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灯油をこぼした時に水で流すのはNG!
ベランダで暖房器具に給油中、うっかり灯油をこぼしたことがあるのですが、とっさに水で流すことしか思いつかず、灯油をこぼした部分にジャージャー水をかけてしまいました。
それでも灯油のニオイが取れずに、どうやったら取れるかを調べたところ、そもそも水で流すのは危険なので絶対NG!だったことを知りゾッとしました。
こぼした灯油を水で流してもニオイはさほど消えないばかりか、灯油を周りに広げてしまうことになります。広がった灯油のニオイは近隣の住民に迷惑をかけるだけでなく、さまざまな事故や被害を起こす恐れがあります。
どのような事故や被害が起こる恐れがあるかをご説明しますが、意外なこと、想像もしていなかったこともあると思います。
引火する可能性がある
灯油をこぼした時に水で流すことで、灯油の範囲が広がってしまいます。それが下水管に流れると、灯油が揮発し、それに引火することで火災が起こる恐れがあります。
悪臭被害が広がる
こぼした灯油が下水道に流れ込むと、近隣の住宅の排水口から揮発した灯油のニオイが広範囲に広がり、悪臭被害を起こす恐れがあります。
水質汚染につながる
こぼした灯油が道路の排水溝から川や海に流れ出した場合、水質汚染になり川や海に住む生き物の生命をおびやかす恐れがあります。
下水管の清掃作業が必要
ごぼした灯油が下水道に流れ込むと、下水道管の清掃をしなければならない恐れがあります。清掃作業のために通行止めをするなど多くの人に迷惑をかける可能性があります。
灯油をこぼした時に水で流すことで、これだけの事故や被害が起こる恐れがあるなんて、ゾッとしますよね。
《 ポイント 》
- 灯油をこぼした時に水で流すのはNG。
- こぼした灯油を水で流すと、引火、悪臭被害、水質汚染、清掃作業などの事故や被害が起こる恐れがある。
灯油をこぼした後に水で流してしまったらどうすればいい?
灯油をこぼした時に水で流すのは絶対NGですが、うっかり流してしまったらどうすればいいのでしょうか?
灯油をこぼした後、水で流してしまった場合は近くの消防署や役所の下水道課、環境課などに連絡しましょう。連絡する時は、灯油をこぼした場所や時間、こぼした灯油の量、またはこぼした灯油を流した水の量などを伝えましょう。
役所のホームページを見ると、連絡先が書かれていますし、見つからない場合は役所の代表電話に問い合わせましょう。また、近くの消防署の連絡先が分からない場合は、消防署を検索するサイトなどで検索してみましょう。
灯油を購入したガソリンスタンドに、どこに連絡すればいいかを相談してみるのもいいでしょう。
《 ポイント 》
灯油をこぼした後、水で流してしまった場合は近くの消防署や役所の下水道課、環境課などに連絡する。
灯油をこぼして流出させるとどのような影響があるか
こぼした灯油を水で流すことでさまざまな事故や被害が起こる恐れがあることをご説明しました。
- 引火・火災の恐れ
- 悪臭被害の恐れ
- 水質汚染の恐れ
- 清掃作業の恐れ
では、この事故や被害によって、どのような影響や責任があるのでしょうか?
清掃作業や回収にかかる費用の支払い
灯油をこぼして水で流すことでおこる事故や被害の対策は、こぼした本人が追わなければなりません。下水道管や河川の清掃作業にかかる費用は高額ですが全て自己負担になります。
また、下水道管の清掃作業を行う際、道路を通行止めにする可能性もあり、交通渋滞などにも影響が出る可能性もあります。
被害を受けた人への損害賠償の支払い
下水道に流れ出た灯油が揮発して排水口からニオイが上がり、気分が悪くなった人から損害賠償を請求される可能性があります。
また、マンションのベランダや部屋にこぼした灯油が床に染み込んで下の階に悪臭が広がり頭痛や吐き気、精神的苦痛など健康面・精神面での被害があると、治療費や洗浄作業費や修理費などの高額な損害賠償を請求されても仕方ないでしょう。
水道水に灯油のニオイが付き、飲料や飲食、湯船やシャワーに悪影響を及ぼすこともあります。自分だけなら自業自得ですみますが、近隣の住民の被害は簡単には解決できない可能性もありますので、灯油をごぼした時に水で流すのは絶対やめましょう。
灯油をこぼした時の正しい対処法
灯油をこぼした時、水で流すことで起こる事故や被害があることはお分かりいただけたと思います。
玄関や室内や浴室などで給油して灯油をこぼしたら、まずはしっかり換気をしてから対処しましょう。こぼした後の換気や掃除は早急にしないとなかなか落ちなくなります。
玄関やベランダで灯油をこばした場合
玄関やベランダにこぼした灯油は、新聞紙で拭き取り、小麦粉をまいてニオイを取ります。
〈用意するもの〉
- 新聞紙、または古布、キッチンペーパー
- 小麦粉、または重曹
〈灯油を掃除する手順〉
- 新聞紙や古布、キッチンペーパーで、こぼした灯油を拭き取ります。
- しっかり灯油を拭き取った後、灯油をこぼした部分全体に小麦粉や重曹をしっかりまきます。
- 5分程放置し、残った灯油をしっかり吸い取らせます。
- 小麦粉が灯油を吸い取ったら、ほうきなどで小麦粉を取り除きます。灯油のニオイが消えたら完了です。
- 灯油を拭き取った後の新聞紙などを濡れた新聞紙や古布などに包んでから捨てましょう。
小麦粉をまいて取り除いた後も灯油のニオイが消えなかった場合は、次の方法を続けましょう。
ニオイを消す5つの方法
〈ニオイが消えるまで換気をする〉
灯油は揮発しますので、ニオイが消えるまで玄関や窓を開け、換気扇をまわしてしっかり換気しましょう。揮発し換気できたら臭いは消えます。
〈みかんや柑橘系の皮で拭く〉
みかんや柑橘系の皮は消臭効果だけでなく油を分解する作用がありますので、灯油をこぼした部分を皮で拭くと灯油のニオイが消えます。
〈お茶やコーヒーの出がらしをまく〉
お茶やコーヒーには消臭効果があります。灯油をこぼした部分にお茶やコーヒーの出がらしをまき、しっかり灯油のニオイを吸い取りましょう。
〈粉状の洗剤をまく〉
粉状の洗濯洗剤やキッチン用洗剤を灯油をこぼした部分にふりかけて灯油のニオイをしっかり吸い取りましょう。
液体の家庭用洗剤でもOKですが、雑巾や古布で拭き取りましょう。洗剤の種類によっては二度拭きが必要な物もありますので確認してください。
〈消臭スプレーをまく〉
こぼれた灯油のニオイを消す消臭スプレーがあります。灯油専門ですので効果は期待できますね。
最後に
うっかり灯油をこぼした時は慌てず水で流すことだけはやめてくださいね。
給油の時は、灯油のポリタンクや暖房器具などの下に新聞紙を広く多めに敷くことをおすすめします。灯油が染み込んだ新聞紙は濡れた雑巾やいらない布などに包んで捨てましょう。
また、手袋をせずに給油すると、気を付けていても手についてしまうことがありますよね。手についた灯油のニオイがごしごし洗っても取れないことがあります。
そんな時は、消臭や油を分解する作用があるみかんなどの柑橘系の皮や、お茶やコーヒーの出がらしを手にこすりつけてニオイを薄くしてからハンドソープで洗い流しましょう。