目次
土鍋が割れる原因
目止めをしなかった
目止めとは、土鍋が割れてしまうことを「防ぐ・水漏れを防ぐ・ニオイ移りを防ぐ」ために行う処理のことを言います。
土鍋の素材は土ですが、土には小さな穴が無数に開いています。穴のことを「目」と呼び、目を塞ぐための処理のことを目止めと言うのです。
目止めをせずに土鍋を使い続けると、もろくなってしまった部分からひび割れてしまったり、目にニオイが染みついてしまったりすることがあります。
空焚きをした
土鍋を空焚きすると割れる可能性が非常に高いです。急激な温度の変化に耐えることができないためです。気づかないうちに亀裂が入ってしまい、やがて割れてしまうことがあります。
もしも空焚きをしてしまった時は、火を消してそのまま放置してください。熱が自然と冷めるのを待ちます。流水で冷まそうとしてはいけません。
濡れたまま火にかけた
土鍋を濡れたまま火にかけると割れる可能性が非常に高いです。急激な温度の変化に耐えることができないためです。
気づかないうちに亀裂が入ってしまい、やがて割れてしまうことがあります。土鍋の底が素焼きになっている場合、火にかける前に濡れていないことを必ず確認してください。
急激に熱した
土鍋を急激に熱すると割れてしまう可能性が非常に高いです。急激な温度の変化に耐えることができないためです。
気づかないうちに亀裂が入ってしまい、やがて割れてしまうことがあります。土鍋は熱することと冷ますことを繰り返しますが、その時に膨張することと収縮することを繰り返しています。
急激な温度変化を与えると土鍋が正常に呼吸することができず、亀裂が入ったり割れてしまったりするのです。
ぶつけてしまった
土鍋をぶつけてしまうと割れる可能性があります。落としたわけではなく、少し他の物とぶつかっただけで割れてしまうことがあり、以前に亀裂が入っていたのではないかということも考えられます。
急な温度の変化に耐えることができず亀裂が入り、ぶつけてしまったことをきっかけに割れてしまったのかもしれません。
土鍋を電子レンジに入れると割れる?
基本的には土鍋は電子レンジでは使用しません。電子レンジで加熱しても正常に料理を温めることはできますが、土鍋が割れてしまう原因になることがあります。
電子レンジで使用することを目的として作られていないためです。
電子レンジ対応の土鍋があります!
最近では電子レンジやオーブンにも対応した土鍋が販売されるようになりました。土鍋を使って電子レンジでごはんを焚くことができるんです。
様々な料理を作ることができる、土鍋付き電子レンジという商品まであります。土鍋を使って電子レンジやオーブンで調理する時は、亀裂が入っていないことや欠けたりしていないことを必ず確認してから使用してください。
小さくても破損があると、加熱している途中で割れてしまう可能性がありますのでご注意ください。
土鍋が割れるのを防ぐ『目止め』のやり方
片栗粉を使って目止めをする方法
土鍋を購入する時は片栗粉も一緒に購入しておきましょう。片栗粉を使って目止めをしておくと、土鍋が割れることを防ぐことができ、ニオイ移りも防ぎます。
土鍋を長く大切に使い続けるために必ず必要なお手入れです。
- 土鍋に水を入れます。(土鍋の8分目くらいの量)
- 片栗粉を大さじ2杯入れてよく溶かします。
- 土鍋を弱火にかけて沸騰させます。
- 10分~20分を目安に沸騰させたら火を止めます。
- そのまま土鍋と中身が冷めるのを待ちます。
- 完全に冷めたら中身を捨てます。
- 土鍋を水洗いして乾かしたら完了です。
急激な温度の変化を与えないため、必ず弱火で行ってください。弱火の加減が分からない時は、火を一番小さくして行うのがおすすめです。
お米のとぎ汁を使って目止めをする方法
- 土鍋にお米のとぎ汁を入れます。(土鍋の8分目くらいの量)
- 土鍋を弱火にかけて沸騰させます。
