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刺身は冷凍保存しても大丈夫?
刺身は冷凍に不向き
刺身は特に新鮮さを保つことが大切ですので、保存日数は他の食材に比べてとても短いです。
冷蔵保存の場合でも、マグロやぶりなどの大型の魚はだいたい3日以内、ヒラメやタイなどの白身魚は2日以内、アジやサバなどの青魚は当日中に食べるのが基本です。
そして、刺身の冷凍保存は、おすすめはできませんが、アジやサバなどの青魚以外の刺身のブロック、柵の状態であれば冷凍できます。
火を通して使えば冷凍保存は可能
アジやサバなどの青魚は、鮮度が落ちるのが他の魚に比べて早いと言われていますので、青魚の刺身の冷凍保存は極力やめて、どうしても冷凍保存する時は、加熱してから食べるようにしましょう。
切ってある刺身を冷凍する時は、みりんや醤油、味噌などの調味料に浸けるレシピを参考にして下処理を行い、火を通して食べることをおすすめします。火を通して使う場合には、どの刺身でも冷凍保存は可能です。
刺身の冷凍保存が良くない理由
切ってある刺身は劣化が早い
柵ではなく、切って売られている刺身は、空気と触れる面積が広く、酸化しやすくなっています。そのため、雑菌もつきやすく、細胞が切断されている部分が多く劣化が早いので、冷凍には不向きです。
買った刺身を冷凍することは再冷凍になる
自分で釣った魚は別として、スーパーなどで購入してくる刺身は、一度冷凍してから運ばれて、店頭に並ぶ前に解凍している刺身が多いそうです。
その刺身を買って家で冷凍保存をすることは、再冷凍となります。冷凍することで、細胞が壊れ、水分や栄養素は出やすくなって味がどんどん落ちてしまいます。
現在では、業者の冷凍保存の技術や輸送技術が進んでいるため、冷凍した刺身も生の刺身に引けを取らない美味しさを保てるとも言われています。ただし、家庭の冷蔵庫での冷凍保存とは温度も方法も異なるので、家での再冷凍はあまりおすすめできません。
冷凍保存してもOKな刺身もある
冷凍するのであれば、柵になっている刺身をそのまま冷凍しましょう。また、イカやタコなどの刺身も冷凍できます。イカの刺身は、冷凍することでより甘みが増すとも言われています。
冷凍保存する場合は、パックのまま保存するのではなく、出てきた水分(ドリップ)をしっかりとキッチンペーパーなどで取り除くドリップ処理を行ってから冷凍してください。
刺身の正しい保存方法
サンマ
1尾ずつ冷凍する場合
頭と内臓を取り除き、流水で洗います。キッチンペーパーなどでしっかりと水気を切ったら、1尾ずつラップで空気が入らないよう包みます。ジッパー付き保存用袋に入れて冷凍します。
3枚おろしで冷凍する場合
頭と内臓を取り除き、流水で洗います。キッチンペーパーなどで水気を切り、3枚におろしたら1枚ずつラップで空気が入らないよう包みます。ジッパー付き保存用袋に入れて冷凍します。
塩焼きで冷凍する場合
頭と内臓を取り除き、流水で洗います。キッチンペーパーなどでしっかりと水気を切ったら、振り塩をして焼きます。冷めたら1尾ずつラップで空気が入らないよう包み、ジッパー付き保存用袋に入れて冷凍します。
冷凍保存できる期間
サンマは保存できる期間は刺身であれば当日中、加熱調理の場合は2~3日冷蔵保存ができます。サンマを冷凍する場合は、刺身用ではなく焼き魚など加熱して食べましょう。その場合の保存期間は、正しい方法で保存すれば3週間~1ヶ月程度は冷凍保存ができます。ただし、臭いや見た目に異変があった場合は、期間内であっても食べるのは控えてください。
サーモン
刺身を柵のまま保存する場合
刺身の水分をキッチンペーパーなどで優しく挟み、取り除きます。ラップで空気が入らないよう包み、その上からアルミホイルで包みます。ジッパー付き保存用袋に入れて冷凍します。
切ってある刺身を漬けにして冷凍する場合
漬けダレ「醤油:酒(麺つゆ):みりん=2:1:1」をつくり、切ってある刺身と一緒にジッパー付き保存用袋などに入れます。袋のままアルミホイルで包み、なるべく真空状態にして冷凍します。
冷凍保存できる期間
刺身の場合は1週間程度の冷凍保存が可能ですが、火を通して使うのであれば1ヶ月程度は冷凍保存ができます。ただし、臭いや見た目に異変があった場合は、期間内であっても食べるのは控えてください。解凍後は火を通した食べ方をおすすめします。
