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ガトーショコラの保存は常温NG?
見た目はシンプルでもしっとり濃厚なチョコレート感がたまらないガトーショコラですが、保存する際に気を付けなければいけないのは「乾燥」です。
ガトーショコラの品質を保つには水分量が大きく関わっていますので、しっとりしたガトーショコラを常温に置いていると徐々に乾燥して味が落ちてしまいます。
また、常温では傷みやすく日持ちは夏場で1日、冬は2日程度なのですが、なぜ、こんなに賞味期限が短いのでしょうか。
材料に生クリームや卵が混ざっているものを、常温保存にすると雑菌が繁殖して傷みやすいというのがその理由です。ですから、手作りしたものや開封した市販のガトーショコラの常温保存は避け、冷蔵庫で保存し早めに食べ切るようにしましょう。
賞味期限切れかどうかに関係なく、保存する温度の変化でカビが発生する危険性もあるため、暑い季節は気特に気を付けなければいけません。
焼き上がって粗熱が取れたら、すぐに冷蔵庫で保存するようにしてくださいね。
外に持っていく場合も常温で持ち運びせず、必ず保冷バッグや保冷材などで温度管理をしましょう。
その日のうちに食べる場合
焼き上がって粗熱が取れたら、すぐに冷蔵庫に入れて保存したほうが良いのですが、常温でも10℃を下回る冬の間などは2日程度常温保存が可能です。
粗熱を取ってからの方が型から外しやすいのですが、少しでも早く粗熱を取りたい場合には熱いうちに型から外し、網などに乗せて冷ますようにしましょう。
ガトーショコラは冷ますことによって風味が凝縮されて美味しくなります。その日のうちに食べる場合は、できるだけしっかりと冷ますことが重要なポイントですよ!
《 ポイント 》
- 常温に置いていると徐々に乾燥して味が落ちる
- 生クリームや卵を使っているため、常温だと傷みやすい
- 焼き上がって粗熱が取れたらすぐに冷蔵庫で保管する
- 10℃以下の涼しい場所に置ける冬の間などは、2日程度常温保存が可能
ガトーショコラのおすすめの保存方法と保存期間
冷蔵保存が最も適しているガトーショコラですが、日持ちさせて美味しくいただくためには、どんな保存方法があるのでしょうか。
まずはおすすめの「冷蔵保存」の方法と保存期間について紹介していきます。ガトーショコラの美味しさを逃がさずに安全に保存するために、正しい方法を確認してみましょう。
冷蔵庫で保存する方法
手作りのガトーショコラを冷蔵庫で保存する方法は以下の通りです。
- ガトーショコラが焼き上がったらしっかりと粗熱を取って冷ます。粗熱が取れるまでは、ガトーショコラの上に新聞紙を被せるなどして乾燥を防ぎましょう
- 熱が取れたのを確認してから、できるだけ早く切り分ける
- 1つずつに分けてカットしたら、空気を入れないようにラップで包み密閉する
- 冷蔵庫の中、できればお菓子の保存にも適している「野菜室」に入れて保存する
特に重要なステップは粗熱を取ることです。粗熱を十分取らずに冷蔵庫に仕舞うと温度差で結露が生じ、ガトーショコラに水分が付着します。発生した水分はカビや食中毒菌が繁殖する苗床になる恐れがあります。
冷蔵庫に仕舞う前に必ず粗熱は取り除いておきましょう。
手作りのガトーショコラは翌日が食べ頃
手作りした料理は出来立てを食べると美味しいですよね。ところが、ガトーショコラの場合は焼きたてよりも少し時間を置いた方が美味しくいただけます。
粗熱を取った後、冷蔵庫で一晩寝かせることによって余分な空気が抜け、密度の濃いずっしりした食感に変化します。
また、生クリームやバターなどは時間をおくことで全体的になじんでいくので、更にしっとりとした食感に仕上がります。結果、焼き立てよりも作った日の翌日が、最も美味しい食べ頃と言えるでしょう。
ガトーショコラの保存期間