- 10分~20分を目安に沸騰させたら火を止めます。
- そのまま土鍋と中身が冷めるのを待ちます。
- 完全に冷めたら中身を捨てます。
- 土鍋を水洗いして乾かしたら完了です。
お米のとぎ汁を使って目止めを行う場合、1回では目が埋まらないことがあります。購入したばかりの土鍋である場合のみ、2回~3回を目安に行うのがおすすめです。
おかゆを作って目止めをする方法
土鍋の目止めの方法の基本とされているのが、おかゆを作るということです。準備として、購入したばかりの土鍋を水洗いしてください。乾いた布巾などで拭き、自然乾燥させてください。濡れたままおかゆを作る(目止めをする)のはNGです。
- 土鍋に水を入れます。(土鍋の8分目くらいの量)
- 余ったごはんを入れてよくほぐします。
- 土鍋を弱火にかけておかゆを作ります。
- おかゆが出来上がったら土鍋とおかゆが冷めるのを待ちます。
(火を止めてから1時間以上は放置してください。) - 完全に冷めたらおかゆを取り出して土鍋を水洗いしてください。
目止めのために作ったおかゆですが、安全にお召し上がりいただけます。別の鍋に移すなどし、溶き卵を入れたり味付けをしたりするなどしてお召し上がりください。
土鍋を長持ちさせるポイント
料理を入れたまま放置しないこと
土鍋で料理をした後、長時間の放置をしないでください。すぐに食べ終えることができない場合や保存しなければならない場合には、別の鍋や容器に移し替えてください。
あまり洗剤は使用しないこと
洗剤を使って土鍋を当たっても構いませんが、洗剤は少量にしてください。土鍋は水を吸収しやすいのですが、洗剤の成分も吸収されてしまうことがあります。
洗剤を使って土鍋を洗う時は短時間でサッと済ませるようにし、流水で十分に洗い流してください。
洗剤を入れたまま浸け置きしないこと
土鍋に洗剤を入れたまま浸け置きすると、洗剤のニオイが移ってしまいます。
ゴシゴシ擦り洗いをしないこと
土鍋が焦げついてしまった時、ゴシゴシ擦り洗いをしてはいけません。かるい焦げつきなのであれば土鍋にぬるま湯を入れてふやかし、やわらかいスポンジで優しく擦ってく落とすことができます。
ガチガチに焦げついてしまった時は、土鍋の8分目まで水を入れて弱火で沸騰させてふやかしてください。土鍋と中身が完全に冷めてからやわらかいスポンジで優しく擦って落とすことができます。
冷めてから洗うこと
土鍋が完全に冷めてから洗ってください。急激な温度の変化を与えると亀裂が入りやすく割れます。
弱火から少しずつ強火にすること
強火で調理しなければならない料理もあるかと思いますが、土鍋に急激な温度の変化を与えないため、弱火から少しずつ強火にしてください。
土鍋が割れた時の対処法
再び目止めをする
比較的、浅いひび割れである場合には再び目止めをしてください。おすすめは片栗粉を使った目止めです。片栗粉の粘り成分(でんぷん)によって修繕させることができます。
接着剤は使用しない
割れた土鍋を接着剤で修繕させることは相応しくありません。調理をする時、接着剤の成分が料理に溶けだしてしまう恐れがあるためです。乾燥して剥がれた接着剤は料理に混入することも考えられます。
最後に
土鍋が割れる原因は5つあります。
- 目止めをしなかったこと
- 空焚きをしたこと
- 濡れたまま火にかけたこと
- 急激に熱したこと
- ぶつけてしまったこと
土鍋が割れる原因として最も考えられるのは「目止めをしなかったこと」です。購入したばかりの土鍋は必ず目止めを行ってください。
濡れたままでは使用することができませんので、一晩ほどかけてじっくり自然乾燥させてから使用してください。最近では目止めが不要な土鍋も販売されています。
電子レンジやオーブンに対応し、吸収率が低いことで水が滲み込みにくい素材です。今日、土鍋が必要だ!という時に活躍するのではないでしょうか。