」と指摘されたことはありませんか?また、電話で「お名前を頂戴できますか」と尋ねた際に、何か違和感を覚えた経験はないでしょうか?

実は、私たちが日常的に使っている敬語の中には、知らず知らずのうちに間違った使い方をしているものが少なくありません。

ビジネスシーンでは、目上の方への対応はもちろん、取引先とのやり取りやお客様との会話など、様々な場面で敬語は欠かせません。しかし、日本の敬語は非常に複雑で、経験豊富な方でも思わず間違えてしまうことがあります。

敬語は大人なら使えて当然というイメージが強いものの、正しい使い方を知らないまま使い続けているケースも多いのです。

敬語の基本を理解しよう

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があります。例えるなら、尊敬語は相手を高い位置に持ち上げる表現、謙譲語は自分を低くして相手を立てる表現、そして丁寧語は基本的な丁寧さを保つ表現です。まるで、相手と自分の立ち位置を調整しながら、最適な距離感を作り出すようなものと言えるでしょう。

具体的な例を見てみましょう。「見る」という動作の場合は

  • 尊敬語:ご覧になる(相手を高い位置に)
  • 謙譲語:拝見する(自分を低くして)
  • 丁寧語:見ます(基本的な丁寧さ)

興味深いことに、昔の日本では身分制度に基づいて敬語が使われていました。

例えば「ご苦労さま」という言葉は、もともと目上の人から目下の人に対して使う言葉でした。このような歴史的背景を持つ言葉が、現代のビジネスシーンでも誤って使われ続けているのです。

つい使ってしまう要注意な6つの敬語表現

止めるポーズをしているスーツの女性

基本を理解したところで、実際のビジネスシーンでよく見かける間違いやすい表現を見ていきましょう。これらは日常的によく使われているため、間違いだと気づきにくい表現ばかりです。順番に詳しく解説していきます。

1. 誰もが使いがちな「了解です」の落とし穴

メールや会議での返答で頻繁に使われる「了解です」「了解しました」。ビジネスの現場で日常的に耳にするこの言葉ですが、実は目上の方に対して使うのは適切ではありません。「了解」は同じ立場の人に対して使う言葉であり、敬語表現ではないのです。

では、どのように言い換えればよいのでしょうか。

「かしこまりました」「承知いたしました」といった表現を使うことで、適切な敬意を示すことができます。最近では、SNSの普及により「了解です」という表現が一般的になってきていますが、ビジネスの場面では正しい敬語を使い分けることが大切です。

2. ついつい使ってしまう「〜になります」

「こちらが会議室になります」「資料は3ページになります」など、案内や説明の際によく使われる「〜になります」。この表現は、特にサービス業界で広く使われていますが、実は正しい日本語表現ではありません。「なる」は本来、状態が変化することを表す言葉だからです。

正しくは「こちらが会議室です」「資料は3ページです」、より丁寧に言う場合は「こちらが会議室でございます」「資料は3ページでございます」と表現します。接客の現場では定着している表現ですが、ビジネス文書やフォーマルな場面では避けたほうが無難です。

3. 要注意な「ご苦労さまです」

オフィスでの打ち合わせ

「ご苦労さまです」は、多くの方が日常的に使う挨拶の言葉ですが、実は目上の方に対して使うのは適切ではありません。前述の通り、この言葉は歴史的に目上の人から目下の人に対して使う表現でした。

上司や先輩、お客様に対しては「お疲れさまです」「お世話になっております」などの表現を使いましょう。同僚や部下に対して「ご苦労さまです」を使うのは問題ありません。

4. 相手の発言への返答「なるほどですね」

上司や先輩の説明に対して「なるほどですね」と返答してしまうことはありませんか?実はこの表現も、目上の人に対して使うのは適切ではありません。代わりに「おっしゃる通りです」「ご指摘ありがとうございます」といった表現を使うことで、より適切に敬意を示すことができます。

5. 二重敬語という落とし穴

丁寧に話そうとするあまり、知らず知らずのうちに二重敬語を使ってしまうことがあります。

例えば「ご覧になられる」「お客様がお越しになられました」などは、すでに敬語表現となっている言葉にさらに敬語を重ねた形になっています。

ただし、注意したいのが「敬語連結」と呼ばれる正しい表現形式です。「お読みになっていらっしゃる」のように、接続助詞「て」でつながれた敬語表現は正しい使い方となります。この違いを理解することで、より洗練された敬語表現が可能になります。

6. 電話応対での「お名前を頂戴できますか」

受付や電話応対でよく使われるこの表現。丁寧そうに聞こえますが、実は「名前」は「頂戴する(もらう)」ものではありません。「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」「お名前をお聞かせいただけますでしょうか」といった表現が正しい使い方です。

敬語力を磨いて円滑なコミュニケーションを

敬語は、相手への敬意を示すだけでなく、話し手の教養や信頼性を表現する重要な要素です。完璧に使いこなすのは簡単ではありませんが、基本的な間違いを避け、少しずつ正しい使い方を身につけていくことで、より円滑なビジネスコミュニケーションが可能になります。日々の会話の中で、今回紹介した表現に気を配りながら、適切な敬語使用を心がけていきましょう。

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