子どもが不登校になる原因は家庭にある?5つの理由と心がけたい解決方法

膝を抱えている少年

コロナウイルス感染拡大に伴い、休校やオンライン授業など子どもを取り巻く環境にも影響を及ぼしています。そんな中、学校生活に適応できず、不登校になる子どもが増えていることをご存知でしょうか。不登校には家庭や学校など、様々な原因があります。今回は子どもの不登校について考えていきましょう。

コロナ渦で子どもの不登校率が上がっている

登校拒否の女の子

コロナウイルスの感染拡大に伴い、外出自粛や在宅勤務の推奨など、様々な環境変化が求められています。そんな中、心が繊細な子どもたちにも環境変化への適応が求められているのは、親として少し可哀想にも思いますよね。

実際、毎年長期休暇後には不登校の子どもが増えるだけでなく、自殺者が増えるというデータが発表されています。また、2020年からコロナ渦における休校処置により、長期間家庭で勉学に励んでいた影響から、学校へ登校しづらくなる子が増えているとも言及されています。

親としてはその原因を知りたい、学校で楽しく過ごしてほしいという思いがある一方、どのように対応していいか悩んで今いますよね。このようにコロナ渦で子どもの不登校に悩んでいるご家庭は、以前よりも増えていると考えられています。

原因は家庭?子どもが不登校になる5つの理由

悲しそうな顔をしている少年

では、子どもが不登校になるのはどのような理由が考えられるのでしょうか。ニュースなどではいじめに焦点を当てられがちですが、実はいじめによる不登校は全体の少数と言われています。ここでは子どもが不登校になる主な理由を5つ紹介します。

1.親子の依存度が高く分離不安に陥っている

最近では、親と子どもがまるで友達のように仲が良いご家庭も多いですよね。お互い信頼し合い、愛情を注がれて子どもが育っていることは、とても喜ばしいことです。しかしその反面、依存心が増してしまうと、分離不安に陥る恐れも指摘されています。

親から子どもへの依存心はもちろん、子どもから親への依存心が増してしまうと、子どもが親と離れることに不安を抱き、不登校の原因となることがあります。特に、低学年の子どもによる見られる傾向にあります。

仲が良いことは喜ばしいことですが、あまりにも依存心が強くなってしまうと、親と離れることに不安を感じ、かえってストレスになることもあります。少しずつ子どもの様子を見ながら自立心を促していけると良いですね。

2.「家に居場所がない」と感じることによる逃避

頭を抱える男の子

子どもが小学校高学年〜高校生の年齢に多く見られる不登校理由です。夫婦仲が悪かったり、家庭に何らかの変化が生じたことにより、「家に居場所がない」と感じることで、家や学校から目を背け現実逃避しようとすることも不登校理由に当たります。

年齢が上がるにつれて自我が強くなり、反抗期を迎える子どもも増えてきます。そうした中で家に居場所がないと感じてしまうと、家に帰らなくなるだけでなく、親や教師への反発心から学校にも行かなくなってしまいます。

また、コロナ渦で親もストレスが溜まっているため、将来への不安や焦り、ストレスなどから子どもに当たってしまう親が増えていると言います。

子どもの心は繊細なので、ちょっとした親の変化にも敏感です。こうした親の冷たい態度や不穏な家庭環境に「居づらい」と感じたり、何かトラブルや心配事があっても「相談しにくい」と感じたりすることで、不登校に陥りやすくなります。

3.親からのプレッシャーによるストレス

親に叱られながら勉強する子供

学校での振る舞いやテストの点数、進路など、親から「ここに行ってほしい」「もっと点数を上げてほしい」といったプレッシャーを感じることで不登校になる子どももいます。

親としては子どもに良い人生を送ってほしいという思いから、ついつい口を出してしまうこともあるでしょう。しかし、子どもが何らかのストレスを抱えている時に親からのプレッシャーが加わると、悩みを相談することも自信を保つことも難しくなります。

すると、自分の殻の中に閉じこもるようになり、不登校だけでなく引きこもり状態になってしまったり、環境によっては非行に走る原因にもなりかねません。

親はプレッシャーをかけているつもりでなくても「〇〇は頭が良くてすごいね」といった褒め言葉に対して「頭が良く居続けなくては」と思ってしまうこともあります。まずは家庭内で親に相談や不安を打ち明けられる環境を作ることが最優先です。

