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しいたけの裏が黒いのは腐っている?
しいたけの傘の裏が変色して黒い場合、それは鮮度が落ちたサインです。
鮮度が落ちてきたとは言え食べる分には問題ありませんが、黒いのが気になるようであれば煮物や濃い目に味付けしたおかずの具材として使うといつも通りに食べることができるでしょう。
しいたけはカロリーが少なく、食物繊維やミネラル、ビタミン群などが豊富に含まれていて、美容や健康に効果的なきのこです。
その一方で、意外に日持ちしにくく冷蔵庫に入れていても1~2週間で変色が進み、しまいには食べられなくなってしまいます。
傘の裏側のひだ部分に茶色の点が出始めると、少しずつその茶色が黒くなり、だんだん範囲が広がっていきます。
しいたけの傘の裏が黒く変色する原因
傘の裏が変色して黒いのは「酸化」と「腐敗」が原因です。
密封して酸素が少ない環境だと酸化酵素が働くことができないので、変色を防げるように思えるのですが、酸素不足だと腐敗を引き起こすバクテリアが増殖して腐りやすくなってしまうのです。
「酸化」と「腐敗」、この二つの原因を防ぐには、冷蔵保存が効果的ですが、個体差や湿度によってバラつきがあり、変色を完全に防ぐのは難しいとされています。
多湿と酸化
湿度や温度が高い場所にしいたけを置いておくと変色しやすくなります。全体の90%以上が水分でできている生のしいたけは、収穫後も呼吸をしながら水分を排出しています。
密閉されたパックやビニール袋に入っているものは通気性が悪く、「多湿」と「酸化」が起こり腐りやすくなってしまいます。特に、容器の中で重なっているしいたけは、内側の部分からより早く腐り始めます。
胞子を飛散し、きのことしての役割を終えたから
ご存じのように、しいたけは「菌」でできています。しいたけの傘が開くのと同時にひだが開き始め、中の胞子が飛散します。
その胞子が飛散し終わると、しいたけはきのことしての役割を終えて徐々に茶色から黒に変色し腐っていくのです。
《 ポイント 》
- 変色して黒いのは鮮度が落ちたサイン。
- 湿度や温度が高いと多湿と酸化が起こり腐りやすい。
- 胞子が飛散し終わると役割を終えて腐り始める。
しいたけが黒くならない保存方法
しいたけの傘の裏が変色して黒いのは鮮度が落ちたサインですが、もともとしいたけは湿気にも乾燥にも弱いとてもデリケートな食材です。
そんなしいたけが黒く変色するのを防ぐ保存方法には、どんなものがあるのでしょうか。
傘を下に向けて胞子が出るのを防ぐ
店頭で売られているパック詰めのしいたけは、傘を下に向けて並べられていますよね。
傘を下にすると新たに胞子が出るのを防ぎ長持ちする効果がありますので、ご家庭で保存する時も同じように傘が下で軸が上を向くようにして保存しましょう。
その際、空気に触れないよう密閉すると劣化しにくくなります。
しいたけを常温保存する
しいたけを常温保存する際の具体的な方法やポイントなどを説明します。
ジッパー付きの保存袋など密閉できる袋に入れ、乾燥剤があれば一緒に入れるようにします。乾燥材を袋の中に入れるのは、しいたけが水気や湿気を嫌うためです。
湿気の少ない風通しのよい冷暗所で傘を下にして保存すると、夏場は約1~2日、冬場であれば3~4日を目安に保存できるでしょう。
しいたけを冷蔵保存する
購入した未開封のパックをそのまま冷蔵保存すると、しいたけから出る水分が原因で傷みやすくなってしまいます。
すぐに調理するのであればパックのままでも良いのですが、日持ちさせるのでしたらパックから取り出し、空気になるべく触れないように注意して冷蔵保存すると良いでしょう。
開封したしいたけを冷蔵保存する場合は、キッチンペーパーなどに包んでからジップロックに入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
キッチンペーパーなどの紙で包むのは、冷蔵庫の冷気に当たることでしいたけから出てくる水分を吸収させるためです。
これらのポイントを意識して冷蔵庫で保存した場合の賞味期限はおよそ1週間が目安でしょう。
しいたけを冷凍保存する
栄養価の面でも保存期間の面でも、最もおすすめなのは「冷凍保存」です。
日本きのこセンターによると、1ヶ月冷凍保存したしいたけの方が、生のものより食感が良く美味しいと感じる人が多かったという研究結果があるのだとか。
確かに、しいたけを含むきのこ類は、一度冷凍することでうま味成分や栄養価がアップするようです。冷凍する手順は、石づきを取り除いたしいたけを洗わずに、水分が付いていたら拭き取ります。
それをラップで包み、ジップロックに入れて空気を抜きます。こうすることで、約1ヶ月間は美味しさを損なわずに冷凍保存することができるでしょう。
ちなみに、食べやすい大きさにカットしてから冷凍保存すると解凍に時間がかからないうえに、鍋や炊き込みごはんには解凍せずにそのまま使えて便利ですよ。
干ししいたけにする
