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共働き夫婦に多い「家事分担問題」
専業主婦が当たり前だった時代が一転して、現在では女性が社会進出して共働きする夫婦が増えてきています。2016年度の単所共同参画白書のデータによると、共働き世帯は約63.0%、専業主婦世帯は37.0%となっているようです。
共働き世帯が増えている背景には、震災などの影響、消費税増や年金減額などによる老後不安、政府の「一億総活躍社会」の実現に向け、女性の社会進出を推し進めていることなどが関係していると言えるでしょう。
しかし、共働きの夫婦が家事分担をしている割合としては、している夫婦が56%、していない夫婦が43%というデータとなっています。家事の分担率では、やはり女性の方が自ら率先して頑張っているケースが多く、場合によっては、8割、9割以上の量の家事を担当しているようです。
夫の方が妻よりも家事をするということは非常にまれで、いまだに「家事は女性がするもの」と考えているのが現実となっています。
共働きで育児もする…家事の負担が夫婦に招くこと
女性の場合、「良い妻でありたい」と思ったり、男性から家事を強要されて、家事の分担率がどうしても高めになったりするようです。共働きしているのに、片方ばかりに家事の負担が重くのしかかると、今後の夫婦関係にヒビが入ってしまう可能性が高いでしょう。
家事の負担が夫婦に招くことを紹介しましょう。
夫が家事をしない場合はストレスがたまる
夫が全く家事や育児に協力的でない場合、女性はストレスや疲労が蓄積されていってしまいます。家事というのは一生やらなければいけないので、夫の協力が得られずにストレスがたまるような状態を続けていると、体調を崩したり、気持ちが不安定になりうつ病を発症してしまうこともあるでしょう。
家事が原因で離婚の危機になることも
共働きの家事分担は離婚の原因になることも少なくありません。特に多いのが、共働きをしているのに夫が全く家事や育児に参加しないということです。仕事で夫の帰りが遅く、家に帰ってくるやいなや服を脱ぎっぱなしにしたり、ビールで晩酌をしてそのままウトウトと寝てしまうパターンです。
一方の勤務時間が他方よりも長いからといって、家事を全くやらなくてはいいという理由にはなりません。こういう生活を繰り返していると、最後には不満が爆発し、「こんな人と結婚しなければ良かった、離婚よ」という事態になってしまいます。
女性は浮気に走りやすくなる
夫が全く家事や育児に協力してくれず、不満がたまり続けると、他の男性の方が魅力的に見えたり、あの人の方が夫よりも私のことを理解してくれると考えるようになります。そうすると、気づいた時には女性が他の男性と浮気しているということもあるようです。
子どもに悪影響
家事や育児を手伝わないということで相手に対して不満やストレスを抱えると、夫婦喧嘩をしやすくなってしまいます。日常的に夫婦の喧嘩を目の当たりにした子供は、脳の一部が萎縮してしまうと言われています。
そうすると、感情がコントロールできなくなり、キレやすくなったり、学力の低下を招いたりしてしまいます。夫婦の喧嘩は子供の脳に相当響くので、家事の分担が原因で夫婦仲が悪くなるのは避けなければなりません。
共働きの効率的な家事分担のコツ7つ
家事を一人で負担していると、上記のような問題が夫婦間に起ってしまうので、最終的に離婚したり、夫婦の喧嘩により子供の健やかな成長を妨げてしまいます。それを防ぐためには、家事を分担することが大事になってくるので、共働きの効率的な家事分担のコツを紹介します。
①家事分担表を作る
まずは、家事分担表を作りましょう。「猫の手も借りたいほど」という言葉もありますが、だらしない夫を放置していると、ほんとに猫の手ほどしか家事や育児に参加しなくなります。
家事に疎い夫の場合、妻がどのような家事をしているのか正確に把握していないこともあります。どのような家事があるのか、タイムスケジュールを作り「見える化」して共有することで、家事を分担しやすくなります。
②夫にも責任を持ってやってもらう
男性は仕事に対しては当事者意識が高い傾向がありますが、育児や家事に関してはどこか他人事ですよね。共働きしているならば、子供がいるいないに関わらず、夫にも責任を持って家のことをやってもらわなければなりません。
そのためには、まずは夫の取り掛かりやすい力仕事や、家事分担表を見ながら話し合い、それぞれ責任を持って、家事に取り組むことが大切です。
③家事家電を購入
ボタン一つで家事が終了する、便利な時短家電というのがたくさん発売されています。自動掃除ロボット、全自動洗濯機、食洗器などを使用すれば、家事のストレスが大幅に軽減されるでしょう。
節約志向の方は、「高くてもったいない」と感じますが、時短家電は毎日の家事の時間を大幅に節約できるので、浮いた時間でパートに費やす時間を増やしたり、副業で稼いだりということもできます。長期的に見れば金銭的にもお得になることもありますし、家事と仕事を両立しやすくなるでしょう。
④臨機応変にできるならその都度できる人がやる
時には仕事が忙しかったり、疲れていたりして、家事分担をしていても家事に手がつけられないこともあるはずです。その場合、余裕がある方が家事をすることで、お互いに家事を「嫌だな」「めんどくさいな」と、苦に思わずに過ごせるようになります。相手を楽にしてあげたいという気持ちがあれば、自然に家事を協力していくことができます。
⑤言い方を変えるだけで夫を動かせる
夫が家事に参加しない場合、妻は「共働きしているのだからあなたもやってよ」「疲れてるのだから手伝ってよ」と命令してしまうことも多いでしょう。しかし、命令すると「女性の仕事だろ」と反論されてしまうこともあります。
夫を動かしたければ、「仲良く一緒にやろう」と声をかけたり、家事をしてくれた時には「いつもありがとう、助かってるよ」と、褒めてあげると効果的です。
⑥家事のやり方を教えてあげる
夫が家事や育児に参加しない理由に、やり方が分からないというのもあります。やり方が分からないので、妻に任せた方が良いだろう、良くできた妻なので、俺に家事や育児を求めてないだろうと考えてしまいます。その場合は、夫に家事や育児のやり方を教えてあげて、家事の大変さや達成感を理解してもらいましょう。
⑦完璧にやり過ぎない
家事や育児に負担感があるならば、手抜きすることも大切です。疲れている時は手作り料理などにこだわらず、外食にするなど、臨機応変さも必要です。家の掃除でも毎日塵ひとつないくらい念入りにやっていると身が持ちません。掃除や料理に便利なグッズも売っているので、そういうのも利用してみましょう。
夫婦円満に過ごすためには家事分担が大事!
二人が円満でいるためには、家事を分担することはとても大切なことでしょう。一緒に暮らしているからといってもお互いのライフスタイルや家事能力はバラバラです。お互いに上手にこなしていけるように、時には相手の家事に協力したり、得意な家事は率先して行うなど、分担方法をきちんと考えましょう。
現在は便利な時短家電なども多く発売されているので、大変な時はそういうのに頼るのも断然アリです。夫婦生活はとても長いので、一方が家事に協力的でない場合、負担が蓄積される前に早めに話し合いましょう。