正しい目止め(お手入れ)方法!陶器と土鍋の基本的なやり方やコツ

陶器 皿

正しい目止めのやり方をご紹介したいと思います。目止めをする目的はご存知でしょうか?陶器や土鍋のひび割れや破損を防ぐためにおこないますが、正しく目止めしないと効果がでないだけでなく、逆にひびが入ってしまうことがあります。そんなことにならないよう、目止めの方法や手順、目止めをする時に気をつけることをお話いたします。

目止めについて

陶器 皿

目止めとは、陶器や土鍋を使い始める前にするお手入れ方法で、陶器や土鍋にある小さな穴を塞いでひび割れや水漏れなどを防ぐためにおこないます。

陶器や土鍋は土を原料としていますので、目に見えないような小さな穴が無数に開いています。この穴を「目」と言います。

買ってきたものをそのまま使うと、陶器や土鍋の無数の穴がだし汁などの料理の水分を吸ってしまい、奥まで染み込むとひび割れ、水漏れ、変色、臭い移りなどの原因になります。

そのため「目」を塞いで水分や汚れが入り込まないようにお手入れするのが目止めです。また、目止めをすることでシミやカビなども予防することができますので衛生的にも目止めは大切です。

初めて陶器や土鍋を使用する前は目止めをしましょう。

器のサイズ別の目止め方法

米

陶器や土鍋の穴にお米や小麦粉などのでんぷんを埋めて水分が入らないようにするのが目止めの方法です。

目止めをする前の準備

  1. 陶器や土鍋を水洗いする
    洗剤は使用しないでお水のみでサッと器の表面を洗いましょう。ホコリを洗い流す程度でOK。水分を含むとシミのような斑点が浮き出る器もありますが乾くと消えますので大丈夫です。
  2. 完全に乾かす
    布巾で水気を拭いて完全に乾かしましょう。水分が残っていると割れる原因になりますので注意してください。

小さい陶器を目止めする場合

小さい陶器

お米のとぎ汁で目止めする方法をご紹介します。お米のでんぷんが目止めをしてくれます。

用意するもの

  • お米のとぎ汁
  • 無地の白い布巾
  • 大きいお鍋(器が入る大きさ)

手順

  1. 陶器が完全に乾いているかを確認しましょう。
  2. 大きいお鍋の底に布巾を敷き、目止めをする器を入れます。この時、器以外のものをいれないよう注意しましょう。
  3. お米のとぎ汁をお鍋の中の器がかぶるくらい入れます。
  4. 弱火で加熱して沸騰したらそのまま20分ほど火にかけます。
    ※20分以上沸騰させないでください。お米のでんぷん汁が焦げる可能性があります。熱湯を沸き立たせると器通しがぶつかって破損する可能性がありますので注意しましょう
  5. 火を止めたら器をそのままの状態で冷まします。
  6. 冷めたら器を取り出し、綺麗に洗いましょう。
  7. 乾いた布で拭き、自然乾燥させます。風通しの良い場所で天日干ししましょう。

これで目止めは完了です。一度で目が塞がらない場合は、再度同じ作業を繰り返しましょう。

大きい陶器を目止めする場合

土鍋

2つの方法があります。

方法①

  1. 乾燥している器の中に沸騰した米のとぎ汁を直接入れます。
  2. 1時間~2時間ほど放置します。
  3. 器が冷めたら中身を捨てて器を水洗いします。
  4. 乾いた布で水分をしっかり取り除き、風通しの良い場所で乾燥させましょう。

方法②

  1. 鍋に入らない器を目止めするときは、器が入る容器(桶など)を使用します。
  2. 容器の中に器を入れます。
  3. 容器の端から沸騰したとぎ汁をゆっくり注ぎます。
  4. とぎ汁が冷めたら器を洗ってしっかり乾燥させましょう。

IH調理器で目止めをおこなう場合

布巾やタオルを3cmほどの厚みになるようたたみ、鍋の底に敷きます。鍋の底と器が直接触れないように、敷いた布やタオルの上に器を置いて目止めしましょう。

IH調理器の場合、お鍋に直接器を置くと器の一部だけが熱せられ、器の中で温度差ができやすくなりひび割れや破損する可能性があります。お鍋の底にタオルや布巾を敷いて器と鍋底に空間を作ることで水の循環がよくなり一部分だけに熱が集中することはなくなります。