ここではガトーショコラの賞味期限について紹介していきます。
冷蔵庫で保存したガトーショコラの賞味期限は3~5日です。生クリームが加えられているスイーツは一般的に賞味期限が短めですが、ガトーショコラは一度火を通して作る焼き菓子です。
焼くということは焼成の時に水分を飛ばすため、手作りしたお菓子の中でも比較的日持ちする部類に入りますので、適正に冷蔵保存した場合の賞味期限は3~5日程度でしょう。
ちなみに、美味しさなどの品質が保たれる「賞味期限」に対して、安全に食べられる「消費期限」は冷蔵庫で1週間ほどです。手作りのガトーショコラは4日目を超えると、冷蔵保存でも風味はがかなり落ちてしまいますよ。
ブルーム現象に注意
ガトーショコラの表面に白い粉状の物質が付着していた場合、ブルーム現象が疑われます。ブルーム現象とは、溶け出したカカオバターが再度冷却され冷え固まることで白い粉末がチョコレート表面に出現する現象です。
ブルーム現象の白い粉は、カカオバターが再び固まったものなので食べても問題ありません。ただし、チョコレートの風味が損なわれるためガトーショコラの美味しさも減少してしまいます。
ガトーショコラがブルーム現象を起こしてしまう理由としては、急激な温度変化が挙げられます。出来立てで粗熱が抜けきらないガトーショコラをすぐに冷蔵庫に入れることでも発生しやすいです。
ブルーム現象を防ぐためにも、温度が下がり過ぎない冷蔵庫内の野菜室で保存することが推奨されます。
《 ポイント 》
- 熱が取れたのを確認してからカットしラップで密閉する
- 冷蔵庫の中、できれば野菜室に入れて保存する
- 作った日の翌日が一番美味しい食べ頃
- 冷蔵庫で保存したガトーショコラの賞味期限は3~5日
- チョコレート部分の白い粉はブルーム現象である可能性が高い
ガトーショコラの冷凍保存方法と保存期間
ガトーショコラの冷凍保存期間
冷蔵保存したガトーショコラを5日では食べきれない、という時は冷凍保存がおすすめです。乾燥や臭い移りを防ぐためにしっかり密閉して冷凍保存すれば、2週間~1ヶ月程度日持ちさせることができます。
贈り物にするなど、食べるタイミングがわからない場合もあらかじめ冷凍しておくと安心ですよね。冷凍保存では乾燥や冷凍焼けで品質が落ちないように、しっかり密閉した状態で金属トレイに載せるのがポイントです。
金属トレイの上に載せるとガトーショコラに冷凍庫内の温度が伝わりやすく、急速に冷凍できるので劣化を防ぐ事が出来るでしょう。
また、長期間保存していると乾燥や冷凍焼けによって風味が損なわれてしまいますので、期限内でもできるだけ早めに食べるのがおすすめです。
ガトーショコラの冷凍保存方法
ガトーショコラを冷凍保存する手順は以下の通りです。①~③までは冷蔵保存方法と同じで、できるだけ空気に触れないように密閉して、乾燥や冷凍庫内の臭い移りを防ぐようにしてくださいね。
- 焼きあがったガトーショコラの粗熱をとります
- 冷めたら1カットずつ切り分け、ラップで包み密閉します
- ラップに包んだガトーショコラを保存袋に入れます
- 冷凍庫に入れて保存しますが、できれば金属トレイにのせて急速冷凍がおすすめ
冷凍したガトーショコラの解凍方法
冷凍したガトーショコラを電子レンジで解凍すると、味が落ちてしまうのでおすすめできません。
一番良いのは、6時間程度時間をかけて冷蔵庫で低温解凍する方法です。常温で自然解凍すると温度差で水分が出て水っぽくなってしまいますよ。
また、解凍後のカドーショコラをオーブントースターで軽く焼くと、焼き立てに近い食感が楽しめるでしょう。
《 ポイント 》
- しっかり密閉して冷凍保存すれば、2週間~1ヶ月程度日持ちできる
- 贈り物にする場合もあらかじめ冷凍しておくと安心
- 乾燥や冷凍庫内の臭い移りを防ぐ
- 6時間程度時間かけて冷蔵庫で低温解凍する
