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赤飯を保存するなら常温・冷蔵・冷凍どれがいい?
赤飯は「冷凍」保存が最も適しています。赤飯に含まれるデンプンは0℃~3℃が最も劣化するからです。
お米には大きく分けて「うるち米」と「もち米」があります。大きな違いは含まれているデンプンの成分にあります。
「うるち米」にはアミロースとアミロペクチンが2:8で含まれており、「もち米」に含まれているのはアミロペクチンのみです。「もち米」の強い粘りと食感はこのアミロペクチンによるものです。
アミロペクチンは水分と熱を加えると分子に隙間ができてのり化してやわらかくなります。そして時間がたち冷めてくるとだんだん隙間がなくなり固くなってきます。
蒸したての赤飯は柔らかくてモチモチしていますが冷めると固くなるのはこのためです。
冷凍保存する場合
冷凍庫の温度は-18℃以下なので、デンプンが劣化する温度帯には該当しません。また、急速冷凍することで赤飯の味を保ったまま保存ができるので冷凍保存が最適です。
冷蔵保存する場合
赤飯に含まれるデンプンは0℃~3℃が最も劣化します。冷蔵庫の中は約0℃~6℃なので、デンプンの劣化を早めてしまいます。また冷蔵保存することでパサパサになるのが早いのでおすすめできません。
常温保存する場合
赤飯は冷めると固くなるため冷蔵保存より常温保存の方が適していますが、夏場など暑い時期は赤飯が傷むのが早く食中毒の原因になりますので注意が必要です。
また、夏以外でも保存場所の温度や湿度が劣化の原因になる可能性がありますので、当日中に食べましょう。
赤飯を保存できる日数
冷凍保存する場合
冷凍保存は1ヶ月程度です。急速冷凍した場合は2ヶ月ほど保存することも可能ですが、赤飯の味が落ちますので1ヶ月以内に食べましょう。
冷蔵保存する場合
冷蔵保存では2日以内です。2日以上保存すると冷蔵庫内でも劣化して腐る可能性があります。
常温保存する場合
夏場は暗所でも3~5時間以内、冬場は暖房の無い涼しい場所で12時間以内、春や秋などもできるだけ作った当日に食べましょう。
赤飯の保存方法
常温保存の手順
- 赤飯を完全に冷やします。
- 赤飯を小分けにし、密封できるタッパーに入れます。お皿に盛ったまま保存する場合はしっかり冷えたのを確認してラップをかけましょう。
赤飯を熱いままタッパーなどに入れると蒸気が水滴になり赤飯についてしまい傷んでしまう原因になりますので注意しましょう。
冷蔵保存の手順
- 赤飯を完全に冷やします。
- 赤飯を小分けにします。
- 密封できるタッパーの中にラップを長めに敷きます。
- ラップの上に赤飯をのせて上からラップで包みます。
- できるだけ空気を抜きながらタッパーを閉じます。
冷凍保存の手順
赤飯の保存で一番適しているのは冷凍保存です。赤飯を作った当日に食べることができない場合はできるだけ冷凍で保存しましょう。
赤飯をラップに包んで保存する場合
- 赤飯が温かいうちに1食分ずつ小分けにします。
- 小分けにした赤飯をラップの上にできるだけ平らに広げます。
- ラップで二重に包みます。
- 赤飯の粗熱が取れるまで待ちます。
- 冷凍用保存袋に赤飯が重ならないよう入れます。
- 冷凍用保存袋の空気をしっかり抜き密封します。
- アルミなどの金属トレーに乗せて冷凍保存します。
金属トレーに乗せることで早く冷凍することができます。金属トレーが無い場合はアルミホイルに包んで冷凍しましょう。
赤飯をタッパーに入れて保存する場合
- 赤飯の粗熱を取ります。
- ラップを大きめに切りタッパーに敷きます。隙間ができないよう注意しましょう。
- 敷いたラップの上に赤飯をのせます。
- ラップで赤飯の表面を包みます。
- 空気をしっかり抜いてフタを閉めます。
大きなタッパーに赤飯をたくさん保存すると冷凍するまで時間がかかる為、劣化の原因になる可能性がありますので注意しましょう。
赤飯の上に、南天(ナンテン)の葉が乗せられているのを見たことはありませんか?
実は南天の葉に含まれるナンニジンという成分が熱と水分によってチアン水素が発生します。このチアン水素に赤飯の腐敗を抑える作用があるのです。
また「難を転ずる」という由来がある南天をお赤飯に添えるのは厄除けの意味も込められていたようです。縁起と実用性を兼ねていたのですね。先人の知恵がつまった日本ならではの習慣です。
冷凍保存した赤飯の解凍方法
美味しく食べるためには解凍方法が重要です。冷凍保存した赤飯のもちもち感を復活させて美味しく食べる方法として「蒸しなおす」「電子レンジでチンする」方法を紹介します。
モチモチ感を出すには
冷凍保存した赤飯のふっくら・もちもち感を出す一番の方法は蒸しなおす方法です。蒸し器がある場合は、ある程度自然解凍してから蒸しなおすと作りたてのふっくら・もちもち感がよみがえります。蒸し器が無い場合はフライパンやお鍋を代用してください。
フライパンを使って蒸しなおす方法
【 用意するもの 】
- 耐熱皿
- フライパン
- クッキングシート
- 布巾
【 手順 】
- 耐熱皿をフライパンの中に置きます。
- お皿の半分が埋まるくらいの水を入れます。
- フライパンを火にかけて沸騰させます。
- 蒸気が出たらお皿の中にクッキングシートを敷きます。
- 中火にして沸騰したお湯がお皿の中に入らないようにします。
- 凍った赤飯をお皿にのせます。
- フライパンのフタを布巾でつつみます。
- フライパンにフタをします。
- 5分程度蒸します。(ご飯茶わん2杯くらいを目安)
- 軽くほぐしたら完成です。
フライパンのフタを布巾で包むのは蒸気の水滴が赤飯の中に入らないためですので、必ず布巾で包みましょう
電子レンジでチンする方法
蒸している時間がない場合は、電子レンジでもOKです。冷凍保存した赤飯を電子レンジで美味しく解凍するコツは、パサパサ感がなくなるよう、水やお酒をふりかけることです。
- ある程度自然解凍させます。
- 電子レンジOKのお皿に赤飯をのせます。
- お赤飯の上から小さじ一杯程度の水またはお酒をかけます。
- ラップをかけて1分半ほど電子レンジでチンします。
- ラップをかけたまま少し蒸らしたらOKです。
食べないほうがいい赤飯とは
次のような状態の赤飯は食べないようにしましょう。
【 臭い 】
- 酸っぱい臭いがする
- 変な臭いがする
【 味 】
- 酸っぱい味がする
- 変な味がする
【 見た目 】
- カビが生えている
- ネバネバしている
- 糸を引いている
最後に
赤飯の保存方法は、赤飯に含まれるデンプンの性質によって冷凍保存が最も適しています。また、赤飯によくにたおこわもデンプンは変わりませんので、冷凍保存が向いています。当日に食べきれないときは冷凍保存しましょう。