肉の冷凍保存まとめ!正しい方法や賞味期限、解凍する手順まで

たくさんのお肉

肉を冷凍しておくといざという時に便利です。肉巻き、鳥のから揚げなど、おかずレシピを冷凍保存すれば、解凍してそのまま調理することができます。しかし、保存の仕方が悪いと食中毒細菌が増殖してしまい、古い冷凍肉を食べると場合によっては食中毒になってしまうことも。そうならないために、今回は、肉の正しい冷凍保存の方法や解凍する方法などを紹介します。

肉には「冷凍保存」が吉!

ラップされた肉

家庭用の冷凍庫は、氷点下18ぐらいになるように設定されています。この温度だと、肉についた細菌の繁殖を抑えることができ、肉を腐らせずに長期期間保存することができるようになります。

しかし、ただ冷凍すれば良いというわけではありません。冷凍の仕方が悪いと、菌を繁殖させたり、肉の味が落ちたり、保存期間が短くなったりしてしまい、場合によっては食中毒を引き起こすことも。

肉を美味しく安全に食べるためには、正しい冷凍の仕方が大事になります。

肉を冷凍保存する方法

保存袋に入れた肉

肉の品質を少しでも長持ちさせるためには、正しい冷凍保存のやり方を覚えなければなりません。肉を冷凍保存する方法を紹介しましょう。

サランラップで空気を密封する

食品は空気に長時間触れていると、酸素によって食品が酸化してしまいます。肉が茶色っぽく変色したり、嫌な臭いを発したりするのは酸素の影響です。

食品が酸化すると、品質や味が大きく変化してしまいます。酸化を防ぐためには、空気に触れないようにラップに包んでから冷凍保存をしましょう。

ラップを包む際にクッキングペーパーで水分を拭き取ると、臭いを取ることができます。冷凍保存で大切なのはしっかりと密封すること。ラップだけで食材を包んで保存すると、酸素を通したり、冷凍の際にラップが剥がれてしまったりということも考えられるので、冷凍用の密閉袋を使うのがおススメです。

ジップロックやフリーザーバッグに入れて空気を抜き、ジッパーを締めて酸化を防ぎましょう。肉巻きをジップロックに入れて冷凍保存する時は、肉巻きがくっつかないようにしっかりとすき間をあけて並べ、金属トレーの上に平らに乗せて保存します。

小分けにして冷凍する

小分けの肉

かたまりの状態や、厚みのある肉は冷凍するのに時間がかかってしまいます。

特に家庭の冷蔵庫では食品をゆっくり凍結させる「緩慢凍結」になりやすいので、肉はしっかりと小分けにした方が良いでしょう。できるだけ早く凍らせるためには、「形を小さくする、肉を薄くする」ということが基本です。

鳥のもも肉は使いやすい大きさにカット、ステーキ肉は重ならないように一枚一枚ラップに包み、ひき肉はなるべく薄く平らにしてから冷凍保存しましょう。小分けにして冷凍すると、冷凍時間を短くできるだけでなく、解凍も早いので料理する時に便利です。

下味をつける

肉を保存する時は、下味をつけて冷凍するのがおススメです。

冷凍庫内は水蒸気も凍ってしまうので非常に乾燥しています。野菜などには皮がありますが、精肉の場合は表面を守っているものが取り除かれているので、乾燥の影響を受けやすくなってしまいます。

料理酒や調味液などで肉の表面をコーティングすることにより、冷凍焼けや酸化による劣化を防ぐことができるでしょう。

下味をつけておけば肉が柔らかくなり、味がしっかりとついているので、そのまま調理することができるのもポイントです。簡単な下味方法は、まず、お肉に塩を振り、しっかりと揉みこみます。

そして調味液や料理酒をかけて、ジップロックに入れて冷凍保存するだけでOKです。冷凍する時に塩を使う「塩フリージング」をすれば、食材の余分な水分が抜けるため、鮮度が保たれ、解凍後の食材の美味しさや旨味が増します。

下味をつけて冷凍保存できるレシピはネット上で簡単に入手することができるので、気になる方は調べてみましょう。

冷凍肉の賞味期限はいつまでもつ?