生しいたけを乾燥させて「干ししいたけ」にする方法もあります。作り方はとても簡単です。
石づきを取ったしいたけを、丸ごとまたはライスしてからザルなどに入れて日当たりの良い場所で2~3日干します。丸ごと干す場合は、縮まないように傘を下に向けて干してくださいね。
《 ポイント 》
- 傘を下にすると胞子が出るのを防ぎ長持ちする。
- 常温保存にする際、乾燥剤があれば一緒に入れる。
- 冷蔵保存は紙に包んでからジップロックに入れ野菜室で保存する。
- 栄養価の面でも保存期間の面でもおすすめなのは冷凍保存。
- 日当たりの良い場所で2~3日乾燥させて干ししいたけにする。
しいたけの賞味期限
先のしいたけの保存方法でも紹介してありますので重複しますが、賞味期限についてわかりやすく解説しましょう。
しいたけには賞味期限が表示されていない
きのこ類には賞味期限の表示が義務づけられていないので、店頭に並んでいるしいたけには賞味期限が表示されていません。
これは野菜にも言えることなのですが、成長の個体差が大きいのと成熟の度合いによって好んで食べる時期に個人差があるため、一定の賞味期限を設けるのが難しいというのが理由のようです。
ある意味、黒い部分がどこまで広がっているかが賞味期限の判断基準とも言えます。ちなみに、一般的な生しいたけの賞味期限の目安は、
- 常温保存は2~3日。
- 冷蔵保存は約1週間。
- 冷凍保存は約1ヶ月。
季節によっては賞味期限がもっと短くなるので、しいたけの状態をよく観察して食べられるかどうかを見極める必要があります。
また、すでにカットされている場合は、変色するのが早く直ぐに悪くなってしまいます。
生しいたけには毒があるため加熱する必要がある
生しいたけには「ホルムアルデヒド」が含まれているため、大量に摂取すると胃腸を荒らしたり皮膚に炎症を起こすことがあります。しかし、これは加熱するとによって分解されてなくなります。
特に、秋に収穫したものにはホルムアルデヒドが多く含まれているので、十分に加熱してから食べるようにしましょう。
《 ポイント 》
- きのこ類には賞味期限の表示が義務づけられていない。
- 常温での賞味期限は2~3日、冷蔵保存は約1週間、冷凍保存は約1ヶ月。
- ホルムアルデヒドが含まれているため、十分に加熱してから食べる。
腐ったしいたけの見分け方
傘の断面の内側まで黒い
しいたけの傘の裏にある黒い部分が、どこまで広がっているかを確認しましょう。
黒い点がまばらだったり、ひだに薄く出ている程度ならそのまま食べても大丈夫ですが、傘をカットした断面にまで黒い変色がある場合は、食べずに処分しましょう。
ぬめりがある
しいたけの傘を触ったときにぬめりを感じたら、かなり腐敗が進んでいると思って間違いありません。ぬめりが少しでもあれば食べられる部分はありませんので速やかに廃棄しましょう。
臭い
しいたけが酸化すると酸っぱいような刺激臭がしてきます。軽い刺激臭で表面も中身も黒くなっていないのであれば、しいたけを加熱することで刺激臭を抑えられるので食べやすくなります。
けれども、強い刺激臭を放ちカットした断面まで黒い場合は完全に腐っているので廃棄してください。
また、しいたけからカビ臭が漂っている場合は、目で見て分からなくてもカビが発生していると思われます。時々、傘の表面にふわふわした白いカビのようなものが付いていることがありますが、これはしいたけの菌糸なので食べてもかまいません。
ですが、緑や青い色がついている場合は有害なカビなので、食べると食あたりなどを起こしてしまいます。これくらいなら大丈夫と過信せずに、敏感な体質の方は特に注意してくださいね。
石づきは黒くても食べられる
しいたけの軸の先の部分、収穫前の地面や原木についていたところを石づきといいます。
硬くて食感が悪いので利用できないイメージがありますが、出汁をとるのに適しているのでぬめりや臭いがなければ根本から切り落として活用してみてはいかがでしょうか。
《 ポイント 》
- 傘をカットした断面まで黒く変色している。
- ぬめりを感じたら、腐敗がかなり進んでいる。
- 強い刺激臭やカビ臭を放っている。
- 出汁をとるのに適している石づきは黒くてもぬめりや臭いがなければOK。
最後に
しいたけの傘の裏が変色して黒いのは、鮮度が落ちたサインだったのですね。
野菜やしいたけを含むきのこ類には賞味期限の表示が義務づけられていないので、この記事で紹介した「腐ったしいたけの見分け方」を参考に、食べられるかどうかを判断しましょう。
しいたけを保存する場合、「多湿」と「酸化」が大敵なので、それを踏まえたうえで変色しにくい方法で保存するようにしてください。
一番手軽なのは賞味期限が約1週間の「冷蔵保存」ですが、大量のしいたけが手に入った時には、栄養価の面でも保存期間の面でも「冷凍保存」がおすすめです。
また、乾燥させて「干ししいたけ」にすると、乾物として長期間保存できるので、いつでも香り良し!味良し!の美味しいしいたけを頂くことができますよ!