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死語ってなに?消えゆく言葉の意味を知ろう
「死語」とは、かつて日常的に使われていたものの、時代とともに消えていった言葉を指します。流行語であったものや、特定の世代に使われていた言葉が、今ではほとんど使われなくなってしまう現象は、誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。
例えば、昭和の時代に流行した「ナウい」や「アベック」など、当時は誰もが自然に口にしていた言葉が、今ではほとんど耳にすることがなくなりました。では、そんな死語が消えていく背景には、どのような要因があるのでしょうか。次は、具体的な死語を通して、その意味を考えてみましょう。
昭和を彩った死語一覧!時代の香りを感じる言葉たち
昭和はテレビやラジオを中心に、多くの流行語が生まれた時代でした。誰もが共通して知っている言葉が飛び交い、街角で自然に耳にしたものでした。今では懐かしささえ感じさせるこれらの言葉も、当時は鮮やかな日常の一部だったのです。
- ナウい:1980年代に流行した「今風でかっこいい」という意味の言葉。今の時代では少し恥ずかしく感じられることも。
- アベック:フランス語の「avec」に由来する言葉で、「男女の二人連れ」を意味します。「カップル」が一般化する前の表現です。
- バタンキュー:疲れ果てて、倒れ込むようにそのまま寝る様子を表した言葉です。今ではほとんど耳にしませんが、昭和時代を象徴する擬音語的な表現。
- チャンネルを回す:昔のテレビは手動でダイヤルを回してチャンネルを変えていました。リモコンが主流になる前の言葉ですね。
- OK牧場:何かに同意する時に使われた「OK」にちょっとした遊び心を加えた表現。今ではあまり使われなくなりました。
- よっこいしょういち:「よっこいしょ」のかけ声に、第二次世界大戦後に話題となった横井庄一さんの名前をかけたギャグ。驚きと疲れの両方を表現します。
- アフター5:仕事や学校が終わった後の自由時間を指します。「アフター5」の楽しみは、今では「アフターワーク」としても使われますが、アフター5という言い方はもう少ないですね。
- ドロンします:何かの場をそっと離れる、または帰るという意味で使われた言葉です。忍者のように消えるイメージがある言葉ですが、今はもうあまり使われていません。
- シェー:漫画『おそ松くん』のキャラクター「イヤミ」のギャグ。「驚き」の表現として昭和時代に流行しましたが、今ではほぼ死語に。
- とんでもはっぷん:「とんでもない」と「ハプニング」を掛け合わせた言葉。「そんなのありえない!」という驚きを込めたギャグです。
- レッツラゴー:漫画『おそ松くん』の影響で流行したデタラメ英語。意味は「Let’s go!」ですが、昭和の時代ならではのユーモアが感じられる表現です。
- あたり前田のクラッカー:テレビ番組で使われて広まった「当たり前だよ」を強調するギャグ。スポンサーである前田製菓のクラッカーが語源です。
- じょうだんはよしこちゃん:冗談を言うのをやめてほしいときに使われたフレーズ。現代ではこのフレーズを使う人はほぼいないでしょう。
- 余裕のよっちゃん:余裕がある状況を表す言葉で、特に何も問題ない時に使われました。今では古臭く感じるかもしれません。
- ホコ天:歩行者天国の略語。都市の中心部が車両通行止めになることを意味する言葉として使われていました。
- 朝シャン:朝にシャンプーをすることを意味する言葉で、昭和のトレンドの一つ。朝シャンするかどうかが一種のステータスだった時代もありました。
- 銀ブラ:銀座をぶらぶら歩くことを意味する言葉で、当時の都会的な生活を象徴するフレーズです。
- おニュー:新品のものを指す言葉で、「新しい」をちょっとしゃれた感じで表現していました。今は「新品」と言うのが普通ですね。
- 花金:週末の前の金曜日の夜を楽しむことを意味します。「花の金曜日」という言葉自体は残っているものの、「花金」という略称はもうあまり聞かれません。