土鍋を目止めする方法3つ

おかゆ

①おかゆで目止めする

  1. 土鍋の底が濡れていないか確認し、完全に乾燥させましょう。底が塗れたまま火にかけるとひび割れの原因になりますので注意しましょう。
  2. 土鍋に水を8分目ほど入れ、水量の1/5以上の炊いたご飯を入れます。
  3. 弱火でじっくり加熱し沸騰してお粥ができたら火を止めます。
  4. 土鍋が冷めるまで放置します。1時間ほどかかると思います。
  5. おかゆを取り出して土鍋を水洗いしたらたら火を止めます。

これで土鍋の目止めは完了です。もしまだ目が塞がらない場合は目止めの作業を繰り返し行ってください。

おかゆで目止めをする時の注意点

炊き上がっていないご飯を入れないでください。おかゆになるまで時間がかかるためでんぷんが土鍋に入り込む前に水が目に浸透されてひび割れや水漏れの原因になる可能性がありますので注意しましょう。

②片栗粉で目止めする

片栗粉

  1. 土鍋に水を8分目まで入れ、片栗粉を大さじ2杯入れます。
  2. 土鍋を弱火でゆっくり沸騰させます。
  3. 10分~20分沸騰させたら火を止めて放置します。
  4. 土鍋が冷めたら中身をすてて土鍋を綺麗に水洗いしましょう。

片栗粉の代わりに小麦粉でも目止めすることができます。

小麦粉の場合は片栗粉と同じ手順で、土鍋に水を8分目まで入れ、小麦粉を大さじ2杯入れます。弱火で10分~20分沸騰させたら火を止めて土鍋が冷めたら中身を捨てて土鍋を水洗いしたら完了です。おかゆ、片栗粉、とぎ汁、小麦粉はでんぷんが目止めをしてくれます。

③牛乳で目止めする

牛乳

  1. 牛乳を土鍋に8分目まで入れ、弱火でゆっくり沸騰させます。
  2. 10分~20分沸騰させたら火を止めて放置します。
  3. 土鍋が冷めたら中身を捨てて土鍋を綺麗に水洗いしましょう。

牛乳はたんぱく質(カゼイン)が目止めをしてくれます。

片栗粉・小麦粉・牛乳で目止めする時の注意点

加熱する前、しっかり溶かしておきます。でんぷんやたんぱく質が器全体に目止めできるよう混ぜましょう。

目止めした土鍋を長持ちさせるコツ

土鍋

土鍋の目止めと合わせて土鍋を長持ちさせるコツをご紹介いたします。

ひびを見つけたら目止めをする

目止めは初めて使う前にやるものだと思われがちですが定期的に目止めを行うことでひびが塞がれ長持ちします。

急激な温度変化をさせない

土鍋は急激な温度変化に弱いです。目止めをする際も弱火で行いますが、調理する際も冷たいまま急に強火にかけたり、熱い土鍋に急につめたい水を入れるとひび割れがする可能性がありますので注意しましょう。

研磨剤で磨かない

土鍋を研磨剤で力を入れてこすると表面に傷をつけて土鍋内部に水を染み込ませてしまいますので注意しましょう。また浸け置きもNGです。食器用洗剤を使用した場合、洗剤が残らないようしっかりすすぎましょう。

目止めをする時に注意すること

弱火

陶器や土鍋は乾燥させてから目止めをする

目止めをする時、陶器や土鍋が濡れている状態で火にかけるとひび割れや破損する可能性がありますので、必ず乾かしてから目止めしてください。

目止めをする器を入れるお鍋は綺麗に洗う

小さい器を目止めする際に使う大きいお鍋は、必ず綺麗に洗って汚れや臭いをとりましょう。目止めをする器に汚れや臭いが移る可能性がありますので注意しましょう。

目止めの最中に器同士がぶつからないようにする

大きい鍋に小さい器をいくつか一緒に入れて目止めする場合、器同士がぶつかってひび割れや破損を防ぐために器と器の間に布巾やキッチンペーパーを挟みましょう。

目止めの器はふせない

大きい鍋の中に器をふせて(下に向けて)置かないでください。ふせておくと沸騰した際、ひび割れや破損する可能性がありますので注意しましょう。

目止めは強火でしない

器を加熱する際は弱火で沸騰させます。強火にすると急激な温度変化でひび割れや破損する可能性がありますので注意しましょう。

長時間放置しない

長時間沸騰させたり、長時間浸したりしないよう注意しましょう。ひび割れや破損、臭い移りする可能性がありますので注意しましょう。

まとめ

陶器各種

目止めをすると、器を長持ちすることができます。目止めは一度ではなく、細かいひびを見つけたら再度目止めをすることでひびを埋めることができます。

器や土鍋は使い続けるごとに渋さを出してくれます。お気に入りの器をずっと使い続けたいですね。

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