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咳を止めるのはNG
風邪を引いているときに咳をすると「周囲の人にうつしてしまうかも」と不安になりますよね。風邪でなくても近くで咳をされるとあからさまに嫌がる人もいるでしょう。
公共の場での咳は控えたいものですが、実は咳を止めるのはNGです。その理由をご紹介します。
咳には肺を守る重要な役割がある
人間は空気中の酸素だけを吸うことはできません。二酸化炭素やほこり、ウイルスや花粉、空気中に漂う様々な異物も一緒に吸い込んでいます。口と肺とをつなぐ気道に酸素以外の異物が入ったとき人間の体は肺を守るために自動的に異物を排出しようとします。この異物を排出する役割を担っているのが咳なのです。
咳を止めるとどうなる?
ウイルスや菌が体内に入り込むと人間の体は発熱して殺菌しようとします。咳も発熱と同じで人間の体に異物が入り込んだサインです。咳や熱を薬でおさえ込んでしまうと体の防御反応を邪魔することになり排出されるはずの異物が体内に残ってしまうのです。
咳は病気のサインかも
咳は大きく2種類に分けることができ、それぞれ病気を知らせるサインです。
痰をともなう湿性咳
咳き込むとき喉から痰が出る咳を「湿性咳」といいます。痰の原因は人間の気管支を守るために、気管支の粘膜から絶えず出ている分泌液です。気管支が炎症を起こすと分泌液が増え呼吸を妨げるほど分泌液が溜まると痰になって咳と一緒に口の中に吐き出されます。
痰をともなう湿性咳が出たら気管支炎などの循環器疾患を疑いましょう。
痰がない乾性咳
痰がない咳「乾性咳」は風邪が原因の場合がほとんどですが、風邪と思って放置しておくのはNGです。ときには肺炎や肺がん、百日咳や咳ぜんそくといった危険な病気が潜んでいることもあります。
2週間以上長引く咳は要注意
咳は病気のサインなので安易に止めるのはNGです。しかしあまりにも長い期間、咳が続くと体力も奪われてしまいます。咳がどれほど体力を奪うのかどのくらいで医療機関にかかったほうがいいのかを紹介します。
咳は1回2kcal消費する
咳を1回すると2kcalを消費するといわれており、ひんぱんに咳を繰り返すと肋骨を折ってしまうほど体に負担がかかることもあります。咳は体力を奪うのです。
2週間以上咳が続く場合は医療機関へ
2週間以上咳が続く場合は要注意です。最近は咳が続くだけの咳ぜんそくも増えていると言われています。他にも胃液が食道に逆流する胃食道逆流症や肺結核の初期症状、肺がんが原因になっている可能性もあります。
咳には意外な原因が影響していることもあるので2週間以上長引く場合は、医療機関の診察を受けましょう。
むやみに咳を止めず原因を突き止めよう
咳を止めてはいけない理由や咳が出る原因についてご紹介しました。
咳は体の異常を知らせる大切なサインです。公共の場での咳エチケットも重要ですが、むやみに咳を止めるのではなく原因をきちんと知った上でケアするようにしましょう。