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お墓にお供えする物はマナーや周囲へ配慮したものに
ご先祖様やご家族、親戚のお墓参りに訪れる際は、お墓に入っている方々へのお供え物を持参する人が多いでしょう。故人が生前好きだったものなどをお供えすることで、故人を偲び、安らかに眠っていただけるようにという願いを込める意味もあります。
しかし、お墓にお供えするものには、ある一定のルールやマナーがあることをご存じでしょうか。改めてお墓にお供えすべきではないものや基本的なマナーをおさらいしておきましょう。
お墓にお供えすべきではない『4つのもの』
仏教のルールやマナーの観点から、お墓にお供えするものとして不適切なものを確認しておきましょう。
1.殺生を連想させるもの
肉や魚などは殺生を連想させるとして、仏教ではお供えするべきではないと考えられています。お墓へのお供え物としてだけでなく、基本的には仏壇などにお供えするものとしても不適切なので、肉や魚は控えましょう。
2.棘のついた花
菊などの仏花をお供えする人は多いでしょう。故人がお花を愛でていた人ならば、とても喜ばれるはずです。
しかし、棘のついた花は攻撃的なイメージを彷彿させるため、お供え物としてふさわしくないと考えられています。
もしも故人がバラなどの棘のある花が好きだった場合は、棘と取り除いてもらってからお供えするなど配慮しましょう。
3.周囲に迷惑がかかるほど香りの強いもの
通常、お墓は他の世帯のお墓が立ち並ぶ霊園の一画にあります。そのため、周囲のお墓に入っている故人の方々やそのご遺族に迷惑がかからないよう配慮しなければなりません。
周囲に迷惑がかかるほど香りの強いものをお供えしてしまうと、香りが周辺に残ってしまい、後にお墓参りに来た人に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
他にも周囲に花びらが散らばりやすい花なども清掃の手間が増えてしまい、霊園側に迷惑がかかるので、なるべく控えるべきです。
4.五辛に当てはまる食べ物
仏教では、五辛は煩悩を刺激する食べ物として考えられています。そのため、五辛に当てはまる以下の食べ物はお供え物として適していません。
- らっきょう
- ニラ
- にんにく
- はじかみ(生姜や山椒)
- ねぎ
食べ物をお供えする場合も、以上の食べ物や調味料が使われているものは避けるようにしましょう。
お墓にお供えするときに覚えておくべきマナーは?
お墓にお供え物をするときは、以下のマナーを頭に入れておきましょう。
- 最初にお墓の掃除を行う
- お供え物をお墓に直置きする
- お供えした飲食物は持ち帰る
- 飲み物をお墓にかける行為はNG
- お供えしたロウソクや線香は手で仰いで火を消す
- 火がついたままロウソクや線香を放置しない
まずはお墓やお墓周りを掃除して清潔にします。きれいになったお墓にお供え物をするようにしましょう。
お供え物をする場合は、供えるものをお墓の上に直に置くのではなく、敷物をしたり袋に入れた状態で供えます。直置きしてしまうと、せっかくきれいに掃除したお墓が汚れてしまったり、飲食物の油汚れが付着して墓石が劣化する恐れがあるからです。
また、昔は故人が大好きだった飲み物を口にできるように、とお墓に直接飲み物をかける人がいましたが、この行為は墓石を汚して劣化させてしまうため厳禁です。
最後に、火をつけたロウソクやお線香は放置したまま帰ってしまうと火災の原因になることも。必ず火を消してから持ち帰るようにしてください。
お墓には故人が生前に好きだったものを供えよう
いかがでしたか。お墓参りのお供えものに悩む場合は、今回紹介したお供えに不適切なものを避けて、故人が生前好きだったものを選ぶと良いでしょう。マナーを守り、霊園側や周囲のお墓に迷惑のないよう参拝してください。