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パイナップルの食べ過ぎは体に悪い?
南国のイメージそのもののパイナップルは、美味しくてお子様から大人まで大人気の果物です。いつでも買うことができるので、毎日でも食べたいフルーツですが、体に悪い影響があるのか調べてみました。
体を冷やして血行を悪くする
昔から夏の季節に美味しい果物には体を冷やす作用があると言われています。中でも南国のトロピカルフルーツはその傾向が強く、パイナップルも例外ではありません。
年間を通して食べることができるとはいえ、寒い時期にパイナップルを食べるとよけいに体を冷やすことになってしまいます。
日頃から体の冷えを意識している冷え性の方にとってパイナップルは体に悪いフルーツになります。冷え性が酷い方は冷やしたパイナップルを食べるのは避けるようにしましょう。
血圧を下げる
内臓が冷えてしまうとお腹が痛くなるばかりでなく、血圧を下げる作用も働くため、低血圧の方や血流が悪くなると影響を受けやすい妊婦さんは注意する必要があります。
パイナップルに含まれているカリウムは、高血圧の方には良い効果があるのですが、日頃から低血圧気味だと、さらに血圧を下げしまう可能性があるため気をつけなくてはいけません。
血圧が下がると立ちくらみが増えたり疲れやすくなったりすることがありますので、体に負担をかけないためにも、1日の摂取量を守って食べるようにしましょう。
口の周りがただれることもある
パイナップルを食べで腹痛を起こす原因は他にもあります。それは「ラテックスアレルギー」といって、ゴムに対してアレルギーを持っている人は、まれに果物に対してのアレルギーを併発することもあるようです。
パイナップルを食べると体調が悪くなるという方は、一度ゴムに対してアレルギーがあるのかを調べてみると良いかもしれませんね。
口の周りがただれたり、皮膚に発疹などのトラブルが起きる方は、病院で受診する際に申し出るとアレルギー検査をしてもらえます。
カロリーや糖質
「果物は体に良い」というイメージがありますが、食べる上で気になるのがカロリーや糖質ではないでしょうか。
ほとんどの果物は糖質を多く含んでいるため、食べ過ぎると血糖値が高くなったり、肥満の原因になってしまいます。
その点、パイナップルのカロリーは100gあたり約53kcalと、バナナ1本が約およそ80kcalなのに比べるとそれほど高くありません。
糖質も100gあたり約11gと、果物の中では低めなので、一時期、パイナップルダイエットがブームになったこともありました。
ちなみにオレンジや、りんご、ぶどうなど他の果物は40〜60kcalなので、パイナップルのカロリーはそれほど高いわけでも、低いわけでもないんですね。
ただし、比較的少ないとはいうものの、カロリーや糖質を含んでいることに変わりありません。
パイナップルを食べ過ぎると舌がヒリヒリする
生のパイナップルには、たんぱく質を分解する「ブロメライン」という酵素が含まれています。
パイナップルを食べ過ぎると舌がヒリヒリすることがありますが、この「ブロメライン」が舌の表面を覆うたんぱく質を溶かしてしまうからなのです。
実際に舌が傷ついているわけではありません。口の中では絶えず唾液が分泌されているため、酵素で溶かされたたんぱく質はすぐに復活します。
ところが、大量に食べ過ぎるとブロメラインが食道や胃腸などを刺激し、消化器系の粘膜を傷つけてしまうこともあるようです。
特に、皮部分に緑色が残っている完熟していないパイナップルにはブロメラインが豊富に含まれているため、この成分を利用して酢豚など調理に使う肉を柔らかくするのにパイナップルを用いることがあります。
また、パイナップルには「シュウ酸カルシウム」という成分も含まれており、こちらも食べ過ぎると口の中を荒らしてしまうことがあるので注意しましょう。
《 ポイント 》
- 体を冷やす作用がある。
- 血圧を下げるため、低血圧の方や妊婦さんは注意が必要。
- 他の果物に比べてカロリーや糖質はそれほど高くも低くもない。
- 食べ過ぎると酵素の働きで舌がヒリヒリする。
パイナップルの缶詰は体に悪い?
新鮮な生のパイナップルは美味しいですが、常温で長期保存ができる缶詰めを利用している方も多いようです。とても便利な缶詰なのですが、「果物の缶詰めは体に悪い」というイメージがあるのも確かです。
なぜ、そう思われているのか調べてみました。
シロップが体に悪い?
