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梅酒の飲み頃のサイン
お店で販売されている梅酒だけでなく、手作りした梅酒を味わっているという方、結構いらっしゃいますよね。ところで、味わいの変化が楽しめる自家製の梅酒の飲み頃とはいつなのでしょうか?
自家製の梅酒を作る時期はとして適しているのは、5月〜6月中旬頃です。漬け込んでから早くて3ヶ月経過したあたりから飲み頃になりますが、まだアルコール独特の匂いが残っています。
梅酒ならではの風味とまろやかさが増して美味しくなってくるのは、6ヶ月から1年程度経った頃でしょう。保存環境や使用する材料によっても熟成具合に差が出るので、梅酒の飲み頃を判断する基準としては、色合いが目安になります。
一般的な作り方ではホワイトリカーを使用しますが、それで作った梅酒ははじめの無色透明な状態だったものが、熟成が進んで飲み頃になると琥珀色に変化してきます。
よって、梅のエキスや風味が移って琥珀色になり、梅の実にシワができてきた頃が、飲み頃のサインと言えるでしょう。
《 ポイント 》
- 風味とまろやかさが美味しくなるのは、6ヶ月から1年程度経った頃。
- 琥珀色になり、梅の実にシワが出てきたら飲み頃のサイン。
梅酒の実を取り出すタイミング
6ヶ月から1年程度経った梅酒が飲み頃だと言われても何となく物足りなく、2年以上熟成させたコク深い味わいの梅酒こそが飲み頃だという方もいらっしゃいます。
長期保存する場合、入れっぱなしにすると種の苦味が出てきたり、実が崩れてきて濁ってきたりしますので、1年~1年半経ったあたりで梅の実を取り出しておきましょう。そうすることで美味しさが3年程度続きます。
その時に取り出した甘くて柔らかい梅の実はいろいろな食べ方、使い方があるので試してくださいね。一方で、カリカリとした梅の実の食感を楽しみたいという方は、つけ始めから4ヶ月頃が食べ頃でしょう。
《 ポイント 》
- 1年~1年半経過した頃に梅の実を取り出しておく。
梅酒の実の使い道
梅ジャムを作る
種を取り除いた果肉をミキサーで細かくした後、水と砂糖を加えて煮込み、好みの甘さにします。こうしてジャムに加工しておくと日持ちさせることができます。煮込む過程で洋酒やレモン汁を少量加えるといろいろな風味を楽しめるでしょう。
お菓子作りに利用する
種を取り除いた果肉を刻んで、クッキーやパウンドケーキに入れて焼くと、しっとりと高級感のある味わいに仕上がります。
ラム酒ほど香りは残りませんが、アルコール分が飛んだ梅の良い香りが残り、さっぱりとした味わいに仕上がるので、日本茶との相性も良さそうです。
また、果肉を寒天で固めて寒天ゼリーにしたり、アイスクリームなどに使ってみてはいかがでしょうか。ひと煮立ちさせるとアルコールが飛ぶため、お子様や妊娠中の女性でも心配せずに食べられます。
ドライフルーツの代わり
梅酒の果肉をドライフルーツの代わりとしてお菓子作り活用すると香りも良く、上品な味わいに仕上がります。
魚や肉の臭み消し
梅酒から取り出した梅の実ひとかけらを魚や肉と一緒に煮ると臭みを取り除くことができます。臭みがとれてさっぱりとした仕上がりになるだけでなく、コクが加わり味に深みがプラスされるでしょう。
《 ポイント 》
- 種を取り除いた果肉はお菓子づくりや魚や肉の臭み消しとして活用できる。
梅酒の飲み頃は漬け込むお酒で変わる?