氷肉

家庭で冷凍する肉は1ヶ月ほど保存することができます。家庭用の冷蔵庫は大体-18℃で、これでも十分低温ですが、この温度だとたんぱく質や脂肪が徐々に酸化してしまいます。

また、肉の形状や空気の触れる部分が大きくなるほど酸化が進み、賞味期限は短くなってしまうのです。特に空気が触れる部分が多いひき肉は「2週間」が賞味期限の目安です。自宅の冷蔵庫で冷凍したものは肉の種類にもよりますが1ヶ月、良くて2ヶ月が賞味期限となっています。

半年ぐらい保存した肉は、乾燥、酸化してしまい、食感が悪くなっていきます。肉の周りに霜が付き、風味も落ちてしまうでしょう。冷凍保存すると菌の増殖を抑えることができますが、死滅させることはできません。

また、冷蔵庫を開け閉めしている時に温度が上昇し、細菌が増殖、品質の劣化を招きます。賞味期限から1年以上たった古い冷凍肉を食べると、お腹を壊したり、食中毒になったりするリスクが高まります。

賞味期限を半年、1年過ぎた肉を食べても大丈夫なこともありますが、肉はできるだけ早く使い切ることが大切です。冷凍した日や賞味期限をジップロックに書き込んでおくことで、食材を効率よく、無駄なく使うことができます。

冷凍肉の賞味期限を延ばすには?

焼き肉

賞味期限を延ばす方法で大切なのは、できるだけ新鮮な状態で冷凍するということです。最初から鮮度の悪い肉を冷凍しても、すぐに賞味期限を迎えてしまいます。

冷凍は、良くも悪くも元の状態を維持することが目的です。夏場は短時間で腐敗が進むので、持ち帰ったらすぐに冷凍しましょう。また、冷凍する時間が短いほど賞味期限を延ばすことができます。

できるだけ早く冷凍させるために、肉を小分けにする、トレーの上に置く、冷凍庫を整理しすき間を開けておくなどの工夫が必要です。

冷凍肉を解凍する方法

牛肉

肉を凍ったまま調理すると、火の通りにバラツキが出てしまうので、美味しく調理することができなくなってしまうことがあります。肉を調理する時はしっかりと解凍してから行いましょう。

冷蔵庫で解凍する

肉の理想の解凍方法は、冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍するということです。冷蔵庫は温度が低いため、細菌の増殖を防ぐことができます。

細菌は5~60度で繁殖してしまうため、常温で解凍するのはあまり良くありません。冷蔵庫で解凍すると非常に時間がかかるというデメリットがありますが、ドリップの流出を防ぎ、味が落ちず品質の高い状態で解凍することができます。

氷水で解凍する

冷凍肉をビニール袋に入れて、氷水に浸して解凍する方法もあります。

冷蔵庫での解凍は約6時間~10時間ほど必要になることもありますが、こちらはかかる時間が1時間~2時間半と、大幅に短縮することができるでしょう。似たような解凍方法に、流水で解凍するというものがあります。

水を肉の上に少しずつ垂らして解凍する方法ですが、こちらの方は氷水より温度が高いので、解凍時に肉汁が流れてしまう可能性があります。氷水のやり方ならば肉汁の流出を防ぐことができるでしょう。しかし、氷が溶けると水温が上昇するので、肉汁を逃がさないためにこまめに氷を足すということが大切です。

冷凍肉を半解凍するには?