- 解凍後オーブントースターで軽く焼くと、焼き立てに近い食感が楽しめる
ガトーショコラの賞味期限切れ
賞味期限が過ぎたガトーショコラはどのように変化するのでしょうか?では、腐ったガトーショコラの特徴を紹介していきます。
焼き菓子の部類に入るガトーショコラは比較的日持ちしやすく、加えて材料のチョコレートにはポリフェノールが含まれているため抗菌作用が期待できます。
賞味期限が切れたガトーショコラの「臭い」
色が濃いガトーショコラは腐っているかどうかを見た目で判断しにくいので、匂いをチェックしてみましょう。
賞味期限が切れてガトーショコラが傷んでくると、材料の生クリームやチョコレートの油分が酸化し、古い油に似た酸っぱい臭いがしてきます。
品質をチェックしたいのなら、まずは匂いをしっかりと嗅いでみましょう。
賞味期限が切れたガトーショコラの「味」
ガトーショコラは砂糖が多く、水分が少ない焼き菓子です。そのため腐るというよりは劣化が始まると酸化しやすい傾向があります。
材料として使用したバターやチョコレートの油脂が酸化し、古い油で調理した揚げ物のような強い酸味のある味に変化します。口に入れた時に少しでも異変を感じたら、食べないようにしてくださいね。
賞味期限が切れたガトーショコラの「見た目」
ガトーショコラの賞味期限が切れて劣化すると、表面にカビが発生することがあります。特に、常温保存と冷蔵保存を繰り返した場合、その温度差で水分が出てしまうことが原因でしょう。
水分はカビにとって大切な苗床。本来、水分が少なくカビが生えにくいチョコレートやガトーショコラであっても繁殖できる条件が整ってしまいます。
また、パウダーシュガーをトッピングしている表面は水分を吸収しやすく、カビが生えやすくなってしまいます。
白カビとブルーム現象の違い
チョコレートの表面に白い粉が出現するブルーム現象と白いカビはパッと見の状態が似ています。
ブルーム現象によって発生した白い粉の場合、指でなぞったり、水滴を垂らすことで粉が見えなくなります。また異臭がすることもありません。
一方、白カビの場合は疑わしい箇所に胞子状の物体が出現し大き目な斑点が大小問わず複数出現します。青カビも出現している場合は一目で食べてはいけないと分かります。カビ特有の異臭も放っていることから容易に危険なカビであることが判断できます。
とはいえ、どうしても自分の判断に自信が持てないという方は、無理に食べず破棄された方が無難といえます。
《 ポイント 》
- チョコに含まれているポリフェノールは抗菌作用が期待できる
- 色が濃いガトーショコラは見た目より臭いで判断する
- 材料の生クリームやチョコレートの油分が酸化し、酸っぱい臭いがする
- バターやチョコレートの油脂が酸化し強い酸味のある味に変化する
- パウダーシュガーをトッピングしている表面はカビが生えやすい
- ブルーム現象による白い粉の場合は臭い匂いはなくなぞったりすると消える
最後に
ガトーショコラの保存方法と保存期間について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
一番おいしい食べごろは作った日の翌日です。一晩寝かせることによって余分な空気が抜けて、ずっしりとした密度の濃い食感に変化します。また、生クリームやバターなどが時間をおくことで全体的になじむので、更にしっとりとした食感に仕上がります。
おすすめするガトーショコラの保存方法として、冷蔵庫に入れてしっかり保存ができれば、賞味期限は作った日から3~5日程度です。
また、冷凍保存するとより長く日持ちすることがわかりました。しっかり密閉して正しく冷凍保存すれば、腐らせることなく2週間~1ヶ月程度日持ちさせられますが、期限内でもできるだけ早めに食べるようにしましょう。
正しく保存して美味しく安全にガトーショコラを楽しんでみてはいかがでしょうか。