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柿はジャムに適さない理由
柿がジャムに適さない理由は、ジャムにすると見た目が黒くなってしまうことと、なぜか「渋み」が出てしまうからです。
加熱で「渋み」が復活する
渋柿や渋抜きをした甘柿、未完熟の柿などは、渋み成分の「タンニン」が抜けていないため、加熱することでタンニンが復活することがあります。そのせいで渋くなることを「渋戻り」といいます。
ジャムを作る前に、タンニンが抜けている柿を見分けることができればいいのですが、実際には見分けがつきにくく渋くなって気がつくので、柿はジャムに適さないと言われてしまうのです。
大量に作る場合、最初にちょっとだけ作って、渋くならないか確認することをおすすめします。
見た目が黒くなってしまう
柿をジャムにすると黒くなるのは、柿に含まれる酵素が原因です。酵素は加熱すると、黒くなる性質があります。黒くならない方法については後述します。
柿ジャムの「渋み」を消す方法
ヨーグルトやプロテインパウダーを混ぜる
ヨーグルトやプロテインパウダーにはタンパク質が含まれています。渋み成分のタンニンは、タンパク質と結合すると渋味を感じなくなります。
牛乳を混ぜる
牛乳のタンパク質を合わせることで渋みを感じなくなります。牛乳のように、動物性タンパク質がもっとも渋みを取るのに適しています。
スムージーにする
牛乳と一緒にミキサーにかけてスムージーにすると渋みを感じなくなります。
料理の隠し味にする
料理の隠し味として使うこともおすすめです。ビーフシチューやビーフカレーなど煮込み料理に使ってみましょう。
黒くならない柿ジャムの作り方
ジャムを作るときに、レモンやクエン酸やゆず酢を使うと黒くなりません。
<材料>
- 完熟の柿 :2個
- レモン果汁:大さじ1
- 砂糖 :80g
レモンの代わりに「クエン酸」や「ゆず酢」でもOKです。クエン酸の場合は小さじ1/2、ゆず酢の場合は大さじ1杯が目安です。
<作り方>
- 柿を4等分に切り分けます。
※柿の十字の線に沿って切ると種を避けて綺麗に切ることができます。 - 柿のヘタと種を取り皮をむきます。
- 柿を7mm~1cmほど小さくサイコロ状に切ります。
- 柿の半量の砂糖と同量のレモン汁をざっくりまぜ合わせたら2時間以上寝かせます。
- 鍋に④の柿を入れて中火にかけます。
- 沸騰したら弱火にして木べらなどで底からやさしくかき混ぜながら煮詰めます。
- アクが出てきますのでしっかり取り除きます。
- 柿がやわらかいペースト状になったら残りの砂糖とレモン汁を加えます。
- さらに5分ほど煮て好みの状態になったら火を止めて完成です。
作った柿のジャムを煮沸消毒した瓶に詰めましょう。
柿ジャムの保存方法
煮沸消毒の手順
- 鍋に瓶とフタを入れ、瓶が埋もれるほどの鍋一杯の水を入れます。
- 鍋を火にかけて沸騰させたら5分ほど煮沸します。
- 鍋から瓶を取り出し、清潔なキッチンペーパーの上にふせて置きます。
- 水気をしっかりとりましょう。
柿を瓶詰めにする手順
- ジャムを作り終えたら火を止めます。
- 煮沸消毒した瓶にジャムを移し替えます。ジャムは瓶の口から5mm程度のところまで詰めます。
- 瓶のフタを軽く閉めます。
- 鍋に瓶の半分くらいが埋まるくらいの水を入れます。
- 鍋の水を沸騰させます。
- 沸騰した熱湯の中に瓶を入れます。
- 10~15分ほど煮沸させます。※瓶の中の空気を拔くことができます。
- 瓶のフタを閉じ30分ほど瓶を逆さまにします。※瓶のフタの内側も消毒することができます。
- 瓶を水道水で10分ほど冷やせば完成です。
この処理がしっかりできれば常温でも数ヶ月保存できます。開封後は冷蔵庫で2週間程になりますので注意しましょう。
ジャムをすくうスプーンは清潔なものを使用し、スプーンについたパン屑などがジャムに入らないように気をつけましょう。
最後に
柿のジャムが黒くなってしまったり、渋みがでてしまったら捨てずに料理で使いましょう。
ビーフシチューなど煮込み料理なら黒いジャムもわかりません。また、肉のタンパク質が渋みを感じなくします。煮物に入れると砂糖の甘さと一味違った上品な甘さに仕上がります。
せっかく作った柿ジャムを無駄にしないためにもぜひ作ってみてくださいね。