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ボールペンのインクが途切れる原因
手紙や文章を書いている最中にボールペンのインクがかすれて途切れるとイラッとしますよね。ボールペンで紙にぐるぐる円を書いてみたり、振ったりしてなんとかインクが出たと思ったら、また途切れる…、インクがあるのになぜ途切れるのでしょうか?
ボールペンのインクが途切れる理由はさまざまですが、ボールペンのインクが出ない理由によって対処法も変わります。理由に合わせた方法で対処しなければ逆にインクが漏れるなど悪くなることがあります。
まずは、ボールペンのインクが途切れる原因を見てみましょう。
原因1:インクが古くなって固まっている
ボールペンのインクが古くなると、インクが出たり出なかったり途切れることがあります。インクが古くなるとインクの溶剤が蒸発して乾燥したり、ペン先や芯の中に固まったインクが詰まってしまうことがあります。
インクにも快適温度があります。気温が低く寒い場所にボールペンを保管していると固まりやすいので注意しましょう。
原因2:ボールペン先のボールが傷ついている
ボールペンはペン先のボールを転がしてインクを出しています。ボールが転がらないとインクは出てきません。このボールは見た目は丈夫そうですが、ボールペンを落としたり、強い衝撃があるとボールの表面に傷がつくことがあります。
また、定規にそって線を引いたりすると、ボールが定規にあたって傷がつくことがあります。ボールペンのボールに傷がついたりゴミが詰まるとボールが回転できずにインクを出せなくなりますのでかすれて途切れることがあります。
ボールペンで書いている際、ボールペンを寝かし過ぎると、ゴミが入ったり、ボールをおさえる部品が紙に当たって摩擦し、インクがかすれて途切れる可能性があります。
原因3:インクの芯に空気が入っている
ペンスタンドなどにボールペンのペン先を上にして置いておくと、ペン先とインクの芯の間に空気が入ることもあります。その空気によってインクがペン先に行けず、インクが途切れることがあります。
高い場所に掲示した紙に文字を書いたり、寝転がった体勢でノートを書いたりしただけでも空気が入ることがありますので、ボールペンの向きには気を配りましょう。
原因4:インクの寿命が過ぎていた
ボールペンのインクの寿命は製造から2~3年だと言われています。インクの製造年月日は、芯の中央あたりに記載されていますので確認してみましょう。寿命に近づくとインクが変質し、固まって途切れることがあります。
原因5:インクが残っていなかった
インクの芯のチューブを黒く着色しているものがあります。そのため、まだインクが残っているように見えますが、実はインクが無かったという可能性があります。
原因6:紙がつるつるしている
ボールペンのインクが途切れる原因は、もしかしたら文字を書こうとしている紙のほうにあるかもしれません。ボールペンはペン先のボールが回転してインクが出るため、表面がつるつるした紙だとボールが回転できずにインクがでにくいことがあるのです。
つるつるしている紙には、インクジェット紙やレシートなどに使われる感熱紙などがあります。これらの紙にボールペンで文字を書く時は、0.7~0. 8くらいの太めのペンを使うのがおすすめです。感熱紙は表面にコーティング剤がついており、ボールペンの先につまることがあるので注意してくださいね。
《 ボールペンのインクが途切れる原因 》
- インクが古いから固まっている。
- ペン先のボールが傷ついている。
- インクの芯に空気が入っている。
- インクが寿命。
- インクが無かった。
- 紙がつるつるしている。
ボールペンのインクが途切れたときの7つの対処法
ボールペンのインクが途切れる際の対処法を8つご紹介します。途切れる理由に合わせた対処法を試してみましょう。
対処法1:ペン先をティッシュで拭き取る
ボールペンのインクが途切れる原因がペン先やポールの汚れや詰まりの場合に有効な方法です。ティッシュの上にボールペンでぐるぐる円を描き、ペン先の汚れを取りやすくします。