- ヤング:若者を意味する言葉で、英語の「young」から派生しました。使われていた時代には、若さを強調した響きがあったのでしょう。
- メリケン粉:アメリカから輸入された小麦粉のことを指す言葉で、今では「小麦粉」と呼ばれることが一般的です。
- スチュワーデス:飛行機内で働く女性乗務員を指す言葉。今では「キャビンアテンダント」が一般的な呼び方となり、この表現は時代遅れになっています。
- チョッキ:ベストを意味する言葉で、今では「ジレ」や「ベスト」という言い方が主流です。
- ツッパリ:不良やヤンキーを指す言葉。昭和時代の若者文化を象徴していましたが、今では死語となっています。
- ダッチロール:飛行機が左右に揺れることを意味する言葉ですが、日常会話で使われることはほぼなくなりました。
- とっくりセーター:ハイネック、タートルネックのセーターを指す言葉。お酒を入れる「徳利」の形に似ていることからこの名前がつきました。
- 別珍(べっちん):ビロード生地を意味する言葉で、昭和の洋服でよく使われましたが、今ではあまり聞かれません。
- 猿股(さるまた):男性用の股引の一種で、丈が短いステテコに近いものを指します。
- ズボン下:男性用下着の一つで、ズボンの下に履くものを指していました。今では「ステテコ」など他の表現が使われています。
- 帳面:ノートやメモ帳を指す昔の言葉です。今では「ノート」と呼ばれますが、昭和時代には「帳面を広げる」という表現が日常的でした。
- 半ドン:昭和時代、学校や仕事が昼までで終わる日をこう呼びました。土曜日の午前中だけで終わる勤務や授業が一般的だったため、休日が始まる特別な感覚を持つ言葉でした。
- チョンボ:失敗やミスを意味する言葉。元々は麻雀用語から広がり、日常の失敗を軽く受け流すようなニュアンスで使われていました。
- ハイカラ:明治から昭和初期にかけて「おしゃれ」や「モダンな人」を指す言葉。西洋風の服装や生活様式を取り入れた人たちが「ハイカラさん」と呼ばれたことが懐かしいですね。
- よろぴく:軽い挨拶として「よろしく」を省略した言葉。若者が使っていたカジュアルな表現ですが、今ではほとんど聞かれなくなりました。
- いただきマンモス:「いただきます」に「マンモス」を掛け合わせたユーモラスな言葉で、昭和の子供たちの間で流行しました。今ではほぼ死語ですが、昭和世代にとって懐かしさを感じさせる表現です。
- とんでもはっぷん:驚きや意外な出来事を表現する言葉。「とんでもない」と英語の “happen” を掛け合わせて作られました。コミカルな表現が人気でした。
- わけわかめ:昭和のギャグから広まった「わけがわからない」を軽くふざけた言い方。今でもたまに聞くことがありますが、もはや死語に近い言葉です。
- あたり前田のクラッカー:「当たり前だよ」という意味のギャグとして流行しました。テレビ番組のスポンサーだった「前田製菓」が由来です。
- 花の応援団:スポーツの応援団を意味する言葉。特に大学の応援団が盛り上げる姿が印象的で、映画やドラマでも描かれました。
- シビア:状況が厳しい、辛辣であることを意味します。今でも使われますが、当時はもっと日常的に使われていた印象があります。
- チョッキ:今で言う「ベスト」を意味する言葉。昭和時代にはよく使われましたが、ファッションの変化とともに消えていきました。
- タマランチ会長:何かが堪えられないほど素晴らしいときに使われた言葉。国際オリンピック委員会会長の名前「フアン・アントニオ・サマランチ」に由来します。
- 猿股:男性が防寒のために履く短めの下着を指す言葉で、ステテコに似た衣類でした。今ではあまり見かけない表現です。
- バッチグー:何かが「ばっちり良い」「万事OK」という意味。昭和のユーモラスな響きが特徴的です。
- レッツラゴー:昭和のギャグから生まれた「Let’s Go!」の派生語。今ではほぼ耳にしなくなりましたが、当時は若者の間で人気でした。
- シェー:おそ松くんのキャラクター「イヤミ」が驚いたときに発するセリフで、一世を風靡しました。今でも知る人ぞ知るギャグですが、日常会話ではほぼ使われません。
平成に流行ったあの言葉、もう死語?
