缶詰はそのまま捨てちゃダメ?中身・フタ・ラベルまで正しい処分方法を解説

缶詰を捨てるとき、中身や油が残っていて困ることはありませんか?この記事では缶詰の正しい捨て方や洗い方、ラベルやフタの処分方法をわかりやすく紹介します

缶詰が再び注目される理由

陳列している缶詰

缶詰は昔から長期保存に優れている食品ですが、近年あらためて多くの人が注目しています。その理由の一つが、災害への備えとしての役割です。

東日本大震災の経験から、非常用として缶詰を家に置いておく人が増えました。2025年の調査によると、日本人の約40%が缶詰を非常食として備えており、普段から食事にも使っている人は約32%にもなります。特に60代以上の女性では半数近くが缶詰を備蓄しています。

種類が増えて楽しめるようになった

缶詰の種類が広がったことも再び注目されている理由です。以前はツナ缶や果物缶が中心でしたが、最近ではおかずやスイーツまで缶詰で販売されています。缶詰を使った料理本が発売されるなど、「手軽でおいしい」という魅力が再発見されています。

時短料理や一人暮らしに便利

中身の入った缶詰

共働きの家庭や一人暮らしが増え、手軽に調理できる食品として缶詰を日常的に利用する人が増えています。忙しい人でも缶を開けるだけで手早くおかずができるため、毎日の料理の手間を省くのにぴったりです。

こうして再び注目されている缶詰ですが、正しい処分方法を知らないままだと、せっかくのリサイクルがうまくいかず、環境にも負担をかけてしまいます。缶詰は正しい方法で処分することでリサイクルされ、環境にも家計にもやさしくなります

缶詰の正しい捨て方とポイント

缶詰を捨てるときには、守るべきポイントがいくつかあります。間違った方法で捨ててしまうと、リサイクルが難しくなったり、環境に悪い影響を与えたりする可能性があるからです。

実際に、日本ではスチール缶の約93%、アルミ缶の約97%が正しく処分されることで新しい製品に生まれ変わっています。ここでは、缶詰を正しく処分するために大切なことを詳しく説明します。

中身は全部使い切る

缶詰の中身は最後まで使い切ることが基本です。中身が残ったまま捨てるとリサイクルが難しくなり、資源が無駄になります。また、中身が腐ると臭いや虫が発生してしまうこともあります。

食べきれない場合でも、そのまま中身を捨てるのではなく、新聞紙やキッチンペーパーなどに染み込ませてから可燃ごみとして捨てましょう。

特にツナ缶のような油分が多い缶詰の場合、油をそのまま水で流すと排水管が詰まったり、川や海を汚してしまったりするため、紙で吸わせて捨てるようにしましょう。

洗うのは軽くすすぐだけでOK

缶詰を捨てる前には、中をきれいにすすぐ必要があります。ただし、食器用洗剤などを使ってしっかり洗う必要はありません。水で軽くすすぐだけで十分きれいになります。

特にトマト缶の場合、色や汁が濃いため、つい念入りに洗いたくなりますが、軽くすすぐ程度でも問題ありません。これは、水の使いすぎや洗剤の無駄遣いを避け、環境への負担を減らすためです。

缶のラベルはできるだけ剥がす

缶詰に貼られたラベルは、できるだけ剥がしてから捨てるようにします。なぜなら、ラベルが残ったままだと缶のリサイクル工程で邪魔になることがあるからです。

ただし、完全に剥がれなくても大きな問題はありません。紙製のラベルは可燃ごみ、プラスチック製のラベルはプラスチックごみとして処分するようにしましょう。ラベルを剥がしておくとリサイクルがより簡単になり、環境保護に貢献できます。

フタやプルタブは外さずそのまま捨てる

缶詰のフタやプルタブは外さず、そのままの状態で缶と一緒に捨てるようにしましょう。外すと分別作業の際に手間が増えたり、リサイクル効率が落ちたりします。

また、外れたフタは鋭くて危険ですので、もし外れてしまった場合はケガを防ぐためにフタを缶の中に押し込んで処分します。完全に外れた場合は、小さな金属ごみとして自治体の指示に従って分別しましょう。

缶詰は潰さずにそのまま出すのが基本

缶詰は潰さずにそのままの形で処分しましょう。一部の自治体では潰すように推奨していますが、潰してしまうとリサイクル工場での選別が難しくなることもあるからです。潰さないほうが、機械での選別やリサイクルがスムーズに行われるケースが多いのです。

膨らんだ缶詰は注意して処分する

缶詰が膨らんでいる場合、中身が腐敗し、ボツリヌス菌という危険な細菌が繁殖している可能性があります。この菌は人体に悪影響を与える恐れがありますので、絶対に食べてはいけません。

膨張した缶を処分する場合は、換気を良くしてマスクと手袋をつけ、水を張ったバケツの中で慎重に穴を開け、中身を紙や新聞紙に吸わせてから可燃ごみとして捨てます。缶は自治体のルールに従って不燃ごみまたは資源ごみとして処分します。

汚れが落ちない缶は無理にリサイクルしない

缶をすすいでも油や食べ物の汚れが落ちない場合は、無理に資源ごみに出さず、自治体が定める可燃ごみや不燃ごみとして処分します。

汚れがついたまま資源ごみに出すと、リサイクルの効率が悪くなり、かえって環境負荷が高まります。無理せず適切に分別することで、環境に対する負担を減らせます。

スプレー缶や一斗缶は別の方法で処分する

スプレー缶や一斗缶など、食品以外の缶は処分方法が異なります。スプレー缶やカセットボンベはガスが残っていると火災や爆発の危険があるため、必ず中身を使い切ってから自治体指定の方法で処分しましょう。

一斗缶などの大型の缶は粗大ごみや金属ごみとして別途分別する必要があります。通常の食品缶と一緒に処分しないよう注意してください。

まとめ

圧縮された空き缶

缶詰の処分を適切に行うことは、地球環境への貢献だけでなく、私たち自身の安全や衛生にもつながります。実際、世界的にも缶詰のリサイクル率は非常に高く、環境負荷が少ない包装材料として評価されています

特に近年は缶詰をおしゃれなインテリアとして再利用する人もおり、捨てる以外の活用方法にも注目が集まっています。処分前に新たな活用法を考えることも、環境に優しいライフスタイルの一歩と言えるでしょう。

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