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ウールが縮む原因3つ
ウールはとてもデリケートな素材です。縮ませてしまったことがある人も多いかと思いますが、ではなぜウールは縮んでしまうのでしょうか?まずはウールの特性を知りましょう。
ウールとは羊の毛のことをいいます。獣毛の天然繊維はまとめてウールと呼ばれることもあります。ウールの特徴は、防寒性と保温性に優れていることです。そのため、冬の防寒着として使われることが多いです。
さらに弾性が高く型崩れをしにくく、しわにもなりにくいです。これらはメリットといえる特性です。ではウール最大のデメリットといえる縮みはどのようにして起こるのでしょう?大きな要因は3つあります。
①こすれ
ウールはこすれると、その部分がフェルトのように固まって縮んでしまいます。
②冷たすぎる水
ウールは水につけると、人間でいうキューティクルようなものが逆立ちます。その逆立ちが絡み合うと縮んでしまいます。
③熱
熱を加えることも、水と同じ現象が起こり縮んでしまいます。洗濯機に入れて洗ってしまうと一気に縮んでしまうのは、これらの要因を見事に洗濯機が引き起こしているからです。絶対にウールを通常通りのモードで洗濯機には入れないでください。
ウールが縮まない洗濯の仕方
ではどんな風に洗えばウールを縮ませずに洗うことができるのでしょう?ここでは手洗いの場合と洗濯機を使う場合の二通りをご紹介します。
手洗いの場合
①洗いたいウールの洗濯表示を確認
ここで水洗いが可能な表示があるなら、家で洗濯することができます。もし水洗いが不可であれば家での洗濯はできないためクリーニングに持っていきましょう。
②洗面器や桶に水を張る
先ほど説明したよう冷たすぎる水では縮んでしまうため、30℃以下の常温の水を使ってください。水を張ったら洗剤を入れましょう。ウールはアルカリ性に弱いので、アルカリ性の洗剤は使わないでください。おしゃれ着用洗剤など中性洗剤を使いましょう。
③押し洗いをする
洗うウールを畳んで水の中にいれます。ウールはこすれると縮んでしまうので、軽く押し洗いをします。時間も短めに5分程度で洗うようにしましょう。
④すすぎ洗いをする
最初に入れた温度と同じくらいの水ですすぎ洗いをして、洗剤を落とします。洗剤が落ちるまで2回ほどすすぎを繰り返します。この時もこすれないように気を付けてください。
⑤脱水をする
バスタオルにはさんで手で押してしっかり水気をきります。もし洗濯機で脱水する時は必ずネットに入れ、30秒以内で脱水をしてください。
洗濯機の場合
①洗いたいウールの洗濯表示を確認
手洗いの時と同じです。洗濯機の場合ドライコースというものを使うので、ドライ洗いが可能かどうかしっかり確認するようにしてください。
②裏返して畳んで、ネットにいれる
ウールを洗濯機に入れる場合は必ず洗濯ネットを使用してください。こすれが大分軽減されます。
さらにウールは裏返しにします。カーディガンなどボタンがあるものは、ボタンをして裏返してください。裏返しで畳んだ状態でネットにいれます。裏返し畳むことで型崩れとこすれを抑えることができます。
③「ドライコース」「手洗いコース」などを選択
洗濯機の機能にある「ドライコース」や「手洗いコース」はデリケートな素材を洗うためにあります。必ずそれらのコースを利用してください。
④中性洗剤を使う
ここも手洗いの時と同じで、おしゃれ着用洗剤など中性洗剤を使用してください。ウール製品は他の物とは一緒に洗わず、まとめて洗うならウール製品のものと一緒に洗うようにしてください。中性洗剤は洗浄力が弱いための他の素材は汚れが落ちにくい可能性があります。
⑤脱水をする
洗濯機の脱水は負担が大きいため、バスタオルを使って脱水するのがおすすめですが、洗濯機を使う場合は最短で終わらせるようにしましょう。30秒以内にしてください。
洗い方は以上になります。
ウールが伸びない干し方
次は干し方についてです。せっかく丁寧に洗ったウールを伸ばさないように、干し方についてもしっかり注意していきましょう。ウールは基本的に平干しをします。ウールは濡れたままハンガーにかけると、水分を含んだ重さで伸びてしまいます。
平干しは、平のところに置いて干す方法です。平干し用ハンガーも売られていますし、ピンチハンガーを代用して上に置いても干すことができます。また日向に干すと、早く乾きますが色落ちの原因になりますので日陰で干してください。ウールは日陰や室内で平干しです。
ウールを洗濯する頻度はどのくらい?
手洗いをするなど、ウールを洗うのはなかなか手間がかかると感じられた方が多いのではないでしょうか?でも大丈夫です。そもそもウールは頻繁に洗うものではありません。
着るたびに洗っていると風合いを損ねてしまいますので、一般的にワンシーズンに3~4回でいいと言われています。月に1回ペースです。
汗をかいてしまって、洗いたいと思う方もいるかと思いますがちょっとした汗なら着終わった後にしまわないで、そのまま干すだけで大丈夫です。干すと言ってもハンガーにかける必要もなく、イスなどに掛けて置くだけでいいです。
脱いだ後にイスに掛けるくらいなら簡単にできますね。服用の消臭剤をかけることもおすすめです。多少の汗ならこのくらいのケアで大丈夫です。
ウールのアイロンのかけ方
ウールはしわになりにくい素材ですが、薄手のウールの場合はしわになることもあります。そんな時にアイロンを活用することがあるかと思います。ですが、先ほど説明した通りウールは熱に弱く、アイロンをかける時には注意が必要です。アイロンを使う時の注意点をポイントごとにご紹介します。
スチームアイロンを利用する
まずアイロンはスチームアイロンを使いましょう。ドライアイロンではウールの毛並みを潰してしまい、ウールの特性でテカりを作ってしまう危険性があります。必ずスチームアイロンを活用してください。
アイロンの利用時の温度設定
アイロンの温度は、高温には設定しないでください。高温では縮む原因になりますので、必ず低温か中温の設定をしてください。
直接アイロンが当たらないように浮かせてかける
ウールにアイロンをかける時はハンガーなどにかけ、つるした状態でアイロンが直接当たらないよう少し浮かせて、片方の手でしわを伸ばすようにかけてください。
まとめ
ウールを洗うのは少し手間がかかると感じた方が多いかもしれません。ですが、手洗いよりは少し衣類に負担がかかりますが、洗濯機の「ドライコース」や「手洗いコース」を使えば簡単にウールを洗うことができます。
ぜひ少し洗い方に気を配ってウール特有の柔らかい風合いを長く楽しんでください。