鯛
刺身を柵のまま保存する場合
刺身の水分をキッチンペーパーなどで優しく挟み込み取り除きます。ラップで空気が入らないよう包み、その上からアルミホイルで包みます。ジッパー付き保存用袋に入れて冷凍します。
1尾ずつ冷凍する場合
うろこやえら、内臓を取り除き、流水で洗います。キッチンペーパーなどでしっかりと水気を切ったら、1尾ずつラップで空気が入らないよう包みます。ジッパー付き保存用袋に入れて冷凍します。
冷凍保存できる期間
刺身の場合は1週間程度の冷凍保存が可能ですが、火を通して使うのであれば1ヶ月程度は冷凍保存ができます。ただし、臭いや見た目に異変があった場合は、期間内であっても食べるのは控えてください。解凍後は火を通した食べ方をおすすめします。
ホタテ(むき身)
サッと下ゆでをしてから、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。1つずつラップで空気が入らないよう包み、その上からアルミホイルで包みます。ジッパー付き保存用袋に入れて冷凍します。
冷凍保存できる期間
ホタテの刺身は当日中に食べるようにして、残った場合は早目に冷凍保存するのがおすすめです。下茹ですれば2日は冷蔵保存ができます。
ホタテの刺身を冷凍する場合は、下茹でした状態であれば3週間~1ヶ月程度は冷凍保存ができます。ただし、臭いや見た目に異変があった場合は、期間内であっても食べるのは控えてください。
サバ
丸ごと買ってきたとき
3枚おろしにして、切り身します。塩をふりかけしばらく置くと水分が出ますので、キッチンペーパーでしっかりとふき取ります。1枚ずつラップで空気が入らないよう包みます。ジッパー付き保存用袋に入れて冷凍します。
冷凍保存できる期間
サバは青魚のため、サンマと同じように保存できる期間は刺身であれば当日中、加熱調理の場合は2~3日冷蔵保存ができます。サバを冷凍する場合は、刺身用ではなく煮魚や焼き魚など加熱して食べましょう。
その場合の保存期間は、正しい方法で保存すれば3週間~1ヶ月程度は冷凍保存ができます。ただし、臭いや見た目に異変があった場合は、期間内であっても食べるのは控えてください。
刺身を冷凍するには?注意点は?
ドリップ処理を行う
冷凍保存する場合は、買ってきたパックのまま保存するのではなく、出てきた水分(ドリップ)をしっかりとキッチンペーパーなどで取り除くドリップ処理を行ってから冷凍しましょう。ドリップ処理を行わないと、生臭くなり水分が多いことで傷みやすく、味も落ちやすくなります。
低温で冷凍して、庫内の温度を上げないようにする
冷凍する時は、急速冷凍機能があれば利用したり、アルミトレイを使うなどできるだけ早く低温で冷凍するようにします。また、冷凍庫の開け閉め回数や、開けている時の時間にも注意して、庫内の温度が上がらないようにしましょう。
冷凍刺身を解凍する方法
自然解凍方法
冷凍保存したサーモンなどの柵の刺身は、刺身から出るドリップはキッチンペーパーなど取り除きます。新しいキッチンペーパーで包み、ラップをして、冷蔵室でゆっくりと自然解凍するのがおすすめです。6時間から半日くらいかけてゆっくりと解凍させましょう。
氷水解凍、流水解凍方法
時間を短縮したいときは氷水解凍、流水解凍がおすすめです。ボウルに氷水を入れて、その中で保存用袋ごと解凍させる氷水解凍は1~3時間で解凍できます。
解凍後にぬめりや変色、すっぱい匂いなどの刺身は食べない
解凍後、保存期間内であっても、ぬめりが強かったり、変色していたり、すっぱい匂いがする、生臭さが強くなっている、など悪くなっている刺身は食べないでくださいね。また、適した解凍方法は季節や魚の種類によっても変わります。
ドリップ処理には保鮮シートを使うと便利ですよ。
まとめ
刺身は一度冷凍して出荷されているものが多いので、家庭では冷凍しないほうが美味しく食べられるのですね。専門業者の冷凍は、家庭用の冷蔵庫違って、低い温度で急速冷凍しているので、美味しさが保てるようです。
美味しく刺身を食べるには買ってきて、できるだけ早く食べるようにして、冷凍保存する場合は、解凍後は加熱して食べるほうが良いようですね!