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ローストビーフから赤い汁が出ていても大丈夫?
ローストビーフの赤い汁は生焼けの血ではなく、ローストビーフの肉汁で「ミオグロビン」というタンパク質です。「ミオグロビン」は牛肉の中に含まれていますが水分と混ざると赤い液体に変わります。
血液とそっくりな「ミオグロビン」は、もともと牛肉に含まれる栄養素ですので、食べても大丈夫です。販売されている新鮮な牛肉にはほとんど血液は付着していないといわれていますので安心です。
ローストビーフが赤い理由
ローストビーフは大きなブロック肉のまま低温のオーブンなどで焼きます。
ばら肉などの場合、熱を加えると茶色く変色しますが、これはタンパク質が急激な加熱で変色する熱変性をおこしているからです。
ローストビーフの場合は肉の外側はオーブンの熱が直接あたり急激な加熱によって肉変性を起こして茶色くなりますが、肉の内側は低温でゆっくり加熱されるため、タンパク質が熱変性をおこさず茶色く変色しないのです。
そのため外側が香ばしく焼けて内側は赤いロゼで仕上がります。またローストビーフをカットして時間が経つと赤色が増すのは「ヘモグロビン」が空気中の酸素に触れることで赤くなってくるからです。
ローストビーフから赤い汁を出さない方法
ローストビーフに赤い汁が出ない方法のポイントは牛肉の温度です。
冷ましてからカットする
ローストビーフが熱いうちにカットせず、冷めてからカットすると赤い汁が出にくくなります。冷めるまで放置する時間は1~2時間程度おすすめです。
放置している間に肉汁が肉の中に閉じ込められカットした時に赤い汁が出にくくなります。また口当たりもジューシーで美味しくなります。
焼く前の牛肉の温度
ローストビーフを焼く際は常温に戻してから焼きましょう。冷蔵庫から出して冷たいまま焼くと肉の外側と中心の温度差が大きく、中心までなかなか過熱されません。また温度差があるとローストビーフから赤い汁が出やすくなります。
ローストビーフが焼けているか確認する方法
竹串を刺して焼き加減を確認する方法
- ローストビーフが焼き上がったら竹串を中心部まで刺します。
- すぐに刺した竹串をローストビーフから引き抜いて竹串を唇につけます。
- 引き抜いた竹串が熱かったり温かかった場合は、ローストビーフの中心まで火が通っています。
- 引き抜いた竹串がつめたかったりぬるかった場合は、ローストビーフの焼き加減が足りません。
金串を刺して焼き加減を確認する方法
- ローストビーフが焼き上がったら金串を中心部まで刺します。
- ローストビーフに金串を刺したまま10秒程待ちます。
- 10秒程たったら金串を引き抜いて金串を唇につけます。
- ローストビーフから引き抜いた金串が冷たかった場合は生焼けです。
- ローストビーフから引き抜いた金串が暖かかった場合は最適な焼き加減のロゼです。
- ローストビーフから引き抜いた金串が熱かった場合は焼きすぎです。
カットして焼き加減を確認する方法
- ローストビーフをカットして薄いピンク色だったら最適な焼き加減のロゼです。
- ローストビーフをカットして赤い色だったら焼き加減が足りません。
温度計を使う
温度計でローストビーフの中心温度計って確認します。50℃以下は生焼けです。
焼き上がり温度の目安
- 生焼け:50℃
- レア:50~54℃
- ロゼ:54~57℃
- ミディアムレア:57℃
- ミディアム:60℃
- ウェルダン:63℃
ロゼは最もロースとビーフが美味しくなる焼き加減だといわれていますので、50℃を目安に設定して焼きましょう。
ローストビーフの生焼けを食べてしまった場合
通常の食中毒は、精肉にいる寄生虫や細菌によるものが原因です。寄生虫は主に肉の表面に付着していて肉の内部に侵入することはなく、冷凍した段階で死滅しています。
牛肉には人体に害を及ぼす寄生虫がいないため、生焼けのローストビーフを食べても食中毒にはならないと言われています。また、肉の中心部に菌や寄生虫が繁殖していたとしても80℃以上の熱を加えればほとんどが死滅してしまいます。
新鮮な牛肉を使用して肉の外側をしっかりと焼ればローストビーフを生焼けで食べたても食中毒の心配は少ないでしょう。
最後に
スーパーで売られている牛肉のパックに赤い汁がたまっているものがありますが、実はあれも「ミオグロビン」です。冷凍された牛肉が解凍で出た水と混ざって赤い汁を出すと言われています。
ただし腐っている場合も考えられますので必ず確認しましょう。
パックに赤い汁がたまっている肉はタンパク質や栄養素が流れ出ていることが多いく味が落ちる場合がありますので赤い汁がたまっていないものがおすすめです。