その理由として最初に考えられるのは、缶詰めに入っているあま~いシロップでしょう。
当然、糖分が多く含まれていますので、たくさん摂取すればそれだけ高カロリーになってしまい、健康への影響が気になってしまいます。糖尿病を患っている方は避けた方が無難でしょう。
塩酸で皮を溶かしているが心配ない
実は、パイナップル缶が体に悪い理由は別にあるのです。
きれいに剝がされたパイナップルの皮、実はこれ塩酸を使って溶かされているんです。缶詰めのみかんの皮もそうですが、残っていることなくきれいに剥かれていますよね。
塩酸は缶に詰められるまでに完全に揮発してなくなっているので心配ないのですが、万が一シロップに塩酸が残っているかもしれない…と不安に感じる方もいることから、缶詰のシロップが体に悪いと思われているのでしょう。
缶詰めの内側にスズを使っていたことがある
缶詰めの内側にスズをメッキしたものが使われていた時期がありました。スズは体内で吸収されるのではなく排出されるので心配ないのですが、シロップに溶け出したスズが体に悪いと思い込まれていたようです。
缶詰のパイナップルは舌がヒリヒリしない
パイナップルを食べ過ぎると、舌がヒリヒリするとお伝えしましたが、その原因であるブロメラインという酵素は熱に弱いため、加工段階で熱を加えられている缶詰では作用しません。
60℃以上に加熱処理されたものは、どんなに食べても舌がヒリヒリすることはないのです。電子レンジで加熱したものや、焼きパイナップルでも舌のヒリヒリ感を回避することができます。
栄養面では大きな差はない
熱を加えられた缶詰めのと生のパイナップルの栄養素を比べたとき、最も大きな違いは熱に弱い酵素とビタミンCです。
缶詰めだと栄養価が落ちてしまっていると思われがちですが、熱に強い食物繊維やビタミンEは、加工されても残っていますので、生でも缶詰めでもさほど差がないと思って良いでしょう。
《 ポイント 》
- 缶詰の甘いシロップは健康への影響が気になる。
- 皮を溶かす塩酸は完全に揮発するので心配ない。
- 缶詰めに使っていたスズが体に悪いと思われていた。
- 熱に弱い酵素とビタミンC以外の栄養素はそれほど差がない。
パイナップルの体への良い効果
パイナップルの食べ過ぎによる影響を並べると、体に悪い印象を受けてしまうかもしれませんが、デメリットばかりではありません。パイナップルを食べることでどんな効果があるのかを見ていきましょう。
ビタミンB1により疲労回復効果
パイナップルの中に含まれる糖質は、「ショ糖」「ブドウ糖」「果糖」で、これらは分解されることで疲労回復の効果があると期待されています。
また、「ビタミンB1」と「クエン酸」は糖質を分解してエネルギーに変えてくれますので、運動をして代謝を上げることで太りにくい体質にしてくれます。
糖質の代謝を良くしてエネルギーに変換してくれるということは、体重管理が必要な方にぴったりのフルーツでしょう。
整腸作用によりダイエット効果
「パイナップルダイエット」というダイエット方法があることからからわかるように、整腸作用があるパイナップルはダイエットに最適です。
パイナップルに含まれている食物繊維が便をスムーズに促してくれるので、便秘に悩んでいる女性におススメです。同時に大腸癌の予防にも繋がるでしょう。
抗酸化作用で美肌効果
パイナップルに含まれているビタミンAとビタミンCは、抗酸化作用により美肌を保ってくれる効果とストレスや風邪などの病気から守る働きがあります。特にビタミンCは肌のしみやシワを防ぎ、肌の潤いをキープしてくれるセラミド成分が含まれています。
《 ポイント 》
- 疲労回復や謝を上げることで太りにくい体質に。
- 整腸作用がありダイエットに最適。
- 美肌効果とストレスや風邪などの病気から守る働きがある。
パイナップルのおすすめの食べ方と食べる量
1日の摂取量の目安
パイナップルの1日の摂取量は約100gで、カットされたもので6切れほどでしょうか。100g中のカロリーは50kcalとそれほど多いわけではなく、ビタミン類も豊富なので舌がヒロヒリと痛まない程度に食べるようにしましょう。
食べ過ぎなければ体に良い果物なので、1日の摂取量を守って食べてくださいね。
生のまま食べるが一番
胃液の分泌促し消化を助けてくれるプロメラインは、60℃以上で加熱すると酵素の効果が落ちてしまいます。よって、パイナップルの効果を落とさずに食べたい方は、熱を加えずに生で食べると良いでしょう。表面の皮がしっかり黄色く色づき、甘い香りがしてきたら食べ頃です。
朝は効率良く摂取できる
朝バナナなどと同じように、パイナップルを効率よく食べるのにおすすめの時間帯は「朝」です。パイナップルが持っている解毒作用を活かし、排泄の時間帯と重なる朝食がピッタリでしょう。
食事制限中だからと朝食を抜いている方には、カロリーをセーブした食事としてもおすすめです。
パイナップルヨーグルト
舌がヒリヒリ痛くならない程度に生のパイナップルを効率よく食べる方法として、牛乳やヨーグルトと一緒に摂取するのがおすすめです。
パイナップルを細かく切ってヨーグルトに入れるだけで、簡単にパイナップルヨーグルトが完成します。生のままで酵素を取り入れつつ、ヨーグルトの乳酸菌と合わせて体の調子を整えましょう。
《 ポイント 》
- 1日の摂取量は約100g、カットしたもの6切れほど。
- 酵素の効果は60℃以上の加熱が落ちてしまう。
- 皮がしっかり黄色く色づき、甘い香りがしてきたら食べ頃。
- 効率よく食べるのにおすすめの時間帯は朝。
最後に
パイナップルは南国系のフルーツのため、体を冷やす性質があります。血圧を下げる作用もあるため、低血圧の方や妊婦さんにとっては体に悪い可能性がありますので注意が必要です。
一方で、パイナップルには酵素やビタミン類、食物繊維が豊富に含まれているため、毎日6切れを食べると、健康にも美肌作りにも効果があることがわかりました。
どんな食べ物でも大量に食べ過ぎると健康に悪影響を及ぼします。パイナップルは量を守れば毎日食べて大丈夫なので、1日の適量を守って上手に取り入れてみてはいかがでしょうか!