果実酒づくりに欠かせない「ホワイトリカー」
焼酎で漬ける梅酒が一般的ですが、中でもホワイトリカーは無味無臭なので、余計な味わいが加わらず梅本来の味や風味を楽しむことができます。
このホワイトリカーとは「無味無臭のお酒」という意味で、日本でホワイトリカーといえば連続式蒸溜で造られる風味や香りがない「甲類焼酎」のことで、その個性のなさゆえに幅広く使われています。
特に梅やリンゴ、レモンなどの果実酒を作る際に、上手に使ってみてください。梅のエキスが出る3ヶ月頃から飲めるようになりますが、1年後からがより美味しくいただける飲み頃になります。
三年物、五年物と寝かせば寝かせるほどまろやかになりますので、少しずつ味の変化を楽しみながら飲んでいくのも自家製梅酒の醍醐味と言えるでしょう。
基本、どのような飲み方にも合いますが、お酒が苦手な方にはジュースやお茶で割ると飲みやすくなります。
素材にこだわった「焼酎」
芋や麦、米など原料の風味を色濃く残した「乙類焼酎」の味わいが好きな方には、ホワイトリカーではなく本格焼酎をおすすめします。素材にこだわった本格焼酎に漬け込むと、コクのある味わい深い梅酒に仕上がります。
3ヶ月後ぐらいから飲み頃になりますが、35度の果実酒用のホワイトリカーに比べて焼酎は25度と度数が低いので、カビ防止のためにも早く飲む方が良いという考えもあります。
しかし、6ヶ月、1年と置けば置くほど熟成されて美味しくなっていくようです。
梅の熟成が早い「ブランデー」
梅酒ならではの風味とまろやかさが増して飲み頃になるのは、6ヶ月から1年程度経った頃ですが、ブランデーで作る梅酒は熟成が早いのが特徴です。
ブランデー単体の飲みにくさがなくなり、ブランデーと梅の甘さが合わさってまろやかな味になる飲み頃は、漬け込み後3か月程度でしょう。
とは言っても、時間を置くことでブランデー自体に梅のエキスが染み出してきますので、ぐっと我慢して、6ヶ月後から1年待ったほうがブランデーの深い味わいとともに梅の美味しさを堪能できます。
高価なブランデーは香りが強い為、梅の風味が負けてしまうことがありますので、高級品ではなく果実酒用で十分です。
アルコール度数が低い「日本酒」
日本酒には糖分が含まれていますので、砂糖を少なめにして作ることで日本酒の良さが引き立ちます。
日本酒本来の米の甘みを残しつつ、爽やかな梅の風味とうまく調和します。日本酒で作った梅酒はアルコール度数が低い分、梅の実のエキスが抽出されるのに時間がかかります。
なので、最短でも6ヶ月~1年かけて梅のエキスをじっくりと抽出しながら熟成させるようにすると、コクのある美味しい梅酒が完成します。ポイントとしては、ジュースやお茶で割ると日本酒の良さを失ってしまうのでロックやソーダ割がおすすめです。
日本酒はアルコール度数が20度未満のものが多いのですが、自家製梅酒には20度以上ものを使うようにしてください。最近では梅酒用の日本酒も売られていますので、こちらを選んで使ってみてはいかがでしょうか。
《 梅を漬け込むお酒 》
- 無味無臭なホワイトリガー
- 原料の風味を色濃く残す焼酎
- 熟成が早く3か月程度で飲み頃になるブランデー
- アルコール度数が低く糖分が含まれている日本酒
梅酒の作り方
梅の実の皮が固く、実がしまっている青梅で自家製梅酒を作る最適な時期は、5月〜6月中旬頃です。その時期になると、スーパーの青果コーナーにたくさんの青梅とホワイトリカーが並んでいるのを見かけたことがあるのではないでしょうか。
材料
- ガラスビン:容量5リットルの密閉可能なもの
- 青梅 :1Kg
- 氷砂糖 :500g~800g
- お酒 :1.8ℓ
(アルコール度数20度以上のもの)
作り方
- ガラス瓶を煮沸消毒する
熱湯を入れて煮沸消毒したらしっかりと水気を拭き取る。ビンの口を下に向けて陽の当たる場所に置き、十分に乾燥させる。 - 青梅を水洗いする
洗剤は使わずに、青梅を流水でやさしく洗う。洗った後はひとつひとつ丁寧に水気を拭き取る。 - 青梅のヘタを取り除く
竹串を使って、傷をつけないように注意しながら青梅のヘタを取り除く。 - 青梅と氷砂糖を入れる
ガラスビンに青梅と氷砂糖を偏りがないように交互に入れる。 - お酒を注ぎ入れる
好みのお酒を選んで密閉できるガラスビンにお酒を注ぎ入れる。 - 保存する
しっかりとふたで密閉して、冷暗所で6ヶ月~1年くらい寝かせて飲み頃になるまで保存する。
《 ポイント 》
- 自家製梅酒を作る最適な時期は、5月〜6月中旬頃
梅酒の保存方法と賞味期限
梅酒はアルコール度数が35度以上の高いもので作るので基本的には腐りません。賞味期限は「ない」と考えて良いのかもしれませんね。
寝かせれば寝かせる程、まろやかな味わいになるので、30年ものの自家製梅酒を飲まれている方もいるくらいです。
そのためには、保存用のビンをしっかりと煮沸消毒する、梅のヘタをキレイに取り除く、種の苦味が出ないうちに梅の実を取り出すなど、作る過程と保管方法を守ることが必須条件です。
ですが、熟成が進んで風味豊かな梅酒を楽しめるのは2〜3年間なので、3年くらいで飲み切るのが無難でしょう。保存方法は、直射日光の当たらない冷暗所で保存するようにしてください。
万が一、酢に似たツンとした匂いがした時や、フワフワしたカビが浮いているような場合は腐っていると考えられますので捨てるようにしましょう。
《 ポイント 》
- アルコール度数が高いもので作るので腐らない。
- 作る過程と保管方法を守ることが必須条件。
- 味わいを楽しむには3年くらいで飲み切るのが無難。
最後に
梅酒の飲み頃のサインと、実を取り出すタイミングについていかがでしたか?
梅酒の飲み頃は3ヶ月程度からですが、6ヶ月から1年程度かけて熟成させた方がより深い味わいを堪能できるということがわかりましたね。
今回の記事で紹介したように、使用するお酒の違いによって様々な楽しみ方ができます。自分で漬けた梅酒の味は格別!でしょうから、今年梅酒作りにチャレンジした方は、飲み頃になるのが待ち遠しいですね。