次にペン先をティッシュでつまむように拭いて汚れやゴミを取り除きます。ただし、力を入れすぎるとポールに傷が付く可能性がありますので注意しましょう。
対処法2:ペン先をタバコのフィルターにねじ込む
ボールペンのインクが途切れる原因がペン先やポールの汚れや詰まりの場合に効果的です。タバコのフィルター(タバコの吸い口)にペン先をねじ込んで、ぐるぐる円を描くよう10~20回ほど回しましょう。フィルターの細かい繊維で詰まったゴミやインクを取り除くことができます。
対処法3:消毒用エタノールでペン先の汚れを落とす
ボールペンのインクが途切れる原因がペン先やポールの汚れや詰まりの場合に効果的です。
消毒用エタノールや除光液をコットンにつけ、ペン先でぐるぐる円を描くよう10~20回ほど回し、新しいコットンやティッシュでペン先のゴミやインクを拭き取ります。アルコール入りのウエットティッシュを使うのも手軽でおすすめです。ウエットティッシュは不織布でできているので汚れも取りやすいですよ。
この方法はボールペンの材質によって変色する可能性がありますので注意しましょう。心配な方はやめてください。
対処法4:輪ゴムを使ってボールペンを振る
ボールペンのインクが途切れる原因が芯に空気が入った場合に効果がある方法です。インクの芯の中に空気が入ってしまった場合、ゴムを使って遠心力で空気を抜く方法があります。
《用意するもの》
- ヘアゴムまたは3本の輪ゴムを束ねたもの
《手順》
- ボールペンのクリップにヘアゴムまたは束ねた輪ゴムをひっかけます。
- ゴムの輪の中に両手の薬指を入れて横に少し広げます。
- そのままボールペンの上下を返して、ぐるぐるゴムを巻いていきます。
- 限界までゴムを巻いたら、ゴムの両端をひっぱれば、勢いよくゴムの間でボールペンが回転します。
この回転の遠心力で空気を抜くことができます。ノックタイプ・クリップ付きボールペン、どちらもOKです。
ゴムを巻いたりするのが面倒だという人は、ビニール袋を使いましょう。ビニール袋にボールペンを入れて振り回すのもとても効果的です。振り回した時の遠心力を使って空気を抜けばインクが出るようになりますよ。スーパーの袋のように取っ手つきの袋がやりやすいでしょう。
《注意点》
この方法はインクが飛び散る可能性がありますので注意しましょう。また、キャップ式のボールペンの場合はキャップを外しておきましょう。
もし、インクが飛び散るのが気になる方は、ボールペンをビニール袋にいれて輪ゴムで止めてから、同じようにゴムで回転させて空気を抜きましょう。
対処法5:ぬるま湯でペン先を温める
ボールペンのインクが途切れる原因がインクの固まりの場合に効果があります。温める方法は次のいずれかを試してみましょう。
- 40℃程度のぬるま湯をコップに入れ、ペン先を4秒~5秒ほど浸します。
- ペン先を30秒くらい手でぎゅっと握って温めたり、息をあててペン先を温めます。
- ドライヤーをあてます。
手で温める、息をあてる方法は出先でボールペンのインクが出ない時でも使える技ですので、ぜひ覚えておきましょう。どちらも道具が不要でとても簡単に試すことができます。
他に、ストーブの前に置いたりライターであぶったりする方法も知られていますが、高温すぎてボールペンが焦げたり破損する可能性がありますのでおすすめしません。ドライヤーを使う場合も温度が高すぎると同様に危険なので、低めの温度設定にして試してみてください。
対処法6:濡らしたティッシュでペン先を拭き取る
水性ボールペンのペン先に固まったインクを濡らしてキレイにする方法です。
水で濡らしたティッシュペーパーやコットの上にペン先をそっと押付けたり転がしながら濡らし、ペン先の水分をティッシュで拭き取ります。すぐ紙にぐるぐる輪を描いてみましょう。インクがまだ出なかった場合、同じ方法を繰り返しましょう。
対処法7:フリクションを冷凍庫で一晩冷やしてみる
この方法は文字をこすると消えることでおなじみのボールペン「フリクション」限定ですが、文字が書けなくなったら冷やすことが効果的です。他のボールペンは冷やすと逆効果ですので、フリクションだけに試してくださいね。
フリクションは温度が65℃以上になると色が消える特殊なインクを使っているので、高温の場所に放置するなどして一度色が消えると常温では復活しません。復活させるためには、-20℃くらいまで冷やす必要があります。