平成の時代になると、流行語の発信源はテレビや雑誌から、インターネットやSNSに移り変わっていきました。この時期の言葉も、時代とともに姿を消し、今では「昔の言葉」として扱われることが増えています。
- チョベリグ:1990年代のギャル語で「超ベリーグッド」の略。非常に良いことや、素晴らしい出来事を表現する際に使われたが、今ではほとんど聞かれなくなった。
- チョベリバ:同じく1990年代のギャル語で「超ベリーバッド」の略。悪い出来事や最悪な状況を指し、チョベリグの対義語として使われていた。
- KY:2000年代に流行した「空気が読めない人」を表す略語。特に集団の中で空気を壊す人を揶揄する際に使われたが、使われすぎて死語となった。
- だっちゅーの:1997年に流行したお笑いコンビ「パイレーツ」のギャグで、胸を強調するポーズが特徴的だった。短期間で爆発的に流行したが、現在ではほとんど使われていない。
- じぇじぇじぇ:2013年の朝ドラ『あまちゃん』で使われた驚きを表す言葉。瞬間的に全国に広まったものの、ブームと共に消滅した。
- パリピ:パーティーピープルの略で、派手に遊ぶ人を指す言葉。2020年代初頭までは使われていたが、現在は死語になりつつある。
- リア充:リアルの生活が充実している人を指す言葉。特にSNS上での対比として使われたが、現在は使われることが少なくなった。
- ガラケー:スマートフォンの普及前に使われていたフィーチャーフォンのことを指す。現在ではスマートフォンが主流となり、この言葉もほぼ使われなくなった。
- 写メ:携帯電話で撮った写真をメールに添付して送る行為を指す言葉。「写メール」の略語であったが、LINEやSNSの普及で使われなくなった。
- バカッター:Twitterでバカな行為を投稿する人を指す言葉。SNSの広がりと共に一時期注目されたが、現在ではほとんど使われない。
- 激おこプンプン丸:怒りを可愛く表現するギャル語で、怒りの度合いを強調するために使われた。可愛らしさと激しい怒りを同時に表現していたが、今では死語化している。
- MK5:1990年代後半に流行した「マジでキレる5秒前」の略語。怒りのピークに達する直前を表すが、現在では使われなくなった。
- 超ウケる:何かが非常に面白いと感じた時に使われた言葉。若者の間で広まったが、今ではほとんど聞かれない。
- とりま:「とりあえず、まあ」の略で、若者の間でカジュアルに使われていたが、現在は死語となっている。
- 卍(まんじ):意味のない感情表現として使われた言葉。主に女子高生の間で流行したが、今ではほとんど使われなくなった。
- イケメンパラダイス:人気ドラマ『花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス』のタイトルに由来する言葉。非常にイケメンが多い状況を指したが、現在では使われることが少ない。
- やばたにえん:「やばい」と「たにえん(お茶漬けの素)」を組み合わせた造語で、やばい状況を強調する言葉。2010年代に一時的に流行したが、現在はほとんど聞かれない。
- ぽよ:若者の間で「可愛い」や「ふわふわした感じ」を表す言葉。特に女子高生の間で流行したが、今ではほぼ使われていない。
- カムバック:再度登場したり、復活することを意味する言葉。スポーツや芸能界でよく使われていたが、現在はあまり耳にしない。
- バイナラ:バイバイとさようならを掛け合わせた言葉。1980年代後半から平成初期にかけて流行したが、今ではほぼ使われていない。
- パイセン:「先輩」を逆さまにした言葉。若者言葉として広まったが、現在ではほとんど使われなくなっている。
- ギャルママ:若くして母親になった女性を指す言葉。特定の時期に流行したが、現在ではあまり使われない。
- メルアド:メールアドレスの略語。LINEやSNSの普及により、メールのやり取り自体が少なくなり、この言葉も使用頻度が激減した。
- 着メロ:携帯電話の着信音として使われるメロディの略語。今はスマートフォンが普及し、「着信音」という表現が主流に。
- おしゃかわ:おしゃれで可愛いを意味する若者言葉。一時的に人気だったが、最近はほとんど耳にしなくなった。
- ウェーイ:テンションが高い時に使う掛け声。パーティーシーンなどで流行したが、今では聞く機会が少なくなってきている。
- ピンキリ:上限から下限までの範囲を指す言葉。幅広い意味を持つが、最近は使用頻度が下がっている。
- ゆとり世代:1990年代後半から2000年代に「ゆとり教育」を受けた世代を指す言葉だが、現在ではあまり使われていない。
- ズッ友:ずっと友達を略した若者言葉。短期間で広まったが、今ではほとんど聞かれない。
- ギャル男:派手なファッションに身を包んだ男性を指す言葉。平成初期に流行したが、今はほとんど使われなくなった。
