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家の中でも漏電は起こる…漏電の危険性
各ご家庭には、多くの電子機器や家電が配置されています。その多くに電気が流れているため、個人の家でもちょっとした不具合で漏電してしまう恐れがあるのです。
「漏電」という言葉はよく聞くものの、具体的にどのような状態を指しているのか知らないという人も多いでしょう。漏電とは、電気が本来通るべき場所から外れて流れてしまうことを指します。
主に、電線やケーブルといった電気を通すためのルートが設けられていますが、そこになんらかの不具合が生じ、電気がルートから外れて漏れてしまうこと、と説明すると想像しやすいかもしれません。
漏電によって起こり得る危険性は?
では、漏電してしまうとどのような危険性を孕んでいるのでしょうか。
- 感電による痺れや痛み
- 強い電流が体に流れることによる呼吸困難・麻痺
- 漏電による発火・火災
いかがでしょう。特に小さなお子様や犬や猫がいるご家庭では、コンセントプラグをいたずらしてしまい、発火を起こして火傷を負ったり、感電してしまったりする恐れがあります。非常に危険なので、あらかじめ漏電しないように注意が必要です。
なぜ漏電は起こるの?考えられる7つの原因
感電や発火といった危険性を伴う漏電は、場合によって死を招く危険性もあります。では、こうした漏電はなぜ起こるのでしょうか。考えられる原因を解説していきます。
1.配線などを覆う「絶縁」が劣化
家電は1つ1つの製品が高額なため、長く使い続ける人が多いです。しかし、家電もそれぞれ適切な寿命年数があります。あまりに長く使っている家電は、本体自体が劣化しているだけでなく、配線部分も劣化している可能性が高いです。
すると、漏電しないように配線部分を覆っている絶縁が劣化し、破けてしまうなどの不具合を引き起こします。絶縁が不具合を起こすと、その部分から電気が漏れ出てしまうため、漏電につながるのです。
2.防水耐性のない電子機器の浸水
最近では防水性能の高い電子機器も多く登場していますが、防水耐性のない電子機器や家電の方が多いです。
こうした防水耐性のない電子機器が浸水してしまったり、水に濡れてしまうことで、流れている電気が正常なルートではなく、水の流れているルートを優先してしまい、漏電につながるリスクが高まります。
また、水に濡れることで絶縁部分が劣化しやすくなるため、絶縁部分の不具合を引き起こしやすくなることも原因です。
3.コンセントとプラグの間に埃がたまる
よくある漏電の原因に、コンセント部分とプラグ部分の間に埃などの汚れがたまっていることが挙げられます。これは一般的に「トラッキング現象」と呼ばれ、たまった埃などに湿気が付着することで漏電を引き起こします。
コンセント部分で漏電が発生した場合、そのまま発火現象を引き起こし、近くにカーテンなどの布製のものがある場合、火災に発展する恐れもあり大変危険です。
4.ペットによるいたずら
犬や猫といったペットを飼っているご家庭の場合、留守中にプラグやコンセントをいたずらして漏電を引き起こす恐れがあります。
特にプラグや配線部分は犬や猫にとって興味を引きやすい「おもちゃ」のような印象を与えます。噛んだり引っ掻いたりすることで、絶縁部分を傷つけ、漏電を引き起こすケースは後を絶ちません。
中には、傷めつけた絶縁部分から感電してしまい、口元や足に軽いやけどを負ってしまうこともあります。ペットのためにも、あらかじめいたずら防止対策を施しましょう。
5.汗などの塩分を含む成分付着による絶縁劣化
運動用品などの電気機であれば、汗が垂れることを想定して防水体制が整っていることも多いです。しかし、その他の家電はこのような事態を想定していないため、汗などの塩分を含む成分付着により、絶縁が劣化してしまう恐れがあります。
他にもジュースなどの飲み物が溢れてしまうことにより、漏電を引き起こすリスクがあるため、家電や電子機器の周辺では、飲料水や汗に気をつけましょう。
6.コードやプラグ部分に負担をかける行為
意外とやりがちなNG行為に、コードを引っ張ってプラグをコンセントから抜こうとする行為があります。この行為は、プラグやコンセント部分、そして配線部分に強い負荷を与えるため、断線や絶縁切断のリスクがあります。
すると、漏電の原因となり、場合によっては発火や火災を招く恐れもあります。非常に危険な行為なので、プラグを抜く際は、必ずプラグの根元を持って優しく引き抜くようにしましょう。
7.1箇所のコンセントに多くのプラグを差し込んでいる
延長コードなどを使う際、1箇所のコンセントから何本ものプラグを差し込み電気を流しているご家庭は多いです。しかし、1箇所のコンセントから使用できる電気の大きさは決まっています。過剰に電力を供給しようとすると、コード部分から熱を帯び、漏電や発火の原因となります。
また、たくさんプラグが密集していることにより、抜き差しする際に負荷をかけやすいことも漏電原因の1つです。
漏電した際の対処法!特定箇所のブレーカーを落として
漏電ブレーカーが落ちたり、触った際にびりっと痺れるような感覚がする場合、漏電している疑いがあります。対処するには、まず漏電箇所を特定する必要があるので、以下の方法で漏電箇所を特定しましょう。
- 家中のすべてのブレーカーを落とす
- アンペアブレーカーを上げる
- 続いて漏電ブレーカーを上げる
- 最後に安全ブレーカーを1つずつゆっくり上げていく
- 安全ブレーカーを上げている最中、漏電ブレーカーが落ちたら特定完了
手順5で落ちてしまった漏電ブレーカーの箇所が漏電していることになります。この後は、この該当箇所の安全ブレーカーのみを落としておくことで、他の場所は正常に電気を供給することが可能です。
漏電箇所を特定したらブレーカーを落として専門家へ
漏電箇所を特定して放置したままでは、そのまま漏電した状態から改善できていません。そのため、漏電箇所を特定したら、ブレーカーを落として専門の修理業者へ依頼しましょう。
漏電箇所を確認してもらい、修理が必要な場合は修理をしてもらってください。そのまま放置しておくと、火災に発展する恐れもあり、大変危険です。
漏電を放置すると危険…すぐに対処して
いかがでしたでしょうか。漏電を放置してしまうと、感電や発火、最悪の場合、火災を引き起こす恐れもあります。非常に危険な状態なので、今回紹介した対処法を実践し、その後は専門の業者に依頼して修理してもらいましょう。