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昔から言われている言い伝えや迷信…あれって本当?
昔から「〇〇すると悪いことが起こる」などの言い伝えや迷信が語り継がれてきた日本。皆さんも小さい頃に親から言い聞かされた言い伝えや迷信があるのではないでしょうか。
しかし、実際に語り継がれてきた言い伝えや迷信は本当なのでしょうか。大人になってから振り返ってみると「なんであんな迷信が?」と思うようなことも多いですよね。
実際「〇〇するとお化けが来る」などの少々オカルトじみた言い伝えや迷信は、真実ではないでしょう。しかし、そうした言い伝えや迷信ができた背景が必ずあります。
多くの言い伝えや迷信は、人々に対する注意喚起や子どもに対するしつけや教育といった背景を持っていると言われています。では、実際に存在する言い伝えや迷信は、どのような意味が込められているのでしょうか。
『縁起が悪いこと』5選
実際に日本で言い伝えられている迷信や言い伝えの数々。ここでは、一般的に言い伝えられている『縁起が悪いこと』をいくつか紹介していきます。なぜこのような言い伝えが広まったのでしょうか。
1.夜に爪を切ると親の死に目に会えない
日本の迷信の中でも特に有名な迷信として「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」というものがあります。正直、現代に生きる私たちからしてみると「夜に爪を切るだけで、なぜ親の死に目に会えないの?」と思ってしまいます。
しかし、江戸時代以前まで遡ると、その理由が見えてきます。当時は照明器具が発達しておらず、夜になると辺りは真っ暗になっていたこと、そして爪切りも今ほど性能の良い爪切りはなく、『和ばさみ』を使って爪を切っていたことが関係しています。
真っ暗な夜に和ばさみで爪を切ることで、手や足を怪我しやすかったこと、そして夜に爪を切り怪我をしてしまうことで、夜中に親が危篤状態になってもすぐには駆けつけることができないこと。
この2つの理由から「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という言い伝えが出来上がったと考えられています。注意喚起のような意味合いが強かった迷信と言えるでしょう。
2.霊柩車を見たら親指を隠さなければいけない
「霊柩車を見たら(前を通る時)親指を隠さないといけないよ」と言われたことはありませんか。霊柩車が通るからと言って、どうして親指を隠さなければいけないのか、なぜその指が親指に限定されているのかと、不思議に思ったことがある人も多いでしょう。
昔は死者の魂が親指の爪と皮膚の間から入り込んでしまうと考えられていたため、死者が乗っている霊柩車を見かけたら、親指を隠して取り憑かれないように、あるいは連れて行かれないようにしなさいという意味があったと考えられています。
また天正時代まで遡ると、火葬する際に近親者の切断した指を炎の中に投げ入れるという風習があったため、その風習が影響しているとも考えらえれています。
3.しゃっくりが100回出ると死んでしまう
どこかで「しゃっくりが100回出ると死んでしまう」という迷信を聞いたことはありませんか。小さい頃に聞き恐ろしくなり、しゃっくりを無理やり止めようと頑張ったことがある、という人もいるかもしれません。
この迷信も江戸時代以前に言い伝えられていたと考えられています。当時は今のように医療知識も豊富ではなく、技術も発達していませんでした。そのため、しゃっくりに関して研究が進んでおらず、「謎の症状」として恐れられていたのです。
また、昔は100という数字を「数え切れないほどたくさん」という意味合いで使われていたと言います。そのため「数え切れないほどたくさんしゃっくりをしてしまうと、もしかしたら死んでじまうかも」という恐怖から、この迷信が誕生したと考えられます。
4.雛人形を片付け遅れると婚期が遅れる
女の子がいるご家庭では、毎年3月3日に雛人形を飾ります。そんな雛人形にまつわる迷信として、雛人形を片付けずに放置したり、しまい遅れてしまうと婚期も遅れてしまうというものがあります。小さい頃、親が急いで片付けているのを見ていたという人も多いのでは?
昔から雛人形は女の子の身代わりと考えられていました。厄を代わりに背負ってくれるものとして考えられていたため、そんな雛人形をいつまでも出しておくことは縁起が悪いと考えられていたのです。
また、雛人形を片付けられないのは、片付けが上手にできないことを表しているとも考えられており、花嫁修行という名目で「早くお嫁に行けないよ」という意味が込められていたという説もあります。
5.夜に口笛を吹いてはいけない
小さい頃、夜に口笛を吹いていたら「夜に口笛を吹くとお化けが来るよ」「蛇が出るよ」などと言われたことはありませんか。夜に口笛を吹くことで、何が起こるかは地域によって言い伝えられている内容が異なるようです。
なぜ夜に口笛を吹くと恐ろしい事が起こるのかという理由については、子どもに対する教育の意味合いが大きかったと考えられています。
今ほど建築物の遮音効果が高くなかった昔は、夜に口笛を吹く行為は近所に大きな迷惑をかける行為として考えられていました。そのため、子どもが夜に口笛を吹かないよう「夜に口笛を吹くと〇〇が来るよ」と言い聞かせていたと言われています。
縁起の悪い迷信や言い伝えは時代背景が隠されていた!
いかがでしたか。昔から「なぜ?」と思っていた迷信ですが、実は教育的な意味合いや昔の考え方が投影されているものが多いです。大人になって見てみると面白い背景があるものも多いので、興味のある方は調べてみてくださいね!