- チャラ男:軽いノリの男性を指す言葉。平成中期に流行したが、現在ではあまり耳にしなくなっている。
- 神対応:非常に良いサービスや対応を意味する言葉。かつては広く使われていたが、近年では使われなくなりつつある。
- ジベタリアン:地べたに座り込む若者たちを指す言葉。平成初期の街中でよく見られたが、今ではあまり使われない。
- シノラー:篠原ともえのファッションを真似する人々を指す言葉。奇抜なスタイルが特徴的で、90年代後半に流行。
- ハズい:恥ずかしいを略した若者言葉。SNSや口語でよく使われたが、今ではあまり聞かれなくなった。
- 禿同(はげどう):インターネットスラングで「激しく同意」の意味。掲示板などで流行したが、今ではあまり見かけなくなった。
- あげぽよ:テンションが上がっていることを表す言葉。「アゲアゲ」の派生形で、若者言葉として使われていたが、現在はほとんど聞かれない。
- 倍返しだ:2013年のドラマ『半沢直樹』のセリフとして社会現象になった言葉。ブームが去り、最近はあまり使われない。
- 今でしょ!:2013年の流行語大賞を受賞した、林修先生のセリフ。教育や広告で一時期よく使われたが、現在は廃れてきている。
- バイナラ:バイバイとさようならを掛け合わせた言葉。1980年代末から平成初期にかけて流行したが、今ではほとんど耳にしない。
- キレる:感情的に怒りやすい若者を指す言葉。平成初期に広まったが、今では死語になりつつある。
- メッシーくん:バブル時代に流行した、女性に食事をおごらされる男性を指す言葉。時代の象徴として使われたが、今ではほぼ使われていない。
- モテ期:人生の中で最も異性からモテる時期を指す言葉。最近ではほとんど使われなくなっている。
- ミツグくん:女性に貢ぎ物をする男性を指す言葉。バブル時代を象徴する言葉だが、現在はあまり使われていない。
- シーメール:1990年代に広まった「メールシステム」の略称だが、現在は「Eメール」に完全に置き換わっている。
昭和と平成をつなぐ業界用語の死語「ザギンでシースー?」
特定の業界で使われていた言葉も、時代とともに消えていくものがあります。中でも逆さ言葉は、昭和から平成にかけて一世を風靡しました。バブル期には、「ザギン(銀座)」や「シースー(寿司)」といった業界用語が飛び交い、それらは当時の時代を象徴するものでした。
- ザギン:銀座を指す業界人の逆さ言葉。特にバブル時代の象徴的な表現でしたが、現在ではほとんど使われていません。
- ギロッポン:六本木を指す業界用語で、ザギン同様、逆さ言葉が流行した時代の名残。今ではほとんど聞かれなくなっています。
- シースー:寿司を意味する逆さ言葉。特にバブル期に業界人が好んで使っていたが、今は使われなくなっています。
- シータク:タクシーを指す業界用語で、特に業界内で広まっていたが、現在では使用頻度が減少しています。
- クリソツ:そっくりという意味の言葉で、メディア業界や広告業界でよく使われたが、今はあまり耳にしない表現です。
- シーメー:食事やご飯を意味する業界用語で、特に夜の業界で流行していましたが、今ではほとんど聞かれません。
- ケツカッチン:予定が詰まっている、時間がないことを意味する言葉。以前は頻繁に使われていたが、今ではあまり使われません。
- パンピー:一般人や業界外の人を指す言葉。以前は業界用語として使われていたが、現在ではほぼ死語となっています。
- スタジオマリオ:セットが豪華な現場や広告撮影を指す表現。かつて広告業界で使われていましたが、今ではほぼ死語になっています。
- ウエイトレス:飲食店で働く女性スタッフを指していましたが、現在は「サーバー」や「サービススタッフ」に置き換わりつつあります。
- パイプカット:人脈や関係を切ることを意味する業界用語で、一時期は使われていましたが、現在ではあまり耳にしません。
- シブヤ109:若者文化の象徴として使われていた言葉ですが、今では業界内でもあまり使われなくなり、死語化しています。
消えてしまった言葉たちの背景とその理由を深掘り
死語となってしまった言葉の背景には、社会の変化や技術革新が密接に関わっています。例えば、携帯電話からスマートフォンへの移行により「写メ」という言葉が消えていったように、日常の道具や環境が変わることで、言葉も消えていくのです。
また、社会的な価値観の変化も大きな要因です。「スチュワーデス」が「キャビンアテンダント」に変わったのも、性別を問わない呼び方が求められるようになったためです。
言葉は時代と共に移り変わる、これからの「死語」は?
今、当たり前のように使われている言葉も、時が経つにつれて消えゆく運命にあります。例えば、SNS用語や若者言葉は、そのスピードが速いことでも知られています。「リア充」や「陽キャ」も、やがては完全に死語となるでしょう。言葉は常に変化しており、私たちが現在使っている言葉もいつかは「懐かしい」と感じる日が来るのです。