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庭に苔が生える理由
庭に苔が生えやすい場所には、ある一定の条件があります。苔が繁殖しやすい場所の特徴は5つあります。
以下のような条件下で、苔は繁殖しやすいそうです。
- 水はけの悪い土で、常にじめじめと湿っている。
- 芝生がある場合、芝生の密度が足りないため、地面に適度に日が当たる状態。
- 芝生に栄養が足りていない。
- 風通しが悪く、空気が流れにくい一角。
- 土壌が酸性になっている。
以上のような条件下で、苔はいっきに繁殖してしまうようです。自分の庭のどこに苔が生えやすいか、そこはどのような状態になっているかを確認してみましょう。
庭の苔の種類
苔にはいくつか種類がありますが、庭に生えている全ての種類の苔に石灰が有効なのでしょうか。まずは、庭に繁殖しやすい苔についてご紹介したいと思います。
ゼニゴケ
ゼニゴケは、ゼニゴケ科ゼニゴケ属のコケだそうです。湿った土壌で繁殖し、その繁殖力はとても強いので、季節に関係なく短期間であっという間に繁殖してしまうそうです。
ゼニゴケの雄株は、うろこ状の形状をしています。葉のような部分の葉状体に、六角形の穴が開いているのが雌株の特徴になります。雌株が放出する胞子により、あっというまに繁殖してしまうようです。
イシクラゲ
イシクラゲは、ネンジュモ科ネンジュモ属の藻の一種だそうで、生命力が強く、湿度のない状態の寒さや乾燥下においても枯れないという特徴があります。
水はけの悪い、半日陰になっている場所で繁殖し、水分を含むと膨張してぬめぬめし、反対に、乾燥すると縮んで黒ずむそうです。
スナゴケ
スナゴケは、シッポゴケ目ギボウシゴケ科の蘚類になるそうです。日当たりの良い湿った土壌や岩、石垣などに繁殖します。適度な水分を保てる場所であれば、直射日光が長時間当たるところでも繁殖するそうです。
庭に生えるどの苔も湿った土壌を好むことが共通点のようです。
庭の苔を石灰で駆除する方法
庭の苔を放置すると景観を損なうだけでなく、ダンゴムシやナメクジ、カタツムリなどの害虫が発生する要因になるようです。
ここでは庭の苔を石灰で駆除する方法について、ご紹介したいと思います。
なぜ石灰で庭の苔を駆除できるのか?
苔は酸性の土壌を大変好みます。この土壌をアルカリ性の石灰をまくことで、酸性からアルカリ性に変えます。土壌が酸性でなくなれば、苔は育ちにくくなり、駆除することはできるのです。
庭の苔の駆除で使用する石灰の種類
石灰にも種類があります。どの石灰で庭の苔を駆除するのがいいか、参考にしましょう。
- 苦土石灰(くどせっかい)
- 消石灰 (しょうせっかい)
- 有機石灰(ゆうきせっかい)
「消石灰」は、即効性は高く持続性は低い
消石灰は、この中で一番アルカリ性が強い石灰です。とにかく今すぐに庭の土壌環境を変えたい方には消石灰はおすすめですが、他のタイプに比べて持続性の面では劣るようです。「とりあえず、大至急」という方に向いている石灰です。
「苦土石灰・有機石灰」は、即効性は低く持続性は高い
庭の苔対策に使用できるような石灰は、園芸店やホームセンターなどで気軽に購入が可能です。近場に園芸店やホームセンターが無い方はネットでも購入することができます。
庭の苔を石灰で駆除する手順
【用意するもの】
- 粒上の石灰(消石灰、苦土石灰、有機石灰のいずれか)
- シャベルまたは草取り鎌
- 作業用手袋
【手順】
- シャベルや草取り鎌で、苔を土からこそげるようにはがします。
- 苔が生える場所一帯を、シャベルで約30cmほどの深さまで掘ります。
- 石灰を全体に薄くまきます。
- シャベルで掘り起こした土と混ぜ合わせたら完了です。
石灰は粉上でもいいのですが、粉上は風で飛ぶこともありますので注意しましょう。
庭の苔を駆除するときの注意点
こちらでは、庭の苔を石灰で駆除する際に注意すべき点についてご紹介したいと思います。
目に入らないよう気を付けましょう
石灰は目や皮膚についたり体内に入ると大変危険です。作業する際は、長袖長ズボン、ゴーグルと作業用手袋をしてから作業しましょう。また、石灰を触ったままで、顔に触ったり目をこすったりしないよう、十分にご注意ください。
周りの植物の生育環境の特性に注意する
石灰をまくとき、取り扱う人間にも注意が必要ですが、その周囲に生息している植物のことも考えなければなりません。
苔を駆除したいその場所に生息している植物は、中性、アルカリ性の土壌でも生育が可能なのかどうかを、先にしっかり確認してから駆除作業をするようにしてください。
庭の苔を石灰以外で駆除できる?
ここまでは、石灰を用いて庭の苔を除去する方法や、石灰の種類についてご紹介しました。
ここからは、石灰以外の比較的一般家庭で用意しやすいものを使って、苔を除去する方法についてご紹介いたします。
熱湯で苔を駆除する
熱湯をかけて苔を駆除します。熱湯をかけて数日後、苔は枯れて黄色くなります。
熱湯は、雑草の除草効果もありますが、この方法はあくまでも応急処置にしかならず、一旦は枯れてなくなりますが、土壌環境が変わらないままですので、結果的には完全除去には至らず、しばらくするとまた生えてきてしまうようです。
洗濯用漂白剤で苔を駆除する
ワイドハイターやブリーチなどを用いて駆除作業を行います。こちらは、上記では紹介していませんが、お住いの家の外壁に発生する、青コケという種類のコケに効果があるようです。
バケツに張った水に漂白剤を混ぜ、スポンジで該当箇所に塗布し、5分程度放置した後、必ず水でしっかり洗い流します。漂白剤は金属を傷めますので、ご注意ください。
また、衣服につくと付いた箇所が色落ちしてしまいますので、作業に適した服装で行ってください。皮膚にもつかないよう十分注意して行ってください。
ただし、この方法は一時的な応急処置になります。苔の繁殖を抑制する効果はありませんので、こまめに外壁をチェックし、外壁の定期的な清掃作業を行うことをお勧めします。
お酢を使って苔を駆除する
昔から、苔の駆除には酢が効くといわれています。食用の酢でも苔の駆除の効果はあるようですが、木酢液(もくさくえき)を用いた駆除が有効的なようです。苔の駆除用の木酢液は、園芸店やホームセンター、インターネットの通販サイトなどで簡単に手に入ります。
最後に
庭の苔対策に石灰は最強ですが、苔は自宅の庭や外壁など、風通しが悪く湿気が多いところにあっという間に苔は繁殖してしまいます。
中には造園に用いるような苔もあるようですが、この記事でご紹介した苔は、あまり景観もよくありませんし、他の植物の生育に影響がでてしまうこともありますので駆除をおすすめします。
長期的には、石灰を用いて、土壌の酸度を健全な数値に抑え、状況に応じては苔の駆除剤や木酢液などを用いて庭のお手入れをするのが良さそうです。