やり方は簡単で、水滴がつかないようにビニール袋などにフリクションを入れ、冷凍庫で一晩放置するだけです。朝になったら袋からフリクションを取り出して自然解凍してみましょう。インクが復活して文字が書けるようになっているはずです。
《 ボールペンのインクが途切れた時の対処法 》
- ペン先をティッシュでキレイにする。
- タバコのフィルターでキレイにする。
- 消毒用エタノールで汚れを落とす。
- ボールペンを振る。
- 40℃程度のぬるま湯に浸ける。
- ペン先を手でぎゅっと握って温める。
- ドライヤーをあてる。
- 濡らす。
- 冷やす。※フリクション限定
ボールペンのインクが途切るのを防ぐ保管方法
ボールペンのインクが途切るのを防ぐために正しい保管方法をご紹介します。
ペン先を下げて収める
ノック式のボールペンの場合、ペン先を下げて収めます。キャップ付きのボールペンの場合、キャップをしっかり閉めておきます。ペン先を出したままだと乾燥でインクが固まりやすくなり、インクが途切れる可能性がありますので必ずペン先はおさめましょう。
ペン立てが無い場合は横向きで保管する
ペン立てに、ペン先を下にして保管します。ペン立てが無い場合は横向きで保管しましょう。ペン先を下にして立てることで、インクの芯に空気が入るのを防ぎます。
高温多湿の場所はNG
高温になる室内、夏場の車内、暖房のそばなど、温度が高い場所でボールペンを保管するのはやめましょう。熱でボールペンの芯などが変形してインクが途切れる可能性があります。直射日光が当たる場所や湿度が高すぎる場所も避けましょう。
また、飛行機にボールペンを持ち込むと気圧の影響でキャップを外したとたんにインクが噴き出すことがあります。気圧が安定しない場所に持ち込む時は注意してください。
ボールペンの替え芯の保管方法
ボールペンの替え芯は、ボールペンの保管と同じように、ペン先を立てるか横にして、高温にならない場所で保管しましょう。
《 ポイント 》
- ペン先を収めて保管する。
- ペン先は下に向けて立てて保存するか、横にして保存する。
- 高温の場所に保管するのはNG。
ボールペンのインクに使用期限はある?
ボールペンには使用期限があります。使用期限が過ぎるとボールペンのインクの溶剤が蒸発し、インクが途切れる場合があります。一般的にボールペンの使用期限は、製造後2~3年程度が目安です。
油性ボールペンの場合は3年程度、水性ボールペンの場合は2年程度、フリクションボール(消えるペンなど)の使用期限は2年です。ボールペンの替え芯には製造年月日が記載されていますので確認しましょう。
使用していないボールペンはインクが固まりやすいため、時々使いましょう。できればインクが古くなる前に使い切ることをおすすめします。
買ったばかりのボールペンのインクが出ないこともある
新しく買ったばかりのボールペンをいざ使ってみようとしたら「インクが出ない、途切れる」ということが稀にあります。
新品なのになぜ?と思うかもしれませんが、在庫として長く保管されていたボールペンは新品にもかかわらず劣化して使えないこともあるんです。
こういった場合は初期不良としてボールペンを交換してもらえるかもしれません。購入した時のレシートを持ってお店に相談してみましょう。
また、使い始めはインクが出るまでに時間がかかることもあります。特に海外ブランドのボールペンは出始めるまでに時間がかかるようなので、しばらくペンを紙に走らせてみてください。
「どれだけペン先を動かしてもインクが出ない!」という時は、もしかしたらペン先についている「樹脂玉」を外し忘れているかもしれません。今一度確認してみてくださいね。
最後に
ボールペンのインクが途切れる原因と対処法をご紹介しましたが、一番やっかいなのは芯に空気が入ることですのでペン立てに必ずペン先を下にして保管しましょう。
どんな方法でも復活できない場合は、残念ですがあきらめて新しいボールペンを買いましょう。意外だったかもしれませんがボールペンには使用期限がありますので、一度にたくさん買うのはおすすめしません。必要な本数のみ購入してくださいね。