4.友達との関係悪化や些細な喧嘩

ケンカする姉妹

よく見かけるニュースでは、不登校の原因としていじめが取り上げられることが多いですが、実際に学校内で不登校の原因となる理由は、友達との些細な喧嘩やちょっとした関係悪化が多いです。

いじめとまではいかなくても、今まで仲が良かった友達と些細なことで喧嘩し関係悪化してしまい、その友達と顔を合わせづらく不登校になってしまうといったケースが多く報告されています。

また、友達間でのちょっとしたからかいが、その子にとっては辛く苦しいとストレスに感じ、不登校になることも多くあります。

こうした悩みも家庭内で子どもにとって安心できる居場所を作ってあげることで、子どものタイミングで相談してくれたり打ち明けてくれたりすることがあるので、やはり親は子どもにとって居心地の良い家庭環境を整えてあげることが最重要と言えるでしょう。

5.授業についていけない不安や焦り

勉強に疲れている少年

真面目な子どもに多い理由として、学年が上がるにつれて勉強が難しくなり、授業についていけないことから不安や焦り、そして恐怖を感じて不登校になるケースがあります。

「他の子はスラスラできているのに、自分だけ解けない」「授業が早くてついていけない」「名前を指されたのに正解できなくて恥ずかしい」といった子どもの成長においてぶつかる壁が大きなストレスとなっているのです。

こうした不安や焦りは、一緒に宿題を見てあげたり親も一緒に勉強をしたりすることで気付ける機会が増えます。「何だかつまずいているな」と思ったら、手を貸してあげたり、塾や通信教材を使って予習や復習を試みたりと親ができる対応を子どもに合わせてとってあげましょう。

子どもが不登校になったら…心がけたい解決方法

子どもを励ます母親

もしも自分の子どもが不登校になった場合、親としては不安や心配から焦ってしまうことでしょう。しかし、不登校になった子どもに余計なプレッシャーやストレスをかけることは禁物です。ここでは子どもが不登校になった時に心がけたい解決方法について紹介します。

無理に学校へ行かせたり不登校を責めたりしない

まず、子どもが不登校になった場合、無理に学校へ行かせようとしたり、不登校であることを責めたりする行為は絶対にやめてください。子どもの自尊心をより傷付けることになりますし、親からのプレッシャーで家庭に居場所がないと感じてしまう子が多いからです。

不登校になった際は、無理に学校へ行かせたり責めたり、原因を無理やり聞き出そうとするのではなく、子どもにとって居心地の良い環境を家庭内に作ることで、子どもから気持ちを打ち明けられるような雰囲気を整えてあげることが大切です。

子どもが不登校になったら…親が取るべき対応

テレビゲームを楽しむ父と息子

では、子どもが不登校になった時、具体的に親はどのように対応するべきなのでしょうか。以下に注意点や親ができる対応などをいくつかまとめているので参考にしてください。

  • 無理に不登校の原因を聞き出そうとしない
  • 子どもが安心して生活できる居場所を家庭内に作る
  • 家や学校以外でも安心して楽しめる居場所を探してあげる
  • 通信教育やフリースクールに関する情報を集める
  • 子どもの話にはしっかり耳を傾ける
  • 子どもの気持ちを優先して話してくれるまで待つ
  • 登校のタイミングは子どもの気持ちを尊重する

不登校になったからといって責めたり無理に学校へ行かせたりすることはNGです。また、情緒が不安定になっている子どもは、一度学校へ行くと決めても、当日の朝に体調を崩したり精神的に強い苦痛を伴ったりすることも多いです。無理強いは避けてください。

また、いつかは子どもが不登校になった原因を知る必要があります。無理に聞き出すのではなく、子どもがリラックスして悩みや相談を打ち明けられる環境を作るためにも、夫婦仲を維持したり、子どもが好きな遊びに家族で取り組んでみたりといった明るい雰囲気を作ることもポイントです。

最近では、通信教育も多く展開されています。必ずしも学校でなくては教育を受けられないということではないので、焦らず子どものペースに合わせて登校の準備を進めたり、場合によってはフリースクールに転校するといった方法を検討しても良いでしょう。

子どもの不登校には安心できる居場所作りを優先して

登校する小学生

いかがでしたでしょうか。全ての子どもに不登校になる可能性は存在します。親は無理に登校させようとするのではなく、まずは子どもが安心して過ごせる「居場所」を用意してあげるところから始めましょう。

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