冷凍肉の解凍

冷凍肉は完全に解凍するのではなく、半解凍をするのがおススメです。

半解凍の状態だと、肉のうまみ成分であるドリップが肉に残っているので、解凍前の状態のように美味しく調理することができます。半解凍は全部解凍するよりも肉の品質が落ちにくいです。

また、肉が凍っていると固くて包丁が入りませんが、半解凍にすることで旨味を逃がさず、周囲は溶けているので包丁が入り作業がしやすくなるでしょう。

冷凍肉を半解凍するには、低温解凍、流水解凍がおススメです。電子レンジを使った急速解凍、冷蔵庫から取り出して放置しておく常温解凍だと、解凍しすぎてしまうことがあります。

半解凍するには、時間がかかりますが冷蔵庫で解凍したり、氷水で解凍したりしましょう。

肉の「冷凍焼け」って?対処法は?

冷凍肉

冷凍焼けとは、長期間食材を冷凍保存した時に起る現象です。密封しなかったり、冷凍庫の開け閉めを繰り返したりすることで、食材の水分が抜けてしまいます。肉が乾燥、油脂が酸化すると、冷凍焼けにより肉がくすんだ暗い色になり、味や食感が変わってしまうでしょう。

冷凍焼けを対処するためには、しっかりと密封し、空気を入れないように保存することが大切です。そして、冷凍庫を開けている時間を少なくし、冷凍庫を低温に保ちましょう。

肉を冷凍保存する時におすすめのグッズ

肉を冷凍保存するためには、アイテムを賢く使うことが大切です。Amazonで購入できる、冷凍保存する時におススメのグッズを紹介しましょう。

ジップロック フリーザーバッグ

ジップロック フリーザーバッグ M 45枚入

フリーザーバッグとは、食べ物を保存する時に使用する袋です。ジップロックのようにチャックがついていることが多いですが、ジップロックよりも厚みがあるので、冷凍庫で長時間保存することができます。

フリーザーバッグを使えば、乾燥や酸化による冷凍焼けを防ぐことができるだけでなく、袋に入れたままでも電子レンジを使用でき、簡単に肉を解凍することができます。ジップロック フリーザーバッグ M 35枚入はたくさん入っているので、色んな肉を冷凍保存することができるでしょう。

食品用ポリ袋 冷蔵・冷凍から湯せんまで

食品用ポリ袋 80枚 冷蔵・冷凍から湯せんまで

食品を冷凍保存する時に使えるポリ袋です。湯煎料理、レンチン料理にも使えるので、下味をつけてから冷凍保存するなど、下ごしらえにも非常に便利。

このポリ袋に食材を入れてからフリーザーバッグやタッパーに入れることで、容器を汚すことがなくなり何度も使用することができます。非常に丈夫なので、冷凍保存中に破けたり、切れたりすることもありません。

冷凍肉にはダメなNG行為

冷凍庫

冷凍肉にダメな行為をしてしまうと、解凍した時に肉の味が落ちてしまうことになります。解凍にはダメなNG行為を紹介します。

ドリップが残っている

肉などを保管している時に、赤い血のようなものが出てくることがありますが、あれがドリップです。

ドリップには水分、たんぱく質、旨味成分が含まれており、そのまま冷凍すると臭いの原因になることがあります。冷凍する前に肉を取り出し、ペーパータオルなどでドリップを拭き取りましょう。肉を買う時は、ドリップが出ていないものを選ぶのがおススメです。

タッパーなどの保存容器で保存

保存容器は、冷凍食品の天敵である空気が入りやすくなってしまいます。食品と容器の間にすき間ができていると、酸化や乾燥を引き起こします。

できればジップロックなど、しっかりと空気が密封できるものが好ましいです。タッパーを使用したい時は耐冷温度を確認しましょう。プラスチックなので凍らせると割れてしまう可能性があります。

正しい冷凍保存の方法を知って美味しい肉をキープしよう

たくさんのお肉

肉の美味しさをキープして、安全に冷凍するためには正しい冷凍保存の方法を知る必要があります。冷凍しておくと便利な肉。

上手に冷凍する方法を覚えれば、たくさん買ったり、余らせたりしても計画的に賢く利用することができるでしょう。すぐに使わないならできるだけ早く冷凍し、食べたい時に解凍して美味しい肉料理をたくさん